勇者として生きる道の上で(R-18)

ちゃめしごと

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第一章 島からの旅立ち

第五話 眼が覚めたら呪われていました

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 目が、覚めた。
 外から朝を告げるモーニングバードの鳴き声が聞こえてくる。

 夢、だったのかな?
 僕は、神様に出会った。

 神様に、人魔戦争を終わらせるように頼まれて、それで…。

「わ、あわわ…」

 何だか、凄く気持ちの良いことをして、おちんちんがおかしくなっちゃって…。
 神様の、お、おまんこに…ぼくのおしっこみたいな物を…。

 僕はなんて不信心者なんだ。
 ごめんなさい神様、僕は愚かです。

 それにしても、僕が神様とした事はなんだったんだろう?
 先生に聞いてみようかな?

 いやいや、は、恥ずかしくて無理だ。
 うーん、でも、もう一度やってみたい様な気もする。

 長い人生、何処かで知る機会もあるだろうし、今は神様に命じられた人魔戦争を止めることに尽力しよう。

「よし、そうと決まればご飯を作って食べよう」

 僕は布団から出て大きく伸びをしてキッチンへと向かい、

「…その前に、なんだか身体がべとべとするから水浴びをしよう」

 踵を返して何故かいつもお隣さんと眼が合う外の水浴び場へ。

 朝にする水浴びって、爽やかになるから好きだな。




「旅に出るワケだけど、まずはここから港町のクリッケに行く必要があるんだよね」

 僕が今いる島は大陸から南東、つまりは魔国領地に程近い位置にある。
 だからといって人が住んでいないワケでは無いし、魔族が住んでいないワケでも無い。

 ツミレ先生から教えてもらったこの島の発展の歴史、この島は大陸で行われる戦争や、排斥活動から逃れてきた人々が行き着いて発展を遂げたという。
 なので、僕の家から四つお隣さんにはヴァンパイア族のモチーモさんが住んでいるし、この町の酒場を経営しているのはミノタウロス族のレナーシアさんだ。

 旅に出る為の準備は整えてある。
 
 僕は旅装に着替えて、肩と腕にプロテクターを装備して荷物を纏めてあるリュックを背負った。

 ツミレ先生の教えで、身体に密着させられる調整機能が付いたリュックを購入してある。
 というのも、戦闘中にリュックが跳ねて背中に衝撃が走ると動きが鈍るからだ。

 リュックの中身は以前世界中を冒険していたヴァンパイア族のモチーモさんから教わった物が入っている。
 リュックの側面に付いている掛け具に長短二種類のロープと水の入った皮袋を括りつけ、旅装のベルトに付いている収納に簡易ナイフを収める。

 旅に出る前に自分の現状を把握する為に、この日の為に買っておいた能力札を自分の胸に抱く。
 この能力札はレベルを含めて自分の実力を把握する事が出来る便利な物だ。

『アルノート=ミュニャコス Lv 002
 固有能力 精と生の呪い 勇者の祝福
 能力   長剣術Stg.0  学習Stg.2 
      性技Stg.0   誘惑Stg.3
 称号   勇者     犯される者 』

 Lvは2かぁ…これでも今日の為に色々とやってきたんだけれど、それでも2かぁ…。
 
 固有能力は…の、呪い!?
 そういえば神様が何か呪いを掛けるって…アレは夢じゃ無かったんだ。
 こういう部分を詳しく知る為には文献を当たるしか無いんだよね、うーん、大陸の図書館を訪問するしかないなぁ。

 長剣術がStg.0になっているのは嬉しいな、自分の努力が実った感じだ。
S tg…ステージは1~3まであって、先天的に持ち得ている才能や、努力の結果、その才能と同じ領域まで達した事で登ることが出来る。

 一般的にStgが2もあればその分野の一流、天才の域と呼べる。
 Stgが3ともなると天性の素質、神に選ばれし才能と呼ばれる様になる。
 Stgが1の場合は人に教えたり、充分に一人立ちしてやっていけるくらいだ。

 Stgが0、というのは才能が無いのでは無く、Stg.1に行ける可能性を持っているという事になる。

 所で、学習という物がStg.2にあるのだけれどどんな能力なのだろうか?
 旅立つ前にツミレ先生に聞いてみよう。

 それと、性技?
 なんだろうコレ、正義の文字が間違っちゃったのかな?

 それと、誘惑?
 それもStg.3!?

 僕は誘惑する事に掛けて天性の才能を持っているというの!?
 うーん、これが挑発とかだったら敵を引き付ける事が出来たりしたのかもしれないけれど、誘惑って挑発とは少しニュアンスが違うもんなぁ。

 気になる所は多いけれど、取り敢えずこの日の為に購入した剣を腰に挿して…よし、これで準備完了だ!
 取り敢えずは旅立つ前に挨拶廻りをしよう!
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