12 / 65
二性 ピンク色の日常
11
しおりを挟む
「あ、あの……遅刻してすみません」
「気にするな。話は聞いている。あそこの空いているところが君の席だからすぐに座って」
ふぅー、間に合った。遅刻のことも大丈夫そうだし、よかった。
けど、遅刻するとみんなの目線がこっちに来るからかなり恥ずかしいよね。
「そうだ、自己紹介が君だけできてないからしてくれる?」
「は、はい……分かりました」
みんなの自己紹介は終わったみたいだけど、自分のはできるみたいだし、セーフ!
「……わ、私は工口翔朱未《こうくちかすみ》って言います。皆さんは一年生から同じクラスだったと思いますが、私はランクアップ制度によりビギナーからスタンダードのクラスに入ることになりました。少しでも早く皆さんと仲良くなれたら嬉しいです! よろしくお願いします!」
んー、少し硬すぎたかな? けど、私のキャラってこんなんだよね?
うん、これが私だ。
てか、これが私のフルネームだったの。カスミって名前らしきものは出てきていたと思うけど、何のことって思っていた人も多かったんじゃないかな?
まぁ、改めて紹介しとくね。
私の名前は工口翔朱未。みんなからはカスミって呼ばれてるかな?
え? 違う呼び方で呼びたいって? 何て呼ぶつもり?
おいおい、それはひどいな~。けど、仕方ないよね。
この苗字を見たら、そう呼びたくなるよね。
工場の「工」に「口」で「工口」って一見、普通の苗字に見えるかもしれないが、これをカタカナ読みすると「エロ」になる。そう、あのエロに……。
そしてみんなよく間違える。本当に間違える。
私の名前を「エロ翔朱未」って言い間違えるのだ。エロ翔朱未だよ?
信じられる? 私がエロって? あ……信じられるか! 私の生活見てたら……。
でも、私は表では清楚なおっとり系の女子を演じて……じゃなくてそういう系の女子なの!
それなのに、それなのに、それなのに! 苗字がエロって何なんだよ!
病院で間違えられる時の気持ち分かる? 先生に間違えられる気持ち分かる?
ハァー、この話はやめよう。うん、やめよう……。
けどね、この苗字が私に当てはまっているか?
と言われると当てはまっている。そう、最初に言った通り私は魔性持ちの女の子。
昨日の夜から今までの出来事で、それはみんなも理解していると思う。
そしてその魔性の力も理解したはずだ。
私に好意を持たない男などいない。
どんなお年寄り、幼児でも心が動く。残念ながら、これは事実。
ん? 残念ではないか。嬉しいことだね。
けど、デメリットも多々ある。うん、多々あるの。
それはこれから分かるはず。
あ、そうだ。この学校のことは何も言ってなかったね。私の苗字のせいで……。
ここSM高等学校は学年の他にビギナー、スタンダード、トップと三つのクラスに別れている。トップにいくほど上のクラスになる。
これは受験の時に決められ、ほとんどの人が変わることなく、高校を卒業することになるが、各クラス一人だけ、進級する時にクラスを上がることができる。
これがさっき言っていたランクアップ制度ってやつだ。
まぁ、それに私が選ばれたってわけ。凄いでしょ!
ここかなりの進学校だからね。ここ重要、かなりの進学校!
成績優秀な人かお金持ちの子供しか来れないんだから!
「工口! メモしてたか?」
「え、あ、ごめんなさい……すぐにします」
ぼーっとしてたら怒られたよ。ハァー、気にしてないけど。
筆記用具、筆記用具っと! あれ? うわー忘れちゃったよ。
けど、これを機会に隣の人に話しかけよっと! お、男子じゃん!
って、カバン大きすぎじゃない? 何持ってきたらそうなるの?
それより筆記用具だ。早くメモしないと!
「あ、あの……」
「何ですか?」
さ、流石メガネ男子。冷静すぎる対応だ。こんな私を目の前にやるな。
絶対にガリ勉じゃん。けど、こんなガリ勉でもいつかは私に……フフ。
「筆箱を忘れて。それで貸してくれないかなって! ダメかな?」
この上目使いにはイチコロだよね。目がハートに……
「うん、分かりました。こ、こんなんでいいですか?」
ん? ならないだと……。メガネが私の魔性を邪魔したのかな?
まぁ、隣だからすぐにときめくだろうけど。問題なし! ノープロブレム!
「あ、ありがと!」
えっと、明日の予定っと! うわー、始業式だよ。最悪だ。
今日、入学式だったんだから同時にやっとけよ。本当に面倒くさい。
○○式っていう行事は本当に嫌い。ずっと話を聞くだけなのに体育館に全校生徒を集めて、体育座りさせるなんて……。誰がお前らの話を聞きたいんだよ。
みんなお尻が痛いんだぞ? 地面をクッション性にしろ!
それに私の美尻が痛んだら、どうしてくれるんだ。どれだけの童貞ちゃん、痴漢のおっさんが悲しむか分かっているのか?
少しは私の美尻を考えてほしいものだ。いや、考えていたら事件だな。
そういえば、○○式を行うと時々だけど、受賞式があるよね。
もしかしたら、明日、大志君の童貞卒業も……。
あ、言い忘れてたけど、大志君も同じ学校だよ。
「チャイムもなったし、メモしたやつから帰っていいぞ! 工口は放課後、職員室に!」
一日目から呼び出しか。さっきも言ったけど、ここは進学校だ。
遅刻した場合は一応、書類を書かなければならない。もちろん、それは理由があってもだ。
「気にするな。話は聞いている。あそこの空いているところが君の席だからすぐに座って」
ふぅー、間に合った。遅刻のことも大丈夫そうだし、よかった。
けど、遅刻するとみんなの目線がこっちに来るからかなり恥ずかしいよね。
「そうだ、自己紹介が君だけできてないからしてくれる?」
「は、はい……分かりました」
みんなの自己紹介は終わったみたいだけど、自分のはできるみたいだし、セーフ!
「……わ、私は工口翔朱未《こうくちかすみ》って言います。皆さんは一年生から同じクラスだったと思いますが、私はランクアップ制度によりビギナーからスタンダードのクラスに入ることになりました。少しでも早く皆さんと仲良くなれたら嬉しいです! よろしくお願いします!」
んー、少し硬すぎたかな? けど、私のキャラってこんなんだよね?
うん、これが私だ。
てか、これが私のフルネームだったの。カスミって名前らしきものは出てきていたと思うけど、何のことって思っていた人も多かったんじゃないかな?
まぁ、改めて紹介しとくね。
私の名前は工口翔朱未。みんなからはカスミって呼ばれてるかな?
え? 違う呼び方で呼びたいって? 何て呼ぶつもり?
おいおい、それはひどいな~。けど、仕方ないよね。
この苗字を見たら、そう呼びたくなるよね。
工場の「工」に「口」で「工口」って一見、普通の苗字に見えるかもしれないが、これをカタカナ読みすると「エロ」になる。そう、あのエロに……。
そしてみんなよく間違える。本当に間違える。
私の名前を「エロ翔朱未」って言い間違えるのだ。エロ翔朱未だよ?
信じられる? 私がエロって? あ……信じられるか! 私の生活見てたら……。
でも、私は表では清楚なおっとり系の女子を演じて……じゃなくてそういう系の女子なの!
それなのに、それなのに、それなのに! 苗字がエロって何なんだよ!
病院で間違えられる時の気持ち分かる? 先生に間違えられる気持ち分かる?
ハァー、この話はやめよう。うん、やめよう……。
けどね、この苗字が私に当てはまっているか?
と言われると当てはまっている。そう、最初に言った通り私は魔性持ちの女の子。
昨日の夜から今までの出来事で、それはみんなも理解していると思う。
そしてその魔性の力も理解したはずだ。
私に好意を持たない男などいない。
どんなお年寄り、幼児でも心が動く。残念ながら、これは事実。
ん? 残念ではないか。嬉しいことだね。
けど、デメリットも多々ある。うん、多々あるの。
それはこれから分かるはず。
あ、そうだ。この学校のことは何も言ってなかったね。私の苗字のせいで……。
ここSM高等学校は学年の他にビギナー、スタンダード、トップと三つのクラスに別れている。トップにいくほど上のクラスになる。
これは受験の時に決められ、ほとんどの人が変わることなく、高校を卒業することになるが、各クラス一人だけ、進級する時にクラスを上がることができる。
これがさっき言っていたランクアップ制度ってやつだ。
まぁ、それに私が選ばれたってわけ。凄いでしょ!
ここかなりの進学校だからね。ここ重要、かなりの進学校!
成績優秀な人かお金持ちの子供しか来れないんだから!
「工口! メモしてたか?」
「え、あ、ごめんなさい……すぐにします」
ぼーっとしてたら怒られたよ。ハァー、気にしてないけど。
筆記用具、筆記用具っと! あれ? うわー忘れちゃったよ。
けど、これを機会に隣の人に話しかけよっと! お、男子じゃん!
って、カバン大きすぎじゃない? 何持ってきたらそうなるの?
それより筆記用具だ。早くメモしないと!
「あ、あの……」
「何ですか?」
さ、流石メガネ男子。冷静すぎる対応だ。こんな私を目の前にやるな。
絶対にガリ勉じゃん。けど、こんなガリ勉でもいつかは私に……フフ。
「筆箱を忘れて。それで貸してくれないかなって! ダメかな?」
この上目使いにはイチコロだよね。目がハートに……
「うん、分かりました。こ、こんなんでいいですか?」
ん? ならないだと……。メガネが私の魔性を邪魔したのかな?
まぁ、隣だからすぐにときめくだろうけど。問題なし! ノープロブレム!
「あ、ありがと!」
えっと、明日の予定っと! うわー、始業式だよ。最悪だ。
今日、入学式だったんだから同時にやっとけよ。本当に面倒くさい。
○○式っていう行事は本当に嫌い。ずっと話を聞くだけなのに体育館に全校生徒を集めて、体育座りさせるなんて……。誰がお前らの話を聞きたいんだよ。
みんなお尻が痛いんだぞ? 地面をクッション性にしろ!
それに私の美尻が痛んだら、どうしてくれるんだ。どれだけの童貞ちゃん、痴漢のおっさんが悲しむか分かっているのか?
少しは私の美尻を考えてほしいものだ。いや、考えていたら事件だな。
そういえば、○○式を行うと時々だけど、受賞式があるよね。
もしかしたら、明日、大志君の童貞卒業も……。
あ、言い忘れてたけど、大志君も同じ学校だよ。
「チャイムもなったし、メモしたやつから帰っていいぞ! 工口は放課後、職員室に!」
一日目から呼び出しか。さっきも言ったけど、ここは進学校だ。
遅刻した場合は一応、書類を書かなければならない。もちろん、それは理由があってもだ。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる