魔性少女カスミちゃん~隣の刹那君は私に惚れない~

三一五六(サイコロ)

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七性 みんな恋をしてる

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 翌日、今日も昨日の帰りと同じで足音はなかったが、相変わらずの早歩きで学校に着いた。

「カスミおっはよー」
「マナどうしたの? 大丈夫?」
「どっからどう見ても大丈夫だよ」

 確かにそうなんだけど、先週のマナを知っている私からしたら異常なんだけど……。

「カスミさん、おはよう」
「カスミンおはよ!」
「二人ともおはよう。それでこれはどういう……」
「見ての通りだよ!」

 やっぱり寂しさを通り越して、完全に潰れたということね。
 それしかあり得ないもんね。あんな顔のマナは今までに見たことないもん。
 マナがあんなにニコってできることに正直驚きだし。

「や、やっぱりそうなんだね」
「うん……メールが来たみたいよ」

 え? 待って! どういうこと?
 メールが来た? 誰から?

「カスミ! やっと大志からメールが来たんだよ!」
「うん、分かったから近いよ、マナ」

「あ、ごめん」

 そういうことね。メールが来たからテンションが戻ったのか。
 って、テンション戻ったっていうより上がったよね?
 しかも、距離感が近いというか……無意識だと思うけど。

「それでなんて来たの?」
「えっと、これ!」

 だから、顔近いし、テンション高いって!

『連絡取れなくてごめん。家庭の用事がやっと今日で終わるんだ。だから、明日どこかへ遊びに行かない? 場所は決めといてね! じゃあ、また明日』

 確かに大志君からのメールだ。しかも、通常通りのメール。
 一切、下心のない男子高校生が彼女に送る文章。
 愛情も性欲も爆発せずに保たれているよ。
 やっぱり大志君を怪しみすぎていたのかな?
 てか、私の予想が間違っていたから、思い出すのはなし。

「ねぇねぇ! しかも、明日遊ぶって!」
「分かったから落ち着こうね。けど、良かったね! 前の週はどうなるかと思ってたからみんな心配してたんだよ」
「そうですよ。私は土日に沢山の元気が出る映画を見て学んできたのですが、使わなくなって良かったです」

 おい、真心。また映画かい。どんなけ映画が好きなんだよ。
 それにその映画を見ても元気の出る方法は学べないでしょ?
 ただ、真心が元気が出るだけだと思うんだけど……。

「私はね! マナティの元気が戻るように先週はずっとパイ乙を揉んでたんだよ!」

 大声で何を言っているんだ、この子は。
 そんな満面の笑みでジェスチャーを付けて言うことじゃないよね?
 何でそんなに誇らしげなんだ。

「え! な、何してるの!」
「えへへ」
「もう千心のバカ! 私は先週の記憶がないのよ。けど……」
「けど?」
「メールが来て意識がしっかりしてからその……」

 マナは胸を手で隠し、頬を染めて恥ずかしそうにする。

「その?」
「ブ、ブ、ブラジャーのサイズが――」
「き、聞こえない!」
「だから、ブラジャーのサイズが小さくなったの! もう千心のバカ!」
「何だって……先週だけでどれだけ成長したというのだ! このバカパイ乙!」

 だから、教室で男子の前でブラジャーとかパイ乙とか叫ぶなよ。
 もう少し周りの目も気にした方がいい。だって、クラスの男子のほとんどが鼻の下を伸ばしているからね。

「二人ともそこらへんに。悪いのは千心なんだからマナさんに謝りなさい! ブラジャーのサイズが変わることはとても大変なことなのよ」
「でも、マナティのパイ乙が勝手に大きくなったの! 私は何も悪くない!」
「勝手に? 悪くない? 先週、月曜日から金曜日までずっとマナさんの胸を楽しそうに揉んでいたよね? ね?」

 真心がスマホの写真を千心に見せつける。

「い、いつの間に……じゃなくて、そんな一枚の写真じゃ証拠にならないもん!」
「ん? ほらほら! 月曜日から金曜日まで写真は百枚あるけど?」

 こっわ! こっわ! 真心さんこっわ!
 千心がマナのパイ乙を揉む写真を百枚も撮るなんて怖すぎでしょ!
 しかも、平均にすると一日二十枚って監視力が監視カメラレベルだよ。
 それにしても、千心は一日に何回マナのパイ乙を揉んでいたの。揉みすぎだよ。

「真心さん、あ、謝りますので、ここは許してくださいませんか?」
「じゃあ、早く謝りなさい!」
「マナティのパイ乙を揉んでごめんなさい」
「まぁ、私も気分がいいし、今日は許してあげる」

 パイ乙を揉んでパイ乙を大きくしたというのに、真剣に謝っている人は初めてだ。
 みんなも揉みすぎには注意だぞ! 特にそこのヤリチンと変態女子!

「マナさん、本当にごめんなさいね。また千心のお金で合うサイズのブラジャーを買いに行きましょ!」
「そうするよ。多分、ほとんどキツキツだから」
「じゃあ、私も可愛いブラジャー欲しいので一緒にいいかな?」

 最近、ブラジャーがよく汚れるし、ゴムも伸びるんだよね。
 童貞はブラジャーを外すのに慣れてないみたいだから、よく引っ張るんだよ。
 本当に童貞の皆さん、家にある親か姉か妹のブラジャーで外す練習をしてみたらどうですか?

「え? 待って! 私のお金でマナティのブラジャー買うの?」
「当たり前でしょ。千心がサイズを変えたんだから」
「確かにそうだけど……」
「文句あるの?」
「ある! 私はブラジャーが買えない」
「買えばいいでしょ」
「あ、そうだ! 私のを買ってくれる代わりに、千心のブラジャーを選んであげるよ」
「じゃあ、私もマナと一緒に選ぶね」

 千心のブラジャー選びか。あの可愛い顔にどんなブラジャーがいいかな?
 子供すぎるのもあんまり良くないし、大人っぽすぎるのも似合わないよね。
 今考えても思いつかないから店で決めよっと! あ~楽しみ!

「ちょっと待って!」
「千心どうしたの? まだ文句?」
「いや、その……みんなブラジャーで盛り上がっているけど……」
「けど? どうしたの?」

 そんなに悲しい顔してどうしたのかな? 千心があんな顔をする理由って?

「私……ブラジャーまだなんだ」
「「「あ!」」」

 その瞬間、その場は凍り付いた。

「ごめん。忘れていただけなのよ」
「真心の言う通りで悪気はないの」
「本当にごめんね、千心」

 三人は気を使いながら千心を励ました。
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