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三性 新学期の恒例行事
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ふー、セーフ! 何とか間に合った。
今日は始業式だったから間に合ったけど、普通の授業ならギリギリだったな。
明日からは先に用意させてもらおっと!
始業式が始まり、いきなり恒例の校長先生のながーい話が始まった。
特に興味ないからスルーっと!
みんなも真剣に聞いたことないよね。こういう系の話って、大体の人が『長い』とか『面白くない』とか『お尻痛い』とかしか考えてないよね。
ということで、始業式はこれにて終了にしようと思ったけど、校長先生が最後に言ったこれだけは聞いてほしい。
それは学校目標。
それがこれ……『ヤれば! できる子!』だ!
確かに高校生ぐらい体が発達すると、ヤれば子供はできる。
おそらくだが、どんどんセックスして子供を作りましょーって意味を込めたのだろう。
この学校を卒業した人はほとんど独り身だからね。
まぁ、始業式はそれだけ。それ以外はお尻が痛いという記憶しかない。てへ!
あ、それと残念ながら大志君の童貞卒業を祝う授賞式はありませんでした。
みんなが一番気になってたと思うけど、彼女の前では無理みたい。
ってそういう問題じゃないか!
チャイムが鳴り、二時間目が始まった。
午前の国語って絶対に眠たくなるよね。文章を読んでいるのを聞くと子守歌に聞こえてウトウトしてくる。
本当に少しテンション高めに読めないかな?
ほら、もうあそこの男子達が睡眠体勢に入ってるよ。てか、最初からアレは寝る気だったな。
まぁ、国語なんか日本人だから適当にやればできるしね。
大体、日本人が国語を習うのがおかしいの。
例えば、古典って絶対に使わないよね。タイムスリップができるようになった時に備えて教えているのかな?
他にもなんか物語を読んで気持ちを読み取ったりとか、アレって三次元の人間が二次元のキャラクターの心を読み取って何がしたいのかな?
もしかして二次元と三次元が繋がる時に備えてってこと?
どんなけ国語は将来の技術を期待してるんだよ。バカなのか。
まぁ、本を楽しむのは趣味だけで十分。勉強する必要なんてない。
あ、そんなことはどうでも良くて、昨日の借り物を隣の人に返さないと!
「え、えっと、その昨日、借りていた筆記用具……」
「あ、忘れてました」
「私も昨日忘れていて。遅くなってゴメンね」
「気にしないでください。工口さん」
え、なぜ私の名前を? 教えたかな?
てか、この人の名前を知らないんだけど……。
「僕の名前なんか知りませんよね……」
あ、読まれた。完全に表情だけで心を読まれたよ。天才なのか。
「ごめん。自己紹介を聞けてなかったから」
「そうでしたね。僕は刹那輝琉《せつなきる》っていいます。あまり友達がいないから話しかけられた時はお、驚きました」
刹那輝琉ね。覚えた覚えた。私は男子の名前は絶対に忘れないから。
友達がいないとか言ってたけど、そらその性格では誰も寄って来ないだろうな。
一言で言うなら『陰キャ』だもん。陰キャのプロの方ですか?
「わ、私も友達が少ないから友達にならない? 刹那君?」
「え、いいんですか? こんな僕と。でも、みんなから変な目で……」
「私は気にしてないよ? だから、どうかな?」
いける。この上目使いなら必ず……
「え、こういう時はどうしたらいいのでしょうか?」
何で私にそれを聞くのかな? 聞かれた私がその言葉を返したいわ!
てか、陰キャはやっぱり凄いな。友達の作り方も知らないなんて。
「わ、私は友達になりたいかな?」
だって、刹那君の可愛い喘ぎ声を聞きたいもん。た、楽しみ~。
「けど、僕は――」
「大丈夫だよ! 君の初めての友達になりたい!」
もう逃げ道はあげない。絶対に!
「わ、分かりました。僕、友達はいないからその……接し方などは分かりませんが、よろしくお願いします」
礼儀正しいな。面目すぎて引くわ!
それにさっきは『あまり友達がいない』って言っていたのに、今の発言で一人も友達がいないこと認めちゃったよ、この男子!
それより私に惚れないって珍しい人だな?
普通なら男子から『友達になって』と言われるのに今日は私から頼んじゃったよ。
もしかして、人生初かもしれない。初めてがこんなところで……なんか悲しい。
「こちらこそよろしくね!」
「うん」
そう言った刹那君はすぐに顔を逸らしてノートにペンを走らせた。
なるほど。刹那君は私と話すのに緊張していたのね。
すぐに顔を逸らしちゃって可愛いんだから! やっぱりいいね、男子は!
「……じゃあ、工口さんはボインですね」
「え?」
この女性教師は何を言っているのだろうか?
女性教師は貧乳で工口はボインってこと? 正解だが、なぜこのタイミング?
てか、私は普段は胸が大きく見えないようにしてるんだけど、何でこの女性教師はそれが分かったの?
怖いな~、長年生きていたら分かるものなの?
「だから、工口さんボインです!」
断言されちゃった。完全にボイン認定をされちゃったよ!
嬉しいような嬉しくないようなって嬉しくないし、そもそも授業中に何の話をしてるんだよ。
「なぜ下を向くんですか?」
私の胸はボインなのか、もう一度確認しようと思いまして、下を見ました。
ってそんなこと言えないわ!
「ボ、ボインがどうしたんですか?」
「教科書を見てないんですか?」
いや、そうだけど、そもそも問題がおかしいのよ。
「ゴ、ゴメンなさい……」
「えっと、十九ページのボインの問題のところ」
あ、やっぱりボインの問題なのね。
答えは多分、『ボインになると肩がこります』かな? 一応、問題を読むけどね。
えーっと、イクページのボイン、ボイン。イクページは十九ページを省略した言い方ね。
あ、あった! え、母音の数を答えろっていう問題か!
ボインってこっちの母音ね。そもそも女性教師の言い方がややこしいんだよ。
いや、おそらく私の脳がおかしいだけか。
「母音は五個です」
「はい、正解です。ちゃんと教科書を見てくださいよ」
「は、はい……」
国語の問題に引っ掛け問題があるなんて……。
今日は始業式だったから間に合ったけど、普通の授業ならギリギリだったな。
明日からは先に用意させてもらおっと!
始業式が始まり、いきなり恒例の校長先生のながーい話が始まった。
特に興味ないからスルーっと!
みんなも真剣に聞いたことないよね。こういう系の話って、大体の人が『長い』とか『面白くない』とか『お尻痛い』とかしか考えてないよね。
ということで、始業式はこれにて終了にしようと思ったけど、校長先生が最後に言ったこれだけは聞いてほしい。
それは学校目標。
それがこれ……『ヤれば! できる子!』だ!
確かに高校生ぐらい体が発達すると、ヤれば子供はできる。
おそらくだが、どんどんセックスして子供を作りましょーって意味を込めたのだろう。
この学校を卒業した人はほとんど独り身だからね。
まぁ、始業式はそれだけ。それ以外はお尻が痛いという記憶しかない。てへ!
あ、それと残念ながら大志君の童貞卒業を祝う授賞式はありませんでした。
みんなが一番気になってたと思うけど、彼女の前では無理みたい。
ってそういう問題じゃないか!
チャイムが鳴り、二時間目が始まった。
午前の国語って絶対に眠たくなるよね。文章を読んでいるのを聞くと子守歌に聞こえてウトウトしてくる。
本当に少しテンション高めに読めないかな?
ほら、もうあそこの男子達が睡眠体勢に入ってるよ。てか、最初からアレは寝る気だったな。
まぁ、国語なんか日本人だから適当にやればできるしね。
大体、日本人が国語を習うのがおかしいの。
例えば、古典って絶対に使わないよね。タイムスリップができるようになった時に備えて教えているのかな?
他にもなんか物語を読んで気持ちを読み取ったりとか、アレって三次元の人間が二次元のキャラクターの心を読み取って何がしたいのかな?
もしかして二次元と三次元が繋がる時に備えてってこと?
どんなけ国語は将来の技術を期待してるんだよ。バカなのか。
まぁ、本を楽しむのは趣味だけで十分。勉強する必要なんてない。
あ、そんなことはどうでも良くて、昨日の借り物を隣の人に返さないと!
「え、えっと、その昨日、借りていた筆記用具……」
「あ、忘れてました」
「私も昨日忘れていて。遅くなってゴメンね」
「気にしないでください。工口さん」
え、なぜ私の名前を? 教えたかな?
てか、この人の名前を知らないんだけど……。
「僕の名前なんか知りませんよね……」
あ、読まれた。完全に表情だけで心を読まれたよ。天才なのか。
「ごめん。自己紹介を聞けてなかったから」
「そうでしたね。僕は刹那輝琉《せつなきる》っていいます。あまり友達がいないから話しかけられた時はお、驚きました」
刹那輝琉ね。覚えた覚えた。私は男子の名前は絶対に忘れないから。
友達がいないとか言ってたけど、そらその性格では誰も寄って来ないだろうな。
一言で言うなら『陰キャ』だもん。陰キャのプロの方ですか?
「わ、私も友達が少ないから友達にならない? 刹那君?」
「え、いいんですか? こんな僕と。でも、みんなから変な目で……」
「私は気にしてないよ? だから、どうかな?」
いける。この上目使いなら必ず……
「え、こういう時はどうしたらいいのでしょうか?」
何で私にそれを聞くのかな? 聞かれた私がその言葉を返したいわ!
てか、陰キャはやっぱり凄いな。友達の作り方も知らないなんて。
「わ、私は友達になりたいかな?」
だって、刹那君の可愛い喘ぎ声を聞きたいもん。た、楽しみ~。
「けど、僕は――」
「大丈夫だよ! 君の初めての友達になりたい!」
もう逃げ道はあげない。絶対に!
「わ、分かりました。僕、友達はいないからその……接し方などは分かりませんが、よろしくお願いします」
礼儀正しいな。面目すぎて引くわ!
それにさっきは『あまり友達がいない』って言っていたのに、今の発言で一人も友達がいないこと認めちゃったよ、この男子!
それより私に惚れないって珍しい人だな?
普通なら男子から『友達になって』と言われるのに今日は私から頼んじゃったよ。
もしかして、人生初かもしれない。初めてがこんなところで……なんか悲しい。
「こちらこそよろしくね!」
「うん」
そう言った刹那君はすぐに顔を逸らしてノートにペンを走らせた。
なるほど。刹那君は私と話すのに緊張していたのね。
すぐに顔を逸らしちゃって可愛いんだから! やっぱりいいね、男子は!
「……じゃあ、工口さんはボインですね」
「え?」
この女性教師は何を言っているのだろうか?
女性教師は貧乳で工口はボインってこと? 正解だが、なぜこのタイミング?
てか、私は普段は胸が大きく見えないようにしてるんだけど、何でこの女性教師はそれが分かったの?
怖いな~、長年生きていたら分かるものなの?
「だから、工口さんボインです!」
断言されちゃった。完全にボイン認定をされちゃったよ!
嬉しいような嬉しくないようなって嬉しくないし、そもそも授業中に何の話をしてるんだよ。
「なぜ下を向くんですか?」
私の胸はボインなのか、もう一度確認しようと思いまして、下を見ました。
ってそんなこと言えないわ!
「ボ、ボインがどうしたんですか?」
「教科書を見てないんですか?」
いや、そうだけど、そもそも問題がおかしいのよ。
「ゴ、ゴメンなさい……」
「えっと、十九ページのボインの問題のところ」
あ、やっぱりボインの問題なのね。
答えは多分、『ボインになると肩がこります』かな? 一応、問題を読むけどね。
えーっと、イクページのボイン、ボイン。イクページは十九ページを省略した言い方ね。
あ、あった! え、母音の数を答えろっていう問題か!
ボインってこっちの母音ね。そもそも女性教師の言い方がややこしいんだよ。
いや、おそらく私の脳がおかしいだけか。
「母音は五個です」
「はい、正解です。ちゃんと教科書を見てくださいよ」
「は、はい……」
国語の問題に引っ掛け問題があるなんて……。
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