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大きな箱の話

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「ああ、やっと帰られましたか桂林様、ご母堂がお呼びですよ。本邸で、お待ちです」

「………母上が?」

久しぶりに家に帰ると、侍従に呼び止められた

珍しいな、母上が俺を呼ぶなんて

首を傾げながら本邸に行くと、開け放たれた庭園に案内された

最近、母上は庭園で茶器を愛でるのが趣味らしい

血がつながらない母は、燕核の実の母だ

折り合いが悪いわけではないし、仲も悪くはないのだが、跡取りは燕核にしたいというのがひしひしと伝わった

父もそのつもりのようだから、激しく燕核が反対したが、俺は別邸で寝起きしている。最近は友達の江見の所で世話になっていたけれど

俺は学習院を出たら士官して、跡取りではないので地方とか旅したり、ぶらぶらするつもりだ

なので滅多に呼ばれない本邸には、嫌々ながら母に呼ばれたならば行かなくてはならない

まだ養われてる身だしな

のこのこと出て行ったら、庭園にいたのは燕核だった

大きな体を縮こませ、眉根を下げて泣きそうな顔で俺を出迎える

垂れ目の美形が犬みたいに見えてきて、俺はくるりと踵を返した

「け、桂林!待ってください!!騙したのは謝ります!ここ数日、一体どこにいたのですか!?」

燕核が縋りついてきたが、数日前にされたあれこれを思い出して、むかむかしながら歩き出す

「てめえ、自分が何したのか忘れたのか!?」

燕核は体がでかいので、引きずろうにも重たくて体格差で動けない

泣きそうになりながら、腰にへばりつく燕核の指をはがそうと躍起になっていたら、腰を抱かれて、さらりと頬を撫でられる

「覚えてますけど。桂林が顔を真っ赤にしながら、いかせてと懇願し、桂林が僕の腰を脚で固定してきたせいで中出しばっかりしましたよね?その後、体は大丈夫でしたか?」

「ばっ!なっ!だ、誰かに聞かれたらどうすんだ!?燕核!」

押し除けようとした手を取り、唇を付け、舐めながら燕核は妖しい欲情して潤んだ瞳で俺を見つめる

「あの日から、桂林の肢体が頭から離れません。貪欲に僕を熱い中に導いて、淫らに笑って誘って…責任、取ってください…」

ぐいっと下半身を押し付けられ、困惑していると、ぎゅうと抱きしめられた

「こんなところ、使用人にでも見られたら…父上も母上もお許しにならない…」

愛されている燕核はともかく、俺は家から放逐されてしまうだろう

力なく顔を逸らすと、燕核が黙った

遠くから、侍従が走ってくるのが見える

ぱっと燕核から体を離すと、侍従は相当焦っているようだった

「御二方、旦那様が!旦那様がっ……」

泣きそうになりながら叫ぶ侍従に困惑しながら、落ち着くように言うと、ぼたぼたと涙を溢しながら、侍従は燕核の前に跪き叩頭した

「や、野盗に、お、襲われて、旦那様は、重症です!ど、どうしましょう?わ、若旦那!」

震え上がりながら、燕核の前で地面に頭を擦り付ける侍従に、内心おもしろくないものの、心配が込み上げてくる

「ち、父上は無事なのか?ああ、ど、どうしよう…燕核…………?」

叩頭している侍従は見ていなかったが、俺は心臓を掴まれたかのように、驚いた

燕核は、確かに笑っていた

「行こう。案内してくれ」

次の瞬間、泣きそうな、眉根を下げた弱々しい表情になっていたので見間違いか?とも思う

燕核に手を引かれて、本邸の最近は許されていなかった父上の部屋に案内された

父上は血が滲む包帯を巻かれ、寝かされていた

医師と母上が付きっきりになっているが、今夜が危ないらしい

失血し、意識が戻らないらしい

顔色も悪く、顔色も紫色に近いことに、痛ましくて目を逸らしてしまう

「ああ、なんてことだ…父上……」

震える声と、足で駆け寄り、皺が目立ってきた手を取る

「母上、父上がこのような状態なので、兄上には本邸に詰めてもらいます。僕の部屋で世話をみますので、宜しいですね?」

燕核がそう言うと、母上は憎々しげに俺を睨んだが、力なく息を吐いた

「そうね、あなたの部屋で面倒をみてあげて…母上は、父上に付いていますから、こんな状況ですが、勉学を疎かにしないように…」

「あ、いや、俺は帰るよ。燕核、ありがとう……母上、父上をよろしくお願いします」

「兄上、父上が危ないのに何を言ってるんですか?行きますよ」

帰ろうとしたが、燕核に大きな手で腕を掴まれて立ち上がらされ、無理矢理持ち運ぶように燕核の部屋に連れて行かれる

久しぶりの本邸は、別世界のようだった

東の離れの燕核の邸は掃除が行き届いており、静かだった

使用人は控えているのか、人の気配がしないことに焦りを感じる

すぐに着ていた着物を脱がされ、あっという間に布団の中に引き摺り込まれた

「あいつのところにいたんですよね?桂林、まさか触らせていないですよね?」

泣きながら俺の体を検分するように触るが、俺も俺で、使用人にバレたらと気が気ではない

「やめ、やめろよ、燕核、こんな時に…駄目だって……」

「駄目じゃないです、桂林が声を我慢できたら、周りにも知られません…」

焦ったように燕核も着ているものを脱ぎ散らかし、大男に覆い被さられ、熱い目で見つめられながら、唇を塞がれる

ちゅっ、ちゅく、と舌を吸い、丁寧に涎を舐めとられ、乳首を指の腹で潰されて体が跳ねた

反応に燕核が笑い、執拗に両乳首を弄ってくるので、太腿を擦り合わせる

「はっ、吸いますね……声、我慢できますか?」

燕核の大きな手が、俺の口を塞ぐ

ちゅうと乳首を吸われ、丁寧にちろちろ舐めながら、むしゃぶりつかれ涙が出た

「燕核、だめ、あ、兄、俺は兄なのにっ」

泣きながら小さな声で抵抗すると、上目遣いで乳首を舌を見せつけながら舐めると、燕核は幸せそうに笑いながら、枕元にあった瓶の中身を手に取り、指で尻を解す

「兄上、兄上…見てください…弟の、ほら、これ好きでしょう?」

指で中を掻き回しながら、熱いブツを尻の穴に擦り付けてくる

「だめ、今なら、やめて…ここでは、嫌……」

かつては自分の部屋だった場所で、弟と交合しようなんて悪夢だ

ぐっと燕核が腰に力を入れて、熱い巨大なブツが尻に侵入してくる

燕核は掛け布団を被り、ぎゅうと抱きしめて唇を塞ぎながら激しく腰を打ちつけてきた

「ん、んぅ!はぁ、まっ…待っ…ちゅ、んくっ、ひっ…ん!んぅ!」

「兄上、外出は、しばらく禁止です。大好きなこれを時間の限りしましょうね。ああ、夢みたいだ、桂林、桂林!」

何度も快楽に負け、外から見たら布団の中で激しく交尾をしているのが、わかってしまうだろうに、朝方まで激しく貪り合った

燕核が切なそうに額や、唇、肩に唇で触れる

「兄上、逃しませんから……」

耳元で囁かれて、ぞくりと体を震わせた









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