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分離と包囲網と
しおりを挟む「魔人化に失敗したから、脳味噌もバグってるから廃棄しかないよ?ただクルクルの肉体は捨て難いから、正常化して頭挿げ替えたいけど」
ニコニコしているアスモにクルクルは頭を擦り付けて、くぅんくぅん言ってる
クルクル、血も涙もない相手に…
目頭が熱くなりそうだが、早く、ぼくをクルクルから取り出してもらわないといけないし、クルクルはどうにかならないと、ぼくも助からない
「あ、アスモ!なんとか、ぼくを取り出してクルクルはクルクルのみ、ミルディコはミルディコのみにできない?」
見えないが、ぼくの言葉にアスモは思案したように沈黙している。なんか不安だな、これ。もう、もれそうだし
「ウール、これは取り引き?契約?それをしたらウールは何をしてくれるの?」
静かなアスモの声に息を飲む。アスモが魔王だってことを忘れてはいけない
「……駄目なら、いいや」
そして、足元を見られない事が大事である。クルクルの今後がかかっているけど
「駄目とは言ってない。例えば、そう。ウールが一緒に添い寝してくれるとか、少し体を触らせてくれるだけていい」
アスモの提案に悩む。正直、魔族にはアルファ性やオメガ性は存在しない
だからオメガ性であるぼくは、当然のようにヴァイスに一番惹かれるし、恐らくあの感じは他のアルファ性と違うから運命の番なのだろう
そうでなければ幼少期のヴァイスのあれこれが説明つかない。ヴァイスに稚児趣味があったなんて聞いたことないし
それに側室であるし、違う男性と同衾なんて、とんでもない
とんでもないんだけど膀胱が限界で添い寝くらい、いいんじゃないかとすら思えてくる
脂汗まで出てきた
「一日だけなら、添い寝するから早く出して!」
もうなりふり構ってられない
「だから!クルクルはクルクルのまま!ミルディコにも触らないで!」
叫ぶように言うと、アスモがグイッとクルクルを持ち上げたようだ
「約束だぞ。違えるなよ」
クルクルから覗くアスモの目にぞくりとする。バース性でのなんやかんやとは別に、アスモには親愛の情はあるんだけどな
それよりも、早まっただろうか?尿意に負けて約束をしてしまった
魔族の約束は人との約束とは質が違う。必ず守らなければならないし、違えると命のやり取りになる
アスモだからヴァイスと違って許可なく触ってきたりしないと踏んでるのもあるけど、不安だな
「ウール、添い寝なのだから、後ろから抱きしめるのは有りか?少し唇が肌に触れるくらいはいいだろうか?」
ぷぎゃー!ぷぎゃあああああ!!!!!
ぼくからは見えないけど、地下に連れてこられてカチャカチャ何か物音がする。クルクルがすごい雄叫びを上げている中でも、アスモは嬉しそうに聞いてくる
「あの…いくらなんでもクルクルが可哀想だから、麻酔とか…ないかな?あ、腕が動く…」
「すぐ終わるから。クルクル、お前はすぐ治るんだからいいだろう。じっとしてろ」
クルクルが可哀想に思わないでもないけど、暫くしてから、ずるりとクルクルから、ぼくは取り出された
真っ裸で
血塗れだから、あれだけど、不思議とヴァイスの拘束具や、アスモの腕輪もない
父親から貰った首輪以外消えていた
「色々とクルクルの消化器で消化されたみたいだね。良かったね?もう少しでウールも消化されるところだったよ。腕輪はあとで、あげようね。あれ?ウール?」
ずるりと体の力が抜けて動けない。痺れているようだ
目の前でクルクルが、ふんふん鼻息荒く怒りながら毛のない皮膚を毛繕いをしていた
ひょいとアスモが抱き上げて、お風呂に連れて行ってくれるようだ
アスモの赤い胸に頭を預けていると、アスモが嬉しそうに抱き寄せてきた
「最近は嫌がってたのに…昔、お風呂入れてあげてたの思い出すなあ。怖いから着いてきてって、ふふ…」
「早く洗って、おしっこしたい……」
ぐったりとしたまま、アスモが洗ってくれて、ようやくトイレに座らせてくれた時は、この世の天国かと思った
そして深夜、アスモに背中から抱きつかれながら眠りについた
「サティ、サティ……会いたい、サティ…」
ぼくの肩に唇を付けたまま、アスモが呟く
これは昔からで、最初は誰のことかわからなかったが、恐らくアスモの弟の名前なのだろう
アスモの頭を撫でていると、横で寝ていたクルクルが鼻を鳴らした。クルクルは、完璧に犬になったわけじゃないのかも。クルクルの頭も撫でたら、プイッとそっぽ向かれた
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