魔性少女カスミちゃん~隣の刹那君は私に惚れない~

三一五六(サイコロ)

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五性 女子会

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「か、かすみ?」
「ん? 誰? この人はカスミンの友達?」
「か、かすみだよね! うわー、本当に会えるなんて嬉しいよ!」

 ――痛い、痛い、痛いよ! 

 体は震え、脳内にトラウマのような映像が映る。

「カスミさん? 大丈夫?」
「ダメ、ダメ、嫌なの」

 この人だけは……。

「久しぶりに会ったのにその反応はひどいよ?」
「カスミンが嫌がってるじゃん! 止めてよ!」
「そうだよ。あなたはカスミの何なんですか?」

 ダメ。その質問だけは……。

「僕はかすみの……元カレさ!」
「も、元カレ! カスミンどういうことなの?」
「そ、その人が言う通り元カレ。小学六年の時に付き合ってた……」
「そう! けど、少し色々あって僕はかすみから離れることになったのさ。だけど、僕はその間もずっと好きだった。夢に出てくるほどに!」
「うぇー、なんか嫌な感じ!」
「千心ってば、初対面の人に対してそんなこと言わない!」
「だって……」
「別に君達に何と思われてもいい! かすみが僕を愛してくれているのだから!」
「わ、私は君が好きじゃない。それより何でここにいるの?」
「ひどいな~。昨日、ここに来るって手紙を送ったじゃないか!」
「と、届いてない」

 手紙、手紙……手紙?

 ――かーか、なんか手紙が届いてたけど……。

 ふと、過る昨日のそうちゃんの声。
 そうだった、手紙が私の家に来ていた。完全に忘れていたけど……。
 てか、私の住所を何で知っているの? 教えたっけ私……いや、教えてない。
 ってことは……

「何言ってるの?」
「それに何で私の家を知っているの?」
「家を知ってる? 何のこと?」
「……今更、白を切っても無駄」

 完全にストーキングだ。

「何を言っているんだ! 僕は君が好きなだけ! 愛しているだけだ!」
「カスミさんの元カレがストーカーだったなんて……」
「僕はストーカーではな――」
「早く! みんな走って!」

 元カレの声を遮り、真心の声でみんなは一斉に走る。
 私も足を震わせながら、真心の手に任せて足を前に出す。
 そんな真心の手は太陽の日差しのように温かくて優しかった。

「は、早く! 車を出して!」
「わ、分かりましたお嬢様!」

 その声と同時に真心の黒いベンツが走り出す。
 車の中は、私達四人は沈黙。
 私の隣にいた千心とマナは私の手をギュッと握っていた。
 思わず私の目からは涙がポツポツと流れ出す。
 だけど、誰もそれには突っ込まず、二人の手を握る力だけが強くなる。
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