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8:ルイーズの決意
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「……それで?」
「だから、それで終わり。
いつまでもブツブツと、『これがダニエル様だったら……』とか言ってニヤニヤしてるもんだから、もう手を出す気も失せちゃって。
今日のところは、まあ……こんなもんで良いかなぁって引き下がって来た」
あっさりと言うケインに、ルイーズは金切り声を上げた。
「はあ!?
何を言われても、もっと大胆に攻めなさいよ!
いつもだったら頼まれなくたって、ぐいぐい女を口説くくせに」
「そう言うけどさ。
なんか、あの子と話してると、なんだか調子狂っちゃって」
「だから、そういうことを……!」
「まあまあ、ルイーズ。落ち着いて」
責め立てるルイーズを止めたのは、ダニエルだった。
「まだ初日だからさ、仕方ないよ。
まだまだこれから、気長にやっていけばいいさ」
「そんなこと言って。
全く呑気なんだから」
プイッとそっぽを向くルイーズに、ケインとダニエルは苦笑いしながら、顔を見合わせた。
3人が集まっているのはルイーズの家だった。
気持ちよく晴れた空の下で、穏やかにお茶会を楽しんでいる……ように、表向きは見えるのだが。
その話の内容は、その見かけに、そぐわないものだった。
なにしろ、時折怒鳴り声が飛び出しつつ、前夜の首尾について話し合っていたのだから。
「分かってるの、ダニエル?
ケインがジュリアを口説き落とさないと、本当にあなたは彼女と結婚することになるのよ!?
そうしたら私はどうなるの?
本当は、もう私のことなんて、どうでも良いと思ってるんでしょう!」
ルイーズが、わっと顔を手で覆うと、慌ててダニエルが彼女の肩を抱いた。
「そ、そんなわけないよ!
愛してるのは、きみだけさ。
だからこうして、なんとかきみと結婚できるように頑張ってるんじゃないか」
「だったらもっと真剣に考えてよ。
だいたい、あなたがジュリアに優しくしたのがいけないんだわ!
もっと冷たい態度をとれば良かったのよ」
ルイーズに睨まれて、ダニエルはすっかりたじろいだ。
「それは無理だよ……。
僕の両親も見ていたんだから」
「そうそう。さすがに親の前でそれやったら、マズイだろ。
やっぱり、ダニエルに落ち度はないのに、ジュリアの方から断ってきたっていう形に持っていかないと」
口添えしてくるケインに、嬉しそうに微笑むダニエル。
「まあ、大丈夫だよ。
ちょっと最初は驚いたけど、あの子、単純そうだし。
すぐに落とせるって」
そう言ってニヤニヤ笑うケインに、ルイーズはため息をついた。
彼らの話を聞いていても、安心するどころか不安の方が大きくなっていく。
しかしとりあえず、今は他に良い考えがないのだ。
しばらくはこのまま様子を見るしかない。
そしていつの日か、きっと、ジュリアを婚約者の座から追い落とし、自分こそがダニエルと結婚してみせる。
そう固く胸に誓うのだった。
「だから、それで終わり。
いつまでもブツブツと、『これがダニエル様だったら……』とか言ってニヤニヤしてるもんだから、もう手を出す気も失せちゃって。
今日のところは、まあ……こんなもんで良いかなぁって引き下がって来た」
あっさりと言うケインに、ルイーズは金切り声を上げた。
「はあ!?
何を言われても、もっと大胆に攻めなさいよ!
いつもだったら頼まれなくたって、ぐいぐい女を口説くくせに」
「そう言うけどさ。
なんか、あの子と話してると、なんだか調子狂っちゃって」
「だから、そういうことを……!」
「まあまあ、ルイーズ。落ち着いて」
責め立てるルイーズを止めたのは、ダニエルだった。
「まだ初日だからさ、仕方ないよ。
まだまだこれから、気長にやっていけばいいさ」
「そんなこと言って。
全く呑気なんだから」
プイッとそっぽを向くルイーズに、ケインとダニエルは苦笑いしながら、顔を見合わせた。
3人が集まっているのはルイーズの家だった。
気持ちよく晴れた空の下で、穏やかにお茶会を楽しんでいる……ように、表向きは見えるのだが。
その話の内容は、その見かけに、そぐわないものだった。
なにしろ、時折怒鳴り声が飛び出しつつ、前夜の首尾について話し合っていたのだから。
「分かってるの、ダニエル?
ケインがジュリアを口説き落とさないと、本当にあなたは彼女と結婚することになるのよ!?
そうしたら私はどうなるの?
本当は、もう私のことなんて、どうでも良いと思ってるんでしょう!」
ルイーズが、わっと顔を手で覆うと、慌ててダニエルが彼女の肩を抱いた。
「そ、そんなわけないよ!
愛してるのは、きみだけさ。
だからこうして、なんとかきみと結婚できるように頑張ってるんじゃないか」
「だったらもっと真剣に考えてよ。
だいたい、あなたがジュリアに優しくしたのがいけないんだわ!
もっと冷たい態度をとれば良かったのよ」
ルイーズに睨まれて、ダニエルはすっかりたじろいだ。
「それは無理だよ……。
僕の両親も見ていたんだから」
「そうそう。さすがに親の前でそれやったら、マズイだろ。
やっぱり、ダニエルに落ち度はないのに、ジュリアの方から断ってきたっていう形に持っていかないと」
口添えしてくるケインに、嬉しそうに微笑むダニエル。
「まあ、大丈夫だよ。
ちょっと最初は驚いたけど、あの子、単純そうだし。
すぐに落とせるって」
そう言ってニヤニヤ笑うケインに、ルイーズはため息をついた。
彼らの話を聞いていても、安心するどころか不安の方が大きくなっていく。
しかしとりあえず、今は他に良い考えがないのだ。
しばらくはこのまま様子を見るしかない。
そしていつの日か、きっと、ジュリアを婚約者の座から追い落とし、自分こそがダニエルと結婚してみせる。
そう固く胸に誓うのだった。
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