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ヴァイスとの再会2
しおりを挟む「会いたかった…良かった…ずっと会いたかった…」
ぎゅうぎゅうとヴァイスに泣きながら抱きしめられて目を白黒する
正直なところ、そ、そんなに?という感想だ。そんなにぼくに興味があったのか…?まだ小さかったから、よく覚えていない
「可哀想に…ウール。辛かっただろう?どれだけ怖い目に…必ず、必ず治してあげるからね」
首元を撫でられながら、ぼくを抱き上げたままヴァイスはバルデモニウムから飛び降りたので口枷の中で悲鳴にならない声を上げる
「下等生物!動けるようになったら後で迎えに行くから、生きとけよ!」
バルデモニウムの叫びも遠い
ヴァイスが勇者の剣をずるずると引きずったままマダールーの街に戻ると、老けたパンパパやパン、クインとミルディコが集まってくる。そしてクルクルがミルディコに支えられながら虚な目で何かぶつぶつ唱えている
「ちょっと!ゴルディはあっさり殺そうとした癖に!何を大事そうに!そいつも魔人?罠なんじゃないか?」
クインがミルディコとヴァイスを交互に見ながら、腕を組んでいる
「罠でもいい、罠でもいいんだ…」
ヴァイスの言葉にミルディコも頷いている
うっとりとしながら頬擦りしてくるヴァイスに、ぐいっと手を突っ張る
「ああ、拘束具はまだ有効だから…誰にも触られてないね…着けといて本当に良かった」
そっと口枷から覗く拘束具を撫でられ、昏い目でつぶやくように言われゾクリとする
「ちょっと!ミルディコも陛下も…魔人を城内に入れるわけにはいかない。魔法無効化の地下牢に拘束します!それが最低条件ですからね」
遊び人風なのに真面目な意見をクインが出している
それよりも、今更だがクルクルはゴルディだったんだな
クルクルとの始まりは、世話人として、あの城に連れて行かれて数日経ってからアスモに紹介されたのだ
ゴルディが首を取られた事を、ぼくは目撃している。ならば、あの犬頭は一体ーーー
「ウール、一旦、地下牢の鎖に暫く繋ぐが、すぐに出してやるから、我慢するのだぞ?」
子供に言い聞かすようにヴァイスはそう言うと、お尻をずっと撫で撫でしてきていた
「今日は一日中一緒に過ごすのだ」
胸元にかかるヴァイスの熱い息に、なんだか嫌な予感が過ぎる
「い、嫌だ、クルクル!クルクル!助けて!クルクル!」
ヴァイスの腕の中で暴れるようにクルクルに手を伸ばすが、クルクルは空を眺めたまま反応もしなくなっている
「ウール、刺激をするな。さあ、早く行こう。今から抵抗したら、2人になった時に酷くなるぞ。大人しくしろ」
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