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しおりを挟むギロリと舞歌達に睨まれて、小さくなりながらハイエースを降りると宵が犬みたいに飛びついてきた
泣きながらぎゅうぎゅう抱きしめられ、苦笑いをする
宵は、本当に心配してくれてたんだと、安堵すら浮かぶ
「心配した!すごく心配したんだよ!むーちゃん、どうして黙っていなくなって、黒井さんといたの?」
宵に低い声で問い詰められていると、宵の肩越しに舞歌や絢が物凄い形相で睨みつけてきていたので、これは本当に黒井さんにくっついておかないと殺されそうだと感じる
彼女達は手慣れていた。もう何人犠牲になったのか?お年寄りや子供がいないことが恐怖に拍車をかける
「むり君は、俺の所属になったから。偶然助けたから縁だし面倒みる。君たちの説明もしたし、食料も俺の手伝いしてもらうから心配ないから。舞歌、いいよな?」
黒井さんに言われた舞歌は、口ごもりながら何かいいたそうにしていたが、言葉が出てこないようだ
「助けたってなに?黒井さんの手伝い?なら、男手がいりますよね?僕もむーちゃんと一緒に黒井さんを手伝います」
ぐりぐりと抱きしめてきた宵を、黒井さんは肩をすくめて背中を向ける
「あ、黒井さん。待って!」
宵の腕を振り解いて、黒井さんについていく。何故なら黒井さんと離れるのは、舞歌達がまだ睨んでいるから、すごく怖い
しかし、ぐいっと後ろに腕を宵に引かれた
「な!?なにするんだよ!?」
怒鳴りそうになって見上げると、宵はなんともいえない不気味な無表情だった
「石鹸の匂いがする。シャンプーも…。ここのシャワー室じゃなさそうだよね?2人で何してたの?」
いつもの3オクターブ低い抑揚のない声で宵に聞かれて、答えあぐねる
どう答えたらいいものか、少なくとも舞歌達の前では絶対に言えない
「外で作業…黒井さんの手伝いをしたから汚れたんだよ。また説明するから!」
もう黒井さんの背中は小さくなってきている。疲れたと言っていたから足早だ。早く追いついて、同じテントで寝ないと、眠れない事になる
足早に黒井さんを追いかける後ろに、何故か足早に宵もついてくる
「むーちゃん、汚れたってなに?何で汚れるの?黒井さんと本当に何してたの?」
黒井さんはテントに入ると、すぐにイビキをかいて寝出した
ギリギリ黒井さんのテントに潜り込んだ俺は、何故か宵に後ろから抱き込まれ尋問を受けていた
体が悲鳴をあげそうなくらい疲れ切っていて、俺もすぐに寝たいのに、寝転がることすら許してもらえない
「明日、ついてきたらわかるだろ。寝るぞ、てか寝ようよ、宵…明日、明日説明するから!」
「むぅちゃん、すごく心配したんだよ?何で今、説明できないの?」
なんかしつこいし、目がなんかギラついてて今の宵は怖い
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