7 / 16
潰された箱の話2
しおりを挟むだから今日くらいはーーー
「燕核、俺も燕核のこと好きだよ。大好き…」
体を起こして、しがみついていた燕核を仰向けにし、自分から口を吸う
燕核の手首を押さえたまま、舌で燕核の唇を割り開き、歯列を舐める
広い部屋で衣擦れがする音と、驚いた燕核の瞳を見つめながら唇を舐める
はぁ、と熱い息を吐いて上半身を起こして燕核の腹に跨ったまま燕核の頬に手を伸ばすと、ぐいっと燕核が腕を引き上半身を起こしたので後ろに倒れ込み体勢が変わる
痛いくらいの力で今度は俺が手首を押さえられて、信じられないものを見るかのような燕核の表情に笑ってしまう
最近では狂気に満ちていた瞳が幸せそうに細められ、うっとりと恍惚した色を帯びる
「桂林、桂林……、僕は、桂林さえいてくれれば、気持ちを返してくれなくても…いいと思っていました。でも、でも、まさか…こんな日が来るなんて…嬉しいです…」
口元を押さえながら涙ぐむ燕核に、拒んでも好き勝手するくせにという言葉を飲み込む
「知ってただろ?俺が燕核を欲しがってるって」
ぐいっと腰を浮かすと、燕核の猛っている下半身を、ぐりっと擦りつけると燕核の喉元が動いた
「桂林、どうして泣いてるんですか?泣かないで…」
「幸せで……燕核、好きだよ、愛してる」
燕核の頬を撫でると、燕核が手を重ねて蕩けるような笑みを浮かべる
人を骨抜きにする笑顔に胸が痛かった
誰にも渡したくない、燕核を愛しているー
柔らかく触れてきた唇に、熱く熱を灯すように何度も啄む
「桂林、まだ信じられないです…大好き…」
何度もそう言いながら、着物を脱がせあい、唇を貪りあい、ぎゅうと抱きつく
これが最後かもしれない
これが最後になる
添えられる熱い手も、首筋に埋められた形良い唇も、全部俺のものだ
燕核がジェルを指先に取り、温めてから尻に恐々と触る
最初のときでも、こんなに丁寧ではなかった
「桂林が傷付いたら、困りますからね」
緩慢な動きが嫌で手を重ねて乱暴に力を入れると、燕核が苦笑いをしながら腹を舐めた
「桂林、覚えていてください。僕が本気で桂林を愛していることを、忘れないでください」
懇願するように縋るように見つめられて思わず頷くと、脚を割開かれ腰を進められる
熱い
ぐいぐいと自分の中に侵入してくる燕核のペニスは巨大で、いつまで経っても慣れない
痛みもあるが、でも幸せだ
ぴたりと隙間なく、くっつくと燕核が熱い息を吐いた
「動いても、いいですか…っ?」
その余裕のない紅潮した美貌に見惚れながら頷くと、ぐいっと腰を蠢かせ、バチンと腰を叩きつけられた
「はっ、あっ、うん、うっ、ああっ、燕核、燕核…」
汗で額に貼りついた髪を指で分けて、両頬を両手で挟んで、唇を塞ぐ
「桂林、桂林…夢みたいです、好き、大好きです、昔から、愛してます…!」
荒々しく打ちつけられる律動に、煩悶しながら燕核の背中に爪を立てる
最後だ、最後にしないと
「燕核、今日は、好きなだけ、していいよっんぅっ!」
そういうや否や、快楽と熱に巻き込まれた。
。
。
。
薄暗い部屋で、幸せそうに眠る燕核の頬を撫でる
叫びすぎて喉がカラカラだ
「桂林、桂林……愛してます…」
燕核はどんな夢を見ているのだろうか?額に唇を落として、手早く着物を身につける
もう迎えがきている手筈だ
大事なものなんて何もないけれど、なんとなく燕核が種明かしをした箱だけを持って屋敷を抜け出す
薄暗く少し寒い道すがら、遠くから牛車が歩いてくるのが見えた
。
。
。
121
あなたにおすすめの小説
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
使用人の俺を坊ちゃんが構う理由
真魚
BL
【貴族令息×力を失った魔術師】
かつて類い稀な魔術の才能を持っていたセシルは、魔物との戦いに負け、魔力と片足の自由を失ってしまった。伯爵家の下働きとして置いてもらいながら雑用すらまともにできず、日々飢え、昔の面影も無いほど惨めな姿となっていたセシルの唯一の癒しは、むかし弟のように可愛がっていた伯爵家次男のジェフリーの成長していく姿を時折目にすることだった。
こんなみすぼらしい自分のことなど、完全に忘れてしまっているだろうと思っていたのに、ある夜、ジェフリーからその世話係に仕事を変えさせられ……
※ムーンライトノベルズにも掲載しています
交際0日婚の溺愛事情
江多之折(エタノール)
BL
死にたくはない。でも、生きたくもない。ふらふらと彷徨う根無し草は、世界の怖さを知っている。救いの手は、選ばれた者にだけ差し伸べられることも知っている。
だから緩やかに終わりを探して生きていた。
──たった数回の鬼ごっこを経験するまでは。
誠実すぎて怖い人は、4回目の顔合わせで僕の夫となる。
そんな怖がりな男と誠実な男の、結婚生活の始まり。
■現実だけど現実じゃない、そんな気持ちで読んでください。
■家庭に関してトラウマを抱えている方は読まない方が良いと思います。
かわいい王子の残像
芽吹鹿
BL
王子の家庭教師を務めるアリア・マキュベリー男爵の思い出語り。天使のようにかわいい幼い王子が成長するにつれて立派な男になっていく。その育成に10年間を尽くして貢献した家庭教師が、最終的に主に押し倒されちゃう話。
孤独の王と後宮の青葉
秋月真鳥
BL
塔に閉じ込められた居場所のない妾腹の王子は、15歳になってもバース性が判明していなかった。美少女のような彼を、父親はオメガと決め付けて遠い異国の後宮に入れる。
異国の王は孤独だった。誰もが彼をアルファと信じているのに、本当はオメガでそのことを明かすことができない。
筋骨隆々としたアルファらしい孤独なオメガの王と、美少女のようなオメガらしいアルファの王子は、互いの孤独を埋め合い、愛し合う。
※ムーンライトノベルズ様にも投稿しています。
※完結まで予約投稿しています。
幸せな復讐
志生帆 海
BL
お前の結婚式前夜……僕たちは最後の儀式のように身体を重ねた。
明日から別々の人生を歩むことを受け入れたのは、僕の方だった。
だから最後に一生忘れない程、激しく深く抱き合ったことを後悔していない。
でも僕はこれからどうやって生きて行けばいい。
君に捨てられた僕の恋の行方は……
それぞれの新生活を意識して書きました。
よろしくお願いします。
fujossyさんの新生活コンテスト応募作品の転載です。
いい加減観念して結婚してください
彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話
元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。
2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。
作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる