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八性 終わりの始まり
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「おい! 暴れるな!」
「お、お願い! お願いだから、輝琉……助けて!」
「叫んでも無駄無駄! ここはホテルの八階だよ! それに今日は僕の貸し切り状態」
薫は最初から全て計画通りだったのだろう。
完全に邪魔されない状態を作り、私が抵抗してもしなくても最終的にはこの状況に持っていく。
最初から最後まで私には何もさせず、自分の思うままに好き放題する。
おそらく、ヤってから警察に捕まっても、それは薫にとって満足する結果なのだろう。
「まぁ、そういうだから。今から僕と一つになろ――」
「やっと見つけたぞ!」
部屋の扉が『ガチャ』と開き、そこから声が聞える。
「今、取り込み中だから出て行ってくれ!」
「悪いがそれはできない。だって、僕は……警察官だからな!」
「……け、警察官?」
そこに立っていたのは、明るい笑顔がトレードマークの男性警察官――下毛空瑠だった。
そして相変わらずの場とかみ合わないテンションで入ってくる。
「ここは貸し切りのはずなんだけどな。何で邪魔者がいるのかな?」
「僕はそこにいる工口さんに君がストーキングしているという情報を聞いて、昨日からずっと君を調べ、探していたんだよ」
「チッ、警察署に向かっていたのはそのためか……」
「ごちゃごちゃ言ってないで、大人しく両手を頭に付けてこっちへ来い!」
「悪いがそれは無理だ。僕にも引けない時っていうのがあるんだよ! 意地でもあなたを排除する!」
机に置いてあった果物ナイフを手に持ち、下毛さんに向ける。
その目は本気で本当に私以外に何も見えていないのだろう。
だが、下毛さんはそれを見ても顔色一つ変えない。むしろ、笑顔がもっと明るくなった気がする。
しかし、手には何も持たず、足を前に出すだけ。
「下毛さん、止めてください。ここは一回逃げてください!」
「悪いが、僕は逃げない。若い女の子がそんな姿で、怯えた声をしているのだから、助けないわけにはいかないんだよ」
「けど、それじゃあ下毛さんが……」
「安心して、僕は警察官だ」
「おっさん、警察官だからってカッコつけすぎじゃないですか? 僕はあなたが素手でも容赦しませんよ」
「ああ、僕もだよ」
部屋は静まり返り、二人が睨み合う。
二人ともなぜか冷静で、まるでこのような状況に慣れているようにも見える。
そんな二人の姿に私は声すら出なかった。
だって、私と一つになるために果物ナイフを人に向けるバケモノを作ってしまったと思うと怖かったからだ。
「おっさん! しねぇぇぇぇ!」
いつもとは違う殺意の籠った声を上げながら、果物ナイフを下毛さんに向けて走る。
だが、相変わらず焦ることなく、下毛さんは動かない。
「悪いね、人を殺すにはレベルが低すぎる」
瞬きをした瞬間だったのだろうか?
いつの間にか薫は地面に叩きつけられていた。
果物ナイフは地面に転げ落ち、薫の方は両手両足に手錠をされている。
「大丈夫だったかい?」
「はい。あ、見ないでください」
「僕が男でごめんね。あっち向いておくから着替えて」
「ありがとうございます」
下毛さんはいつもの明るい笑顔ではなく、優しい笑顔を見せて後ろを向いた。
私も一応女性だ。
童貞を狩る時以外に体を見られるのは恥ずかしい。
「あの、助けてくださってありがとうございました」
「いや、感謝されるほどのことじゃないよ。むしろ、謝るぐらいだ」
背中越しの会話だが、下毛さんの笑顔が無くなったことは何となく分かった。
警察官として私をこんな状況まで助けられなかったことを悪く思っているのだろう。
私は真面目でハイスペックの下毛さんだから、そんな気がした。
「これを外せ! 外せよ!」
「静かにしろ! ガムテープとキスでもしてろ!」
叫ぶ薫に容赦ない下毛さん。
私はそんな声を聞きながら、安心して投げられたピンク色のブラジャーを拾う。
「最悪……」
ピンクのブラジャーを見て思わず言葉が漏れた。
その理由はって?
この光景を見れば分かる。ブラジャーの線が切れていたからだ。
今思えば、手をロープで縛られているのにブラジャーが投げられるってありえないもんね。
仕方ないからノーブラで帰るか……。
でも、現在の私の乳首はさっき弄られたせいで元気マックス。
ノーブラで帰るのはかなり厳しい状況。
「なんか言ったかい?」
どうしよ、これは言うべきかな? でも、恥ずかしいし……。
「そ、そのブラジャーが……」
「ブラジャーがどうかした?」
察しが悪いな。この状況でブラジャーに何か問題があるなら分かるでしょ!
下毛さんは真面目すぎるのかな?
まず男の人にブラジャーのことなんか分からないか。
「線が切れちゃって」
「あーそうなの。それって結べる?」
そ、その手があったか。
って、残念なことに切れている場所がカップ近くのホックなんだよな。
分からない男子に説明するとカップというのがおっぱいを包んでいる場所。
つまり男子がブラジャーを見る時に一番目がいく場所だね。
今回、切れたのはそれの上の辺り。肩から背中にかけての線を繋ぐ部分。
分からない人は調べて『ブラジャー構造』で!
「む、無理っぽいです」
「じゃあこのタオルをストラップレスブラみたいにする?」
ブラジャーに詳しすぎでしょ!
男の人でそれを知っている人は初めてだよ。何者?
じゃあ、ここで知らない人のために説明。
ストラップレスブラっていうのは簡単に言うと肩の線がないブラジャーのこと。
肩を出している女性とかいるでしょ?
そういう服装をする時に、このブラジャーを使うの。
「あ、そうします」
ふぅー、これで何とかなりそう。
一枚で乳首大丈夫かな? うわ、まだ結構ビンビンだし……。
「これでいいかな?」
「あ、ありがとうございます」
ってロープで縛られたままなんだよな。
「その状況じゃ大変そうだね! 巻いてあげるよ!」
「いや、でも……見られるはその……恥ずかしいというか……」
「大丈夫! 警察官だよ?」
「じゃあ、先にロープを外してくださ――」
「ねぇ、こんな状況でロープを外す男なんかいないよ」
タオルは胸に巻かれることなく、顔を覆うように巻かれる。
「ンッ! ンッ!」
「叫んでも無駄! ここのホテルはこのストーカー男が言った通り貸し切りで、他の部屋には誰もいない。だから、工口さんは僕のもの!」
「お、お願い! お願いだから、輝琉……助けて!」
「叫んでも無駄無駄! ここはホテルの八階だよ! それに今日は僕の貸し切り状態」
薫は最初から全て計画通りだったのだろう。
完全に邪魔されない状態を作り、私が抵抗してもしなくても最終的にはこの状況に持っていく。
最初から最後まで私には何もさせず、自分の思うままに好き放題する。
おそらく、ヤってから警察に捕まっても、それは薫にとって満足する結果なのだろう。
「まぁ、そういうだから。今から僕と一つになろ――」
「やっと見つけたぞ!」
部屋の扉が『ガチャ』と開き、そこから声が聞える。
「今、取り込み中だから出て行ってくれ!」
「悪いがそれはできない。だって、僕は……警察官だからな!」
「……け、警察官?」
そこに立っていたのは、明るい笑顔がトレードマークの男性警察官――下毛空瑠だった。
そして相変わらずの場とかみ合わないテンションで入ってくる。
「ここは貸し切りのはずなんだけどな。何で邪魔者がいるのかな?」
「僕はそこにいる工口さんに君がストーキングしているという情報を聞いて、昨日からずっと君を調べ、探していたんだよ」
「チッ、警察署に向かっていたのはそのためか……」
「ごちゃごちゃ言ってないで、大人しく両手を頭に付けてこっちへ来い!」
「悪いがそれは無理だ。僕にも引けない時っていうのがあるんだよ! 意地でもあなたを排除する!」
机に置いてあった果物ナイフを手に持ち、下毛さんに向ける。
その目は本気で本当に私以外に何も見えていないのだろう。
だが、下毛さんはそれを見ても顔色一つ変えない。むしろ、笑顔がもっと明るくなった気がする。
しかし、手には何も持たず、足を前に出すだけ。
「下毛さん、止めてください。ここは一回逃げてください!」
「悪いが、僕は逃げない。若い女の子がそんな姿で、怯えた声をしているのだから、助けないわけにはいかないんだよ」
「けど、それじゃあ下毛さんが……」
「安心して、僕は警察官だ」
「おっさん、警察官だからってカッコつけすぎじゃないですか? 僕はあなたが素手でも容赦しませんよ」
「ああ、僕もだよ」
部屋は静まり返り、二人が睨み合う。
二人ともなぜか冷静で、まるでこのような状況に慣れているようにも見える。
そんな二人の姿に私は声すら出なかった。
だって、私と一つになるために果物ナイフを人に向けるバケモノを作ってしまったと思うと怖かったからだ。
「おっさん! しねぇぇぇぇ!」
いつもとは違う殺意の籠った声を上げながら、果物ナイフを下毛さんに向けて走る。
だが、相変わらず焦ることなく、下毛さんは動かない。
「悪いね、人を殺すにはレベルが低すぎる」
瞬きをした瞬間だったのだろうか?
いつの間にか薫は地面に叩きつけられていた。
果物ナイフは地面に転げ落ち、薫の方は両手両足に手錠をされている。
「大丈夫だったかい?」
「はい。あ、見ないでください」
「僕が男でごめんね。あっち向いておくから着替えて」
「ありがとうございます」
下毛さんはいつもの明るい笑顔ではなく、優しい笑顔を見せて後ろを向いた。
私も一応女性だ。
童貞を狩る時以外に体を見られるのは恥ずかしい。
「あの、助けてくださってありがとうございました」
「いや、感謝されるほどのことじゃないよ。むしろ、謝るぐらいだ」
背中越しの会話だが、下毛さんの笑顔が無くなったことは何となく分かった。
警察官として私をこんな状況まで助けられなかったことを悪く思っているのだろう。
私は真面目でハイスペックの下毛さんだから、そんな気がした。
「これを外せ! 外せよ!」
「静かにしろ! ガムテープとキスでもしてろ!」
叫ぶ薫に容赦ない下毛さん。
私はそんな声を聞きながら、安心して投げられたピンク色のブラジャーを拾う。
「最悪……」
ピンクのブラジャーを見て思わず言葉が漏れた。
その理由はって?
この光景を見れば分かる。ブラジャーの線が切れていたからだ。
今思えば、手をロープで縛られているのにブラジャーが投げられるってありえないもんね。
仕方ないからノーブラで帰るか……。
でも、現在の私の乳首はさっき弄られたせいで元気マックス。
ノーブラで帰るのはかなり厳しい状況。
「なんか言ったかい?」
どうしよ、これは言うべきかな? でも、恥ずかしいし……。
「そ、そのブラジャーが……」
「ブラジャーがどうかした?」
察しが悪いな。この状況でブラジャーに何か問題があるなら分かるでしょ!
下毛さんは真面目すぎるのかな?
まず男の人にブラジャーのことなんか分からないか。
「線が切れちゃって」
「あーそうなの。それって結べる?」
そ、その手があったか。
って、残念なことに切れている場所がカップ近くのホックなんだよな。
分からない男子に説明するとカップというのがおっぱいを包んでいる場所。
つまり男子がブラジャーを見る時に一番目がいく場所だね。
今回、切れたのはそれの上の辺り。肩から背中にかけての線を繋ぐ部分。
分からない人は調べて『ブラジャー構造』で!
「む、無理っぽいです」
「じゃあこのタオルをストラップレスブラみたいにする?」
ブラジャーに詳しすぎでしょ!
男の人でそれを知っている人は初めてだよ。何者?
じゃあ、ここで知らない人のために説明。
ストラップレスブラっていうのは簡単に言うと肩の線がないブラジャーのこと。
肩を出している女性とかいるでしょ?
そういう服装をする時に、このブラジャーを使うの。
「あ、そうします」
ふぅー、これで何とかなりそう。
一枚で乳首大丈夫かな? うわ、まだ結構ビンビンだし……。
「これでいいかな?」
「あ、ありがとうございます」
ってロープで縛られたままなんだよな。
「その状況じゃ大変そうだね! 巻いてあげるよ!」
「いや、でも……見られるはその……恥ずかしいというか……」
「大丈夫! 警察官だよ?」
「じゃあ、先にロープを外してくださ――」
「ねぇ、こんな状況でロープを外す男なんかいないよ」
タオルは胸に巻かれることなく、顔を覆うように巻かれる。
「ンッ! ンッ!」
「叫んでも無駄! ここのホテルはこのストーカー男が言った通り貸し切りで、他の部屋には誰もいない。だから、工口さんは僕のもの!」
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