魔性少女カスミちゃん~隣の刹那君は私に惚れない~

三一五六(サイコロ)

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六性 笑顔がトレードマークの警察官

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「どうする? まだゆっくりしていく?」
「そうします」
「じゃあ、口に合うか分からないけど、お菓子あるから食べていいよ!」
「いただきます」

 お菓子まで用意していたとは神対応。神対応だよ、これ!
 それでお菓子は何かな?
 お、北海道の白い恋人。神奈川の鳩サブレ。山梨の信玄餅。京都の生八つ橋。
 他にも日本のご当地お菓子が沢山。ここにいるだけで、日本一周しているみたいだよ。
 お、沖縄まであるじゃん。
 これはあの有名なちん、ちん、ちん、ちん……こすこう?
 あれ? なんか違うような気がするけど……もう一回確認。
 ちん、ちん、ちん、ちんこすこう! やっぱりちんこすこう!
 沖縄だけ下ネタのお菓子?
 形もチンコだよ? しかも、チョコレートがかかっているから黒色のチンコだ。

「あ、工口さん! それ、ちんすこう間違えて頼んだやつだ! その意図的じゃないからね! 本当にごめん!」
「あ、そういうお菓子だと思ってました。気にしてませんよ」
「よ、よかった……ふぅ~」

 そういうことね。なんか違う気がしたのは、ちんすこうが正解だったからか。
 誰だよ、ちんすこうに『こ』を入れたやつ。天才だな!
 私が千心や真心の名前に『ん』を入れるようなものと同じだね。
 ちんこすこうを考えた人とは仲良くなれそうな気がするよ。

「あ、一つ伝え忘れていたことがあったよ」
「何ですか?」
「こないだ痴漢した井尻《いじり》さんが工口さんに謝りたいらしいんだ。直接会うか、会うのが無理なら電話でもいいから謝りたいと」

 新しいタイプの痴漢者だな。五度もされたが、謝りたいと言ってくる人は初めてだよ。
 そんなに反省しているのかな? あんなに抵抗していたのに?

「それは断ることは可能ですか?」
「もちろん、被害者の工口さんが嫌なら断れるよ」
「じゃあ、怖いので断るということでお願いします」
「分かったよ」

 かなりあの時は嘘をついたから、次会ったら何されるか分からないしね。
 絶対に恨まれていると思うし、私があっちの立場なら恨むだろうし。
 そう言えば、あの時の女性警察官は警察署にいなかったな。
 あの人には救われたから一言ぐらいお礼を言っとこうかな。

「あ、あの時の女性警察官はいられますか? 少しお礼がしたくて」
「えっと、二穴初心《ふたあなはつみ》だったかな? 二穴ならあの日に辞めたよ、いや、辞めさされたと言う方が正しいか」
「な、何でですか?」
「それは……」
「ん?」

 何かあったのかな? 辞めさされるぐらいだから、何かあるのか。

「……他の人には内緒だよ」
「はい」
「あの日の井尻さんの事情聴取の時の担当が二穴だったんだ。それで二穴はあの日の姿を見てくれたら分かるように怒ると人格が変わるんだ。それであの日は人格がずっと変わっていてね。つまり激怒だったんだけど。井尻さんがあまりにも痴漢の内容に否定するところがあったから、服を脱がして脅したんだよ」

 わ、私が嘘の証言をしたからだ……。

「それで『よくもさっきはブスって言ってくれたな。誰がこんな顔で体だからされたことねぇーだ。私だってやればできる女だ。今からお前とヤってやる!』って自分も服を脱いでそれで……」

 うん、そこまで言えば分かる。事情聴取でセックスって二穴さん半端ないって!

「大体分かりました」
「それでクビってわけだよ。だから、お礼はできそうにないよ、ごめんね」
「いえ、全然大丈夫です」

 そらクビになるわ。事情聴取のガラスはマジックミラーじゃねーぞ!
 今はそう伝えたい……。それと私の嘘で脅す羽目になってごめんなさい。

「あ、もう三時だけど帰る? それともまだいる?」

 帰ってほしいのかな?
 そうだとしてもまだ……

「実は今日は他にも話したいことがあって来ました」
「……ん?」
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