魔性少女カスミちゃん~隣の刹那君は私に惚れない~

三一五六(サイコロ)

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二性 ピンク色の日常

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 みんなには今の状況を見ても分からないと思うけど、かなり最悪な状態。
 まぁ、じゃあここで問題。今、私にどんな最悪なことが起こっているでしょうか?
 答えは出たかな? そこまで難しくはないと私的には思うけど……。
 よし、正解を発表するよ。正解は……痴漢でした。正解した人おめでとう!
 って、私はどんなけ冷静なんだよ。自分でも正直引いたわ!
 まぁ、そういうことで後ろの男性かな? 顔とか年齢とかは全く分からない。
 けど、大きなゴツゴツした手が私のお尻を揉んでいる。しかも、かなりの手つきで指が何本もあるように感じる。
 それにしてもこの状況でお尻を触るなんてかなりの常習犯だと思われる。
 それとさっきも言ったようにこの男性の手はゴツゴツしていて大きい。つまり、かなり体は大きくて筋肉も鍛えられていると想像がつく。
 おそらくだが、周りの人達からは痴漢している光景が目に入っているはずだ。けど、怖そうだし、注意はできないという感じだろう。
 それにしても私が嫌がらないで痴漢されてるからって、こんなに色んなところ触りやがってクソ野郎が!
 私以外の被害者が可哀相すぎる! 許せない! いや、許さない!
 よし、いつも通り捕まえますか。
 痴漢を捕まえるにはまずは我慢が大切。驚いて後ろを向いたり、叫んだりしても捕まえるが大変になるだけ。
 それにもし痴漢している人が分からなくなり、適当に選んだ人が痴漢してなかったら可哀相だし、犯人の方は逃げてしまってまた犯行を行い、被害者が増える。
 だから、まずは触らせて油断させることが大切。本当に辛いけど、そこは我慢するしかない。
 そうすれば、痴漢している男性にも隙ができる。そしてその隙を絶対に逃すな。
 逃したらそれまでの段階がパーになる。だから……

「あ、あの! この人に痴漢されました!」

 揉んでいる手を掴み、掴んだ手を離さずに上に上げて、痴漢している男性の方を向いてこう叫ぶの!
 ほら、簡単でしょ?

「お、俺は何もしてない本当だ! 信じてくれ!」

 おいおい、動揺が凄いですよ? 汗も流れてきちゃって!
 お、丁度だ。駅についたら、もう相手は逃げられない。そして人生ゲームオーバー。
 だって、こんなに大きな人の痴漢が他の人の目に入らないわけないしね。
 それにさっき怖くて言えなかった人でも、魔性持ちの私を見捨てることなんかできるわけがない。
 つまり……

「わしは見たぞ。その者が女の子のお尻を触っているところを」
「そんな嘘つくな! このじじぃ! 目が悪くて見間違えでもしたんじゃね?」

 あー、この状況でもまだ否定するのね。正直、笑える。

「そのご老人は正しいです。僕も見ました」
「私も目に入ったわ」
「わたくしもこの目で確認しましたわ」

 ほら、こんなに見てるんだよ? もう逃げられないって分かったかな?

「おい、訳の分からないことをベラベラと言いやがって! 俺を誰だと思っているんだ?
あ? 調子乗るなよ? お前らなんか――」
「駅員さん、この人です。この人!」

 吠えるのもいいが、もう遅かったようだな。クソ野郎は一度ぐらい地獄を見た方がいい。

「やめろ! 触るな! 俺はなんもしてねぇ~」

 あら、見苦しい。アレだけの人達に見られてもまだあの態度とは……。
 もう少しいじめないといけないみたいだ。

「君かな? 痴漢された女の子って」
「は、はい。そうですけど……」

 これは学校遅刻決定のやつだな。仕方ない。

「あ、少しお話を聞かせてもらっていいかな?」

 ほらね。てか、これ少しじゃないよ。警察も呼んでかなりの時間かけてやるから。

「わ、分かりました」

 私は駅員に連れられて個室部屋に向かうことになった。
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