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「私の服を脱がせなさい」

もう恐怖しかないが、身体はやはりミネルバの言う事に逆らわない

震える手で丁寧にミネルバの服を脱がしていく

目の前の美丈夫が恐ろしくてたまらなかった

泣きながら服を脱がせていくネロをミネルバはどこまでも冷たい目で見ている

目の前に屹立した赤黒いぐろいブツに泣きそうになる

「舐めなさい」

頭を誘導するように持っていかれて、ぺちゃぺちゃと子犬のように舐める

「上手いよ…咥えて…」

口の中に頬張るそれを吐き出したくなる

しかし身体は持ち主の意思に反して咥え込み舐めしゃぶる

「……可愛い顔……あれから身体が疼いたの?わざわざ抱かれに戻るなんて…もういいよ、寝転んで…」

擽るように頬を撫でられ、寝転ぶ

「脚を開いて……」

その言葉に戦慄する。脚を開いたら秘密がばれる。殺されてしまう

泣きながら首を振り、脚を開いていく下半身を隠そうと手のひらで隠す

「駄目だよ、邪魔しちゃ…手は万歳してて…」

言われた通り手が上にあがっていくのを、絶望感と共に眺める

「………へぇ、これはこれは…」

脚を閉めたくても閉めれずに、太腿にミネルバの熱い息がかかる

「…どうして濡れてるの?ここも自分でいじってごらん」

ミネルバの言葉にカッと顔に熱が集まる

しかし、指は言う事を聞かずに動き始める

「ひっ…、ぃあ…あ、ん、ん…」

ぐちゅぐちゅという音と共に動く指に、ミネルバが舌を伸ばして秘部を舐め始めた

ぴちゃぴちゃと音がして、そのまま陰茎を舐められ、しゃぶられる

指を何本か探るようにいれられ、ゆっくりとした動きで内部をかき混ぜられ煩悶する

「……気持ちいいか?でも、お尻の方がもっと気持ちいいだろう?」

そのまま、後ろにも指を入れて広げてくる

「……くぅ…、ん、んぁ!やだ、そこやだぁ……」

ぐりぐりと指を折り曲げて中を暴かれ、胸の滑った感触に恐る恐る目を開ければ、ミネルバの舌が乳首を舐め、口に含む

「ぁあ、あ!待っ、待って…、しないで、やだ、やだぁ、ぁあああ!」

尻に擦り付けられていたミネルバのでかいブツが身体を割開くように侵入してくる

脚を蹴り出し、抵抗しようとしても、腰が進められ、頭を腕で押さえられて身動きが取れない

「ひ、んぁ!ぁ、あ!ん!」

律動と、共に額に汗を浮かべセックスに夢中になっているミネルバの碧眼と目が合う

とろりと幸せそうな笑みを浮かべて、唇を塞がれる

「は、ネロ…、ネロ、気持ちいいか…?」

額を合わせて目を覗き込むミネルバの眼は狂気に満ちていた

「ぁ…気持ち、いい…ん!あ!」

ミネルバの問いに応えれば、深く内襞を抉られ、わけのわからない快楽に腰に脚を回す

もっとして欲しかった。酷くしてくれてもいい

「私、私の、クロ……」

名前を呼ばれて目を見開く

驚いた。ミネルバが、どっちも自分なのだが、クロの名前を呼んだ

ミネルバの髪を撫でると、より一層突き上げが激しくなる

逞しい腕に囲われて、何度も挑まれ、ネロは意識を飛ばしたーー

下半身を見られたので、起きたら殺されるかもしれないーー

そんな事を考えながら深く深く意識が沈み込んでいく







「クロ、クロ…起きなさい…」

目を覚ますと、いつもの宿屋で銀髪美人のパーチェスがいる

きょとんとするネロに、パーチェスはにこりと微笑む

呆然とするネロにパーチェスは困ったような顔で首を傾げる

「あ……良かった、夢、夢だったんだ…」

「変なクロ。顔を洗っておいでよ。グリフォンとクーは先にギルドに行ったよ」

長い銀髪を翻すパーチェスに泣きながら抱きつく

「え?本当にどうしたの?クロ?」

「嫌な夢を見たんだ…本当に夢で良かった…」

「もぅ、クロは甘えん坊だな」

頭を撫でるパーチェスになすがままになっていると、ふとパーチェスが手を止めた

「ねえ、クロ、クロは洞窟にいた子とどんな関係なの?双子か兄弟?」

「……どんな関係って、え?パーチェス?何言ってるんだ?」

そもそも洞窟で助けてくれたのは、パーチェス達だ。まさか忘れたのだろうか?

パーチェスの顔が怖い

「ぱ、パーチェス?忘れたのか?」

「質問に答えろ。早く」

パーチェスに首を振りながら後退る

「どうやって、あの子からブレスレットを奪った?」

ふらりと立ち上がるパーチェスが怖い

宿屋を飛び出してギルドに向かう。今日は街の人もみんな変だ

顔がないーー

ギルドに着くと、クーとグリフォンがいた

安心して顔を上げるとクーとグリフォンの顔が歪む

「どうやってあの子を殺した?どうしてあの子を殺した?」

2人の手が伸びてくる

恐い、嫌だ!

飛び起きると、ミネルバが恐ろしい顔でネロの額に手を置いていた

ふわりと光を弾く金髪に、何も映していない昏い碧眼ーー

光るその手に、何らかのスキルだったのかとぞわりとする

「ふふ、まあお前が何者でもいいか…」

ミネルバは立ち上がると、ネロの首に首輪をつける

リードまでついていて、引っ張られた

這いつくばりながら、首が絞まる感触が嫌で慌ててミネルバの後ろをついて来るネロに口端だけで笑った

「いい子だ。今から3ヶ月後に、私はこの国を攻め落としにくる。お前は3ヶ月、この山で生き抜いてみるといい。生きていたら迎えに来よう」

ミネルバは嘲笑うように見下してくる

「死んでても、いいからな?」

リードをかちりと外される。今のネロはミネルバの許可なしにしゃべる事も、食べる事もスキルを使うことも出来ない

ミネルバは本気で、死んで欲しいんだーー

ぽろりと右目から涙が溢れる

そんなネロの頭を撫でて、前髪を掴む

「いいか、苦しめ、楽に死ぬ事は許さない」

そのままミネルバはうっそりと右腕を上げて金色の花吹雪を撒き散らしながら消えていく

ネロはその場に蹲ったまま暫く動く事が出来なかった

ミネルバがネロに気付いてくれないことも、あんなに優しかったミネルバが恐ろしい事も信じられない

「ふぅ……う、うっ、ううう……」

ミネルバに捨てられた

喉が塞がれたように苦しく、胸が痛い

どうしたら、わかってくれるのか、ネロはずっと泣き続けた

何回か日が登って、何回か日が沈んだ頃、ネロは衰弱して横になっていた

あれから一歩も動けない。涙も枯れ果てた

唇がかさつき、このまま死ぬのかとじっと空を見ていた
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