みんなゾンビ

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一睡もできなかった!!!なにあれ、なにあれ?!俺のこと好きじゃないなら、あんなこと言ったら駄目だろう!!?

あのあと、照れたように笑った宵の顔が尊く美しすぎて、心臓が飛び出すかと思った

沁みる朝日に目を瞬かせていると、黒井さんがホクホク顔で明け方テントに戻ってきた

宵は人の気も知らず、すやすやと心地良さそうに眠っている

「うわっ!?むり君、起きてたの?顔洗って昨日の続きいく?」

「あっ、はい。黒井さんはどこにいたんですか?」

「ん?そりゃあ、怜ちゃんのところだろ。今から行くなんて冗談だよ。子供が野暮なこと聞くな。だから、今日は昼まで寝てから行こう」

欠伸をしながら毛布を被る黒井さんに習って、俺も再び横になって目を瞑る

助かった。徹夜明けの作業にならずにすむ

そう思いながら次に目を開けたら、夕方になっていた

宵がにこにこしながら俺の顔を覗き込んでいる

「黒井さんは先に行ったよ。僕たちも後から行くことになってるんだけど。むーちゃんが疲れてるなら、一日ゆっくりしててもいいってさ」

「あ!う、ごめ!大丈夫!寝過ぎた…。黒井さん手伝いに行こう!」

身支度を済ませると、宵がマウスウォッシュをバイクに引っ掛けていた

「行こうか?むーちゃんお腹空いてるでしょ?パンを後部座席で食べて。本当にこれでゾンビ達を避けて行けるのかなあ?」

「本当に大丈夫だよ!行こう?黒井さん待ってるかも!」

パンを齧りながら宵のバイクに乗ると、宵も頷いてバイクのエンジンをかけると、入り口から叫び声が聞こえてくる

この声は舞歌?

宵と顔を見合わせると、宵が渡してきた鉄パイプを手に声がした方向に向かうと、シートや足場を崩しながら、ゾンビ達が雪崩れ込んできているところだった

「な!?なんで!?」

このホームセンターの守りは鉄壁のはず

舞歌や他の女の子達にゾンビが群がり、あちこち噛み付いているのか、断続的に悲鳴が聞こえてくる

「あ、ああ!ど、どうしよう!?宵、助けなきゃ…どうしよう!?」

「殺されかけたのに、むぅちゃんは優しいね。黒井さん手伝いに行かなきゃ?そうだよね?」

宵の言葉に心臓が止まりそうになった。し、知ってる?宵は俺が殺されかけたことを?

「よ、宵、何言ってんだよ、宵、宵…」

「行こう?他の人たちも逃げるでしょ。違う出口から飛ばすからつかまっててね?」

まるで知らない人かのような宵の言葉に泣きながら戸惑っていると、ゾンビの群れから遠ざかるようにバイクがスピードを上げていくので、しっかりと宵の腹に掴まる

何が起こったんだろう?ゾンビはホームセンターには入れないはずなのに

宵がすごく怒っているようで、声もかけにくい

憎々しげに舞歌達に怒っているようにみえた
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