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第一章 島からの旅立ち
第十七話 IFルート
しおりを挟む「挿れたい…クレア姉さんの、おまんこに、挿れたいよぉ…」
とうとう、アルは折れた。
葛藤の中で快楽が勝った事が分かる後悔を含んだ声は、私が自分の手でアルをもぎ取った事を証明している様で…最高に、私の雌を刺激した。
「じゃあ、一緒に居てくれるんだ?」
上から見下ろす形での言葉が、アルの琴線に触れたのかアルのおちんちんがぴくりと反応を示した。
「…うん」
自覚しているのか無自覚なのか、先程よりも大きくなったアルのおちんちんは間違いなく快楽を、自分を絶頂させてくれる存在を待ち望んでいた。
綺麗なおちんちんは、血管すら浮きあがりが薄くて桃色の先端は使われていない女性器すら連想させる。
先端をあてがった瞬間、アルのおちんちんは歓喜に震える様に何度か跳ねた。
その様子がおかしくて、私の嗜虐心を擽った。
先端と入口が重なった状態から腰を降ろさない私に、アルは疑問に満ちた表情で「え…え…?」と声を漏らしていた。
気持ち良くして貰えると思ったのに、そこから先に進まない、亀頭だけが少し入っているだけで、それ以上の快楽が望めない現状…自分が望み、訪れるはずだった快楽を求める疑問の声。
「ど…うして?」
声を出すだけで、喉を震わせるだけで気持ちが良いのか、アルは自分の両手を胸元に持って行き、握り拳を作り少女の様な身振りで問い掛けてきた。
無自覚の行動だろう。それがどれだけ可愛らしい物なのかも自覚せずに行っているに違いない。
焦らすという行為、これまでアルに散々行ってきた中でも、恐らくは一番アルにとって苦しい状況。
気持ち良くなれると分かっていて、気持ち良くなる為に自分の道を差し出したのに、それでも挿れて貰えない現実、それは…どれ程苦しい事なのだろうか。
それを口に出して確認する必要は無かった。眉を下げ、荒い息を漏らす口元から垂れた唾液がアルが限界である事を証明している。
「そんなに挿れて欲しいんだ?」
意地悪な質問も、今のアルにとっては快楽に繋がるレールが新たに敷かれたに過ぎない。
頷くという動作の後に、触れている亀頭が僅かに膨らんだ。まるで期待の高まりをその部分で示している様ないじらしさに、子宮に痺れが走る。愛液が腿を走る。
「でもまだ駄目…」
そう言いながら、思いっきり腰を降ろす。
言葉に反応して悲しげな瞳を向けていたアルが、突然の快楽に戸惑い身体をびくんと跳ねさせながらついに目元から涙を流した。
「あ、え、あ、あ、ああぁあぁぁあぁぁああ」
快楽が来る。
そう思いながら快楽をその身に感じるのと、快楽がまだお預けされる。そう思いながら快楽がいきなり襲い来るのでは、その差は大きい。
歴然とした差がある事は間違いなく。
アルは地面を指で擦り、背で擦り、必死に快楽に抗おうとしていたが―――無駄。
挿れるだけならば快楽はそこで終わったかもしれないけれど、挿入の快感は、抜く時にも生じる。
自分の身を貫いたアルのおちんちんから感じる熱を、膣内で楽しみながらゆっくりと、自分の内にある幾つもの凸がアルのおちんちんが出ていこうとするのを拒むように吸いつく。腹筋の下、膀胱よりも内側に力を込めて、アルのおちんちんを抑え込む。
抑え込みながら、腰を上に浮かして自分から抜く。相反する二つの行為、止めようとする膣内と、抜こうとする外側。小さくとも確かに反り返ったアルのおちんちんは私の中で摩擦を受け、吸いつかれ、毒よりもずっといやらしい愛液という液体をまんべんなく塗りたくられる。
「あっは、は、あぁ…あぁぁあ…だめ…もぅ…」
射精が近いのか、膣内で震えるアルのおちんちんは先程よりも一回り大きくなっていた。
故に、止まる。
私はそこで、動きを止めた。力を抜いた。アルへと送る快楽の波を堰き止めた。
「にゃ…うぇ、くれあ…ねぇさん?」
疑問形での問いは自分がもう少しで射精に至れたのにという意味を孕んでいる事は、聞かなくても伝わってくる事だった。
だから止めたのに…アルは、とってもとっても可愛らしい。
今、アルが感じている快楽は熱だけ、私の膣内がアルのおちんちんを包み、寒い外と温かい膣内の温度差が与える熱の快楽だけ。
萎える事は無いけれど、射精に至る事も無く。現状が維持し続けられるそんな快楽。
私って、こんなにエッチな女の子だったんだ。
こんなに、アルをいじめるのが大好きだったんだ。
他の男の子なんて知らない、アルだけで良い、アルがいればいい、だからアルも私の事だけを考えて欲しい、アルの世界の中心に添えて欲しい。
繋がったまま、アルに覆い被さる。
一気に近くなったアルの顔が、月明かりの中で桃色に染めた頬で私を誘っていた。
今ならカニバリズムだって肯定出来る。それ程の愛情をアルに向けている。
「アル、アル、私の事…好き?」
突然の問いに、アルは困惑していた。
気持ち良さの中で質問をされると、答えが分からなくなる。私も今、アルにいきなり質問されたらまともに答えられないかもしれない、アルだけじゃない、私も今、凄く気持ちが良いから。
おまんこの中にアルがいる。熱を感じる。今にも動き出したいと跳ねている。
自分の目の前にアルがいる。熱を感じる。今にも動き出したいと目が訴える。
「好き…だよ、くれあねえさんの事、だいすき」
なら、それを叶えてあげたいと思うのも、きっとこの恋心がそうさせるんだ。
唇を合わせて、アルの中に溜まった唾液を吸い出す。アルを全て自分の物にする為に、それと同時に腰も動かす。打ち付ける様に、アルのおちんちんに出来る限りの摩擦を与える形でただ上下にでは無くアルのおちんちんの形に合わせて斜めから入り下へと打ち付ける。
自分の膣壁が擦られて、アルのおちんちんが跳ねて、互いが気持ち良くなっている事が伝わってくる。
快楽とは別の、相手を満足させているんだという充実感。
これがセックスなんだ。こんなに気持ち良いんだ。
「んん―――んんっ―――!!」
――――ッ!!んっ…!
膣内でアルが射精したのが分かった。
私も確かに、今の一瞬に絶頂を感じたけれど―――腰が止まらない。
もっと、もっと、もっともっとアルを感じていた。アルを食べてしまいたい、アルの体内にある全ての物を渡しの膣内に出して欲しい!
だから止めない、止まらない、自分の意思なんてそこに無い。
ただ本能が腰を動かす。
ただ本能でアルを求める。
水音も気にせず、寒さすら気にせず。叫びを上げようと何度も唇を離すアルを追い駆けて、瞬きの時も与えずに再び唇を合わせて自分の好きを伝える。
アルのおちんちんが膣内で再び膨らみ始めているのを感じた。それは自分の愛が届いたと私に錯覚させ、嬉しさに脚が痙攣し、背も痙攣し、その事実だけで一度の絶頂を感じた。
遂には唇を合わせている事すら出来なくなり、私は腰だけを動かしながら、アルの背に自らの手を回して耳元に唇を持って行った。
アルの耳、形も良くて小ぶりで、軟骨が浮き出ている綺麗な耳。舌を這わせる事で形が実感できる最高の耳。
アルの顔も、身体も、全部が全部液体だらけ、汗も、涙も、唾液も、愛液も、全部アルにあげちゃった。
「ああぁ―――!あっ―――!ああぁ―――!!」
短い悲鳴の様なアルの快楽の雄叫び、高い声で、啼いてるみたいな声。それが私の鼓膜を犯す。誰とセックスをしているのか、顔を見なくとも伝えてくれる。
アルと今、シているんだという事実だけで胸の内に温かな気持ちが生まれる。それが全身を駆け廻って行動を促進させる。
全身に収まらなかった気持ちは言葉として口を突く。
「アル、すきっ――すきだよ―――ずっと、ずっと一緒にいて―――私と―――ずっと!」
突然、アルの手が私の背に回された。
それは紛れも無く。アルが堕ちた瞬間だった。
「ぼくも――ぼくもっ―――くれあ姉さん、すきっ―――だいすきっ―――すきなの―――!」
幼い口調、回らない舌、それでも伝える愛情。
なんて、なんて可愛いんだろうか。
その可愛さが、私の脳髄を、脊髄を、全身の神経に快楽を行き渡らせる。
同時、私の膣内のアルが一際大きく膨らみ、予感を感じさせた。
「だめっ―――アーーー私、私、私私私―――もうっ―――!」
「にゃ――っあ―――ぼくも、もう―――でちゃう―――!」
「「あぁぁあぁあぁぁあっ!!」」
―――――ッ!―――ッ!ッ!!
何度も、
―――ッ!!
痙攣を繰り返して、
――――ッ!!―――ッ!―――ッ!!
膣内にアルを感じて、ようやく痙攣が終わった頃には、私もアルも、気絶してしまった。
――――――――
あれから一カ月、私とアルはあの後、実は全てを聞いていたド変態に助けられて、宿で回復するまで看病してもらった。
アルは言葉にきちんと責任を持つと、何処ぞの変態と話をしてくれた。
そして今、私は幸せの中に居る。
あれ以来、アルは私を前にするだけでおちんちんを大きくしてしまう様になってしまった。
その時の恥じらいの様子が可愛くて、ついつい焦らしてしまう。
だから今日はご褒美、ずっとずっと我慢出来たご褒美。
アルはもう、私無しじゃ生きていけない、私も、アル無しじゃ生きていけない。
なんて素敵な共生の形、他の物が無くても大丈夫。アルがいれば大丈夫。
寝室に繋がる扉を開けると、今日の朝からずっとそのままにしてあるベッドに縛られたアルが苦しそうに私を見つめていた。
魔力で震動する玩具を胸とおちんちんの先端に付けられたアルは、何度も身体を跳ねさせながら、あと一歩の足りない快感を求めていた。
それを誰が与えてくれるか、アルは知っている。
これが私とアルの選んだ未来、世界なんて―――私は知らない。私の世界の中心はアルだから、アルがいれば、どうでもいいの。
それに、今の私はとても幸せだから―――これで、いいの。
IF END ④ 傍に居る
―――――――
「本当に付いてくるのか?」
「えぇ、ギルバートさんは強いんでしょ?」
あれから一カ月、私は…私は結局折れた。
毎晩の様にアルと睦合い、その中でアルは気持ち良く啼いてくれた。
けれど、アルはその後で泣くのだ。ごめんなさいお父さんと、ごめんなさいお母さんと…。
私はある日、ついに気が付いてしまった。私の願いがアルだけを縛り付ける物では無い事に…。
だから、私は選んだんだ。自分が負い目を感じずに、そして同時にアルと一緒に居る事が出来る方法を。
「無理だよギル兄、クレア姉さんは…こうなったら頑固なんだ」
「そうか?俺にはいつも頑固な様にみえるけどなぁ」
失礼な二人の男性がいるけれど、それでも私は選んだ。
二人に付いて行き、私もアルを支えるという道を。
「あぁもう!いいから行くわよ!船が出ちゃうでしょ!」
きっとこれから苦労する。
力量の違いに足手纏いである負い目を感じたり、傷を生み苦しむ事もあるだろう。
だけど、私はそれをアルと一緒に分かち合って歩んでいきたいから!
IF END ⑤ いずれ分かる後悔
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