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「マーティ様だって、どうせならアリス様のような可愛らしく愛嬌のある方が良かったでしょうに。
ああ、顔合わせの食事会が憂鬱だわ」
ネリーが言うと、すかさずイーディスがたしなめた。
「なにを言ってるのよ!誰もがマーティ様に憧れているというのに、そんな贅沢なことを言って!
いいなー、出来ることなら代わって欲しいくらいだわ」
「私の方こそ、出来ることなら代わってあげたいくらいよ」
ネリーはそう言ったものの、呆れたようにすぐに続けた。
「そんなこと言ったって、あなたにはすでに婚約者がいるでしょうに」
するとイーディスは肩をすくめて
「まあね。でも少しぐらい、私がマーティ様と婚約して注目を浴びるところを想像してみたっていいでしょう?」
「それは、想像なら構わないでしょうけど。
でも私は、イーディスの方が羨ましいわ。
婚約者のジン様、とても真面目だし、誠実そうで。
それに悪目立ちしているわけでもないし」
と言いながら、ネリーは、何度か会ったことのあるジン・エクセリア公爵令息を思い出していた。
イーディスより10歳も歳上な彼は、よく言えば物静かだが、悪く言えば無口な男である。
人目を引く容貌ではないし、女性の喜ぶような、気の利いた贈り物をするわけでもない。
しかし、なんだかんだと文句を言いつつも、イーディスはジンと仲良くやっていることを、ネリーは知っていた。
何気ない会話の端々に、互いを思いやる気持ちが表れているのだ。
所詮政略結婚とは言え、仲が良いに越したことはない。
ネリーが、イーディスの方が羨ましいと言ったのは決してお世辞ばかりではなかったのである。
「まあ、私はジン様が婚約者で良かったと思っているわ。
もっと、誰もが振り返るようなイケメンが婚約者だったらもっと良かった、と思わなくもないけれどね」
「全くイーディスってば……」
ネリーはクッキーを1枚取ると、小さくかじった。
「私は誰もが振り返る婚約者なんかじゃない方が良いわ。
隣に立つのが気が引けるし、他の人に注目なんてされたくないもの」
「全くネリーってば!」
イーディスがネリーの口調を真似たのが、あまりにも似ていたものだから、2人は思わず顔を見合わせて、盛大に吹き出してしまった。
親友のイーディスだからこそ、こんなふうに堅苦しくない会話を楽しめるけれど、結婚してマーティと2人きりでは、同じようにはいかなくなるだろう。
しかし努力をすれば、多少はマーティとも心を通わせることが出来るかもしれない。
それこそイーディスとジンのように。
夫婦関係は少しでも良いに越したことはない。
そう考えてネリーは心を決めた。
意に沿わぬ相手ではあるが、だからといって父親に逆らおうと思っているわけではない。
だったら、少しでも良好な関係を築けるように努力すべきだ。
それが例え、苦手な相手だとしても。
ああ、顔合わせの食事会が憂鬱だわ」
ネリーが言うと、すかさずイーディスがたしなめた。
「なにを言ってるのよ!誰もがマーティ様に憧れているというのに、そんな贅沢なことを言って!
いいなー、出来ることなら代わって欲しいくらいだわ」
「私の方こそ、出来ることなら代わってあげたいくらいよ」
ネリーはそう言ったものの、呆れたようにすぐに続けた。
「そんなこと言ったって、あなたにはすでに婚約者がいるでしょうに」
するとイーディスは肩をすくめて
「まあね。でも少しぐらい、私がマーティ様と婚約して注目を浴びるところを想像してみたっていいでしょう?」
「それは、想像なら構わないでしょうけど。
でも私は、イーディスの方が羨ましいわ。
婚約者のジン様、とても真面目だし、誠実そうで。
それに悪目立ちしているわけでもないし」
と言いながら、ネリーは、何度か会ったことのあるジン・エクセリア公爵令息を思い出していた。
イーディスより10歳も歳上な彼は、よく言えば物静かだが、悪く言えば無口な男である。
人目を引く容貌ではないし、女性の喜ぶような、気の利いた贈り物をするわけでもない。
しかし、なんだかんだと文句を言いつつも、イーディスはジンと仲良くやっていることを、ネリーは知っていた。
何気ない会話の端々に、互いを思いやる気持ちが表れているのだ。
所詮政略結婚とは言え、仲が良いに越したことはない。
ネリーが、イーディスの方が羨ましいと言ったのは決してお世辞ばかりではなかったのである。
「まあ、私はジン様が婚約者で良かったと思っているわ。
もっと、誰もが振り返るようなイケメンが婚約者だったらもっと良かった、と思わなくもないけれどね」
「全くイーディスってば……」
ネリーはクッキーを1枚取ると、小さくかじった。
「私は誰もが振り返る婚約者なんかじゃない方が良いわ。
隣に立つのが気が引けるし、他の人に注目なんてされたくないもの」
「全くネリーってば!」
イーディスがネリーの口調を真似たのが、あまりにも似ていたものだから、2人は思わず顔を見合わせて、盛大に吹き出してしまった。
親友のイーディスだからこそ、こんなふうに堅苦しくない会話を楽しめるけれど、結婚してマーティと2人きりでは、同じようにはいかなくなるだろう。
しかし努力をすれば、多少はマーティとも心を通わせることが出来るかもしれない。
それこそイーディスとジンのように。
夫婦関係は少しでも良いに越したことはない。
そう考えてネリーは心を決めた。
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だったら、少しでも良好な関係を築けるように努力すべきだ。
それが例え、苦手な相手だとしても。
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