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四性 刹那君の正体
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「まぁいい。お茶を飲んでゆっくり話そうか」
「う、うん」
私は動揺のあまりお茶を一気に飲みする。
「う、うまいか?」
何その変な笑顔。とても気持ち悪いですよ? ロリコンの性犯罪みたいです。
って、それより嫌な予感が……。
ま、まさか、睡眠薬を入れられたのか。
なんか急に眠気が……こない! 全くこない、一切こない!
普通のとっても美味しいお茶だ。しかも、温かいお茶って年寄り夫婦か。
「美味しいよ」
「そうか、良かった。人に飲ませたことなかったから」
そういうとね。シンプルに刹那君は褒められて嬉しいのか。
「それで話って?」
「さっき外でした話の続きだ」
「刹那君が殺し屋をしてるって話?」
「ああ、そうだ」
「何でそんなことを?」
「その為に日本に来たからな」
どういうこと? 日本に来た?
「困った顔をするのも仕方ない。俺は今年からあのクラスに来た留学生だ。つまりお前と一緒であのクラスのメンバーとの関わりは今年からってわけ」
「そ、それで? 刹那君は誰を殺しに……」
「四十八手族《しじゅうはってぞく》! 日本の超有名エリート集団だ」
四十八手族? 何それ? 下ネタの集団?
「それってセックスの四十八手?」
「ああ、正解だ。四十八手が生まれたのは江戸時代。性行為における体位の種類が書かれた本だ。それと同時にこいつらが誕生した」
本当にあの四十八手だったなんて……。けど、四十八手族って一体……。
「それで四十八手族っていうのは?」
「そのままだ。四十八手を考えた人達のことだ。四十八手は江戸時代に金を持っていた人達が、金で女を買って考えた体位。だから、一手から四十八手まで考えた人物が一人ずつ存在する。それにその祖先はその名で日本の超有名エリートとして活躍している」
「活躍しているならそれでいいんじゃないの?」
「それは表向き。裏はかなり酷いことをしている。それに日本の政治を裏で動かしているのはそいつらだ。政治家は四十八手族に雇われたからくり人形だからな」
思っていたより闇だな、その集団。そして日本の政府も。
「それでなぜ日本に来てまでその集団を?」
「あいつらは海外にも手を出し始めたんだ。だから、上の命令によって俺が殺しに来たってわけ」
一体、刹那君は何者なんだ? 殺し屋なのは分かるけど、この年でって……。
「なるほどね。それで四十八人を殺すってことね」
「いや、四十九人だ。四十八手本を出版したやつがいる。この四十八手本を売って同じようにエリートまで上り詰めたやり手だ。それに江戸時代の金持ち四十八人を一人で説得して本にしたやつだ。かなりの権力を持っていると考えられている」
「で、何人殺ったの?」
「現在は四人。四手深山《してみやま》、十七手《とななて》しがらみ、二十五手《ふとごて》こたつ、三十手《みとて》やぐら」
誰もが知っている超有名エリート達。
それに連続殺人事件で報道された人物だ。
そう。つまり刹那君は……
「今年に入ってからの連続殺人犯だったのね」
「ああ、そういうことになる」
そうちゃんが恐れていた事件の犯人が目の前にいる。そしてそれが同級生の同じクラスの隣の席の人。
犯人が分かった謎の安心感とその犯人が目の前にいるという恐怖が同時に私を襲う。
「そ、それでなぜそれを私に?」
「俺の顔を知られた以上は、それなりの対応をとらなければならなかったからな。警察なんかに言われれば、俺は即死刑。それに俺に命令した人物もかなりのやつらだ。お前にバレたと知られたら、俺とお前はすぐに殺られるだろうな」
「その為に私に全てを話したってわけね。でも、信用しすぎじゃない? まだ私が誰にも言わないっていう確証は――」
「ある。お前はそのことを絶対に言わない」
「なぜそこまで言い切れるの?」
分からない。そんな自信満々の表情なのはなぜ?
「だって、お前は童貞と金にしか興味のない変態だからな」
な、なぜそれを……。てか、変態ってなんだよ! 天使だっつーの!
それより何で知ってるの? 童貞達は口硬いよ?
「そ、それはどこ情報?」
「俺が調べて手に入れた。普通だろ? 色々知りたいと思った人を調べるのって」
満面の笑みで私が刹那君を尾行した理由に使った言葉を返された。
それにしても、情報収集能力といい、演技力、殺人能力、予測能力がかなり優れている。
「私もこれでは何も言えないね!」
「だろ?」
「うん」
私は最初からハメられていたってわけね。完敗ね。
魔性が通じない相手には私も及ばないってことか。本当に私は調子に乗り過ぎていたのかもしれない。
悔しいけど、そう思ってしまう。
「じゃあ交換するか」
「交換って?」
「連絡先に決まってるだろ」
うわー、スマホ持ってるじゃん! ひっど、あの時の初めてを返せ!
まぁ、調べるのとか上の人と連絡するのに必要不可欠だもんね。
「私からの頼みを断っておいて欲しがるなんて、贅沢な人ね」
「……贅沢なのはどっちだ……」
「何か言った?」
「別に何も」
何か言ったみたいだけど、声が小さくて聞こえなかった。男ならハキハキと喋れ。
まぁ、これでクラスの男子の連絡先は全て手に入れたっと!
「それで学校ではどうするの?」
「学校は前みたいでいい。それと、二人の時は刹那君ってやめろ。なんか気持ち悪い」
き、気持ち悪いって何? 私がせっかく呼んであげているのに。
「じゃあ、何が希望なの?」
「輝琉でいい」
「そう、じゃあ、私のことはカスミね。輝琉!」
「ああ、カスミ」
輝琉は私から目を逸らしてそう言った。
「じゃあ、帰るね」
「ああ、じゃあ」
「うん、また月曜日」
そう言って私は輝琉の家を後にした。
帰り道、男の家に行ってハメられたのに、マンコではなく、心が痛んでいた。
「くっそー。輝琉といると予定が狂うから最悪」
正直、私にとってさっきの話はどうでもいい。
輝琉が殺し屋だったのは驚いたけど、別にそこまで気にしていない。
それより私は……輝琉が全く惚れないことの方が気にしてるの!
何? 二人で四十八手の話をしてセックスの方向性に行かないってどういうこと?
しかも、照れた顔もしないで口調も普通だし、何で輝琉には魔性が効かないの?
私の情報を知ったから? それだけで? 絶対にない。
やはり言ってた通り殺しと金以外には興味がないのだろうか?
まぁ、私の胸を揉んで『脂肪』って言う時点でそうなのだろう。
だからといって、私は諦めない。それどころか燃える。
初めて私に惚れない男子が現れたんだから、そうなるに決まってるでしょ。
何としてでも惚れさせてやる。あの童貞は私が狩る。
「そうちゃん、ただいま!」
「おかえり!」
今日のことを考えているうちに家についた。
いつも通りそうちゃんは元気だ。今日も思う存分大好きな勉強ができたのだろう。
「かーか、なんか手紙が届いてたけど……」
「リビングのテーブルに置いておいて、疲れたから今日はもう寝ていい?」
「分かったよ! ご飯は適当に食べとくね!」
「うん、じゃあおやすみ」
「おやすみ、かーか!」
手紙は少し気になったが脳がそれどころじゃなかったから、そのまま自分の部屋のベッドに飛び込んだ。
そして一分もしないうちに目を閉じていた。
「う、うん」
私は動揺のあまりお茶を一気に飲みする。
「う、うまいか?」
何その変な笑顔。とても気持ち悪いですよ? ロリコンの性犯罪みたいです。
って、それより嫌な予感が……。
ま、まさか、睡眠薬を入れられたのか。
なんか急に眠気が……こない! 全くこない、一切こない!
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「美味しいよ」
「そうか、良かった。人に飲ませたことなかったから」
そういうとね。シンプルに刹那君は褒められて嬉しいのか。
「それで話って?」
「さっき外でした話の続きだ」
「刹那君が殺し屋をしてるって話?」
「ああ、そうだ」
「何でそんなことを?」
「その為に日本に来たからな」
どういうこと? 日本に来た?
「困った顔をするのも仕方ない。俺は今年からあのクラスに来た留学生だ。つまりお前と一緒であのクラスのメンバーとの関わりは今年からってわけ」
「そ、それで? 刹那君は誰を殺しに……」
「四十八手族《しじゅうはってぞく》! 日本の超有名エリート集団だ」
四十八手族? 何それ? 下ネタの集団?
「それってセックスの四十八手?」
「ああ、正解だ。四十八手が生まれたのは江戸時代。性行為における体位の種類が書かれた本だ。それと同時にこいつらが誕生した」
本当にあの四十八手だったなんて……。けど、四十八手族って一体……。
「それで四十八手族っていうのは?」
「そのままだ。四十八手を考えた人達のことだ。四十八手は江戸時代に金を持っていた人達が、金で女を買って考えた体位。だから、一手から四十八手まで考えた人物が一人ずつ存在する。それにその祖先はその名で日本の超有名エリートとして活躍している」
「活躍しているならそれでいいんじゃないの?」
「それは表向き。裏はかなり酷いことをしている。それに日本の政治を裏で動かしているのはそいつらだ。政治家は四十八手族に雇われたからくり人形だからな」
思っていたより闇だな、その集団。そして日本の政府も。
「それでなぜ日本に来てまでその集団を?」
「あいつらは海外にも手を出し始めたんだ。だから、上の命令によって俺が殺しに来たってわけ」
一体、刹那君は何者なんだ? 殺し屋なのは分かるけど、この年でって……。
「なるほどね。それで四十八人を殺すってことね」
「いや、四十九人だ。四十八手本を出版したやつがいる。この四十八手本を売って同じようにエリートまで上り詰めたやり手だ。それに江戸時代の金持ち四十八人を一人で説得して本にしたやつだ。かなりの権力を持っていると考えられている」
「で、何人殺ったの?」
「現在は四人。四手深山《してみやま》、十七手《とななて》しがらみ、二十五手《ふとごて》こたつ、三十手《みとて》やぐら」
誰もが知っている超有名エリート達。
それに連続殺人事件で報道された人物だ。
そう。つまり刹那君は……
「今年に入ってからの連続殺人犯だったのね」
「ああ、そういうことになる」
そうちゃんが恐れていた事件の犯人が目の前にいる。そしてそれが同級生の同じクラスの隣の席の人。
犯人が分かった謎の安心感とその犯人が目の前にいるという恐怖が同時に私を襲う。
「そ、それでなぜそれを私に?」
「俺の顔を知られた以上は、それなりの対応をとらなければならなかったからな。警察なんかに言われれば、俺は即死刑。それに俺に命令した人物もかなりのやつらだ。お前にバレたと知られたら、俺とお前はすぐに殺られるだろうな」
「その為に私に全てを話したってわけね。でも、信用しすぎじゃない? まだ私が誰にも言わないっていう確証は――」
「ある。お前はそのことを絶対に言わない」
「なぜそこまで言い切れるの?」
分からない。そんな自信満々の表情なのはなぜ?
「だって、お前は童貞と金にしか興味のない変態だからな」
な、なぜそれを……。てか、変態ってなんだよ! 天使だっつーの!
それより何で知ってるの? 童貞達は口硬いよ?
「そ、それはどこ情報?」
「俺が調べて手に入れた。普通だろ? 色々知りたいと思った人を調べるのって」
満面の笑みで私が刹那君を尾行した理由に使った言葉を返された。
それにしても、情報収集能力といい、演技力、殺人能力、予測能力がかなり優れている。
「私もこれでは何も言えないね!」
「だろ?」
「うん」
私は最初からハメられていたってわけね。完敗ね。
魔性が通じない相手には私も及ばないってことか。本当に私は調子に乗り過ぎていたのかもしれない。
悔しいけど、そう思ってしまう。
「じゃあ交換するか」
「交換って?」
「連絡先に決まってるだろ」
うわー、スマホ持ってるじゃん! ひっど、あの時の初めてを返せ!
まぁ、調べるのとか上の人と連絡するのに必要不可欠だもんね。
「私からの頼みを断っておいて欲しがるなんて、贅沢な人ね」
「……贅沢なのはどっちだ……」
「何か言った?」
「別に何も」
何か言ったみたいだけど、声が小さくて聞こえなかった。男ならハキハキと喋れ。
まぁ、これでクラスの男子の連絡先は全て手に入れたっと!
「それで学校ではどうするの?」
「学校は前みたいでいい。それと、二人の時は刹那君ってやめろ。なんか気持ち悪い」
き、気持ち悪いって何? 私がせっかく呼んであげているのに。
「じゃあ、何が希望なの?」
「輝琉でいい」
「そう、じゃあ、私のことはカスミね。輝琉!」
「ああ、カスミ」
輝琉は私から目を逸らしてそう言った。
「じゃあ、帰るね」
「ああ、じゃあ」
「うん、また月曜日」
そう言って私は輝琉の家を後にした。
帰り道、男の家に行ってハメられたのに、マンコではなく、心が痛んでいた。
「くっそー。輝琉といると予定が狂うから最悪」
正直、私にとってさっきの話はどうでもいい。
輝琉が殺し屋だったのは驚いたけど、別にそこまで気にしていない。
それより私は……輝琉が全く惚れないことの方が気にしてるの!
何? 二人で四十八手の話をしてセックスの方向性に行かないってどういうこと?
しかも、照れた顔もしないで口調も普通だし、何で輝琉には魔性が効かないの?
私の情報を知ったから? それだけで? 絶対にない。
やはり言ってた通り殺しと金以外には興味がないのだろうか?
まぁ、私の胸を揉んで『脂肪』って言う時点でそうなのだろう。
だからといって、私は諦めない。それどころか燃える。
初めて私に惚れない男子が現れたんだから、そうなるに決まってるでしょ。
何としてでも惚れさせてやる。あの童貞は私が狩る。
「そうちゃん、ただいま!」
「おかえり!」
今日のことを考えているうちに家についた。
いつも通りそうちゃんは元気だ。今日も思う存分大好きな勉強ができたのだろう。
「かーか、なんか手紙が届いてたけど……」
「リビングのテーブルに置いておいて、疲れたから今日はもう寝ていい?」
「分かったよ! ご飯は適当に食べとくね!」
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