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何だか恐ろしい目に遭った気がする
しおりを挟む近づいて来たヴァイスに腕を取られ、起こされると、意を決してヴァイスの腕に縋り付く
このまま後宮に戻されてしまえば、恐らくもう何も出来ない。待っているのはジリ貧
持参金も、いつか消えてなくなる
「う…ウール!?ま、まだ、子供…子供であるのに!やめなさい」
上擦った声で顔を真っ赤にして慌てるヴァイスは先程までの恐ろしい空気はなりを潜めて、慌てて腕をはがそうとしてくる
なぜか嬉しそうに
「待ってください、陛下、ぼくはおかねがありません!実家もたよれず、はたらかないと、赤字なんです!!」
うるうるとした目で見上げると、ヴァイスが息をごきゅりと飲む
何故だろうか、ヴァイスは超絶美形なのに目が浮かれたように脚のあたりを舐めまわすように見つめているように思えるのは
ぞわりとしたがヴァイスの手を取ったまま見つめていると、ヴァイスの大きな手が肩に置かれ、うっとりと見つめられ変な空気になっていく
「あ、あの、陛下?その…出来れば、は、発情期が来るまでは、働かせてもらえないでしょうか?」
それは、発情期が来る頃には、この後宮から出ていけるという意味合いで言った
今までのオメガ男性はみんなそうだったから
「あ…ああ、そうだな、ウール…発情期、発情期までは、待たねばな?」
ふらふらと熱に浮かされたような甘い空気のまま肩に入る手の力が怖い
「し、しかし、今は使用人、使用人の格好をしている…使用人は好きにしてもいいんじゃないだろうか……?」
ヴァイスの大きな手が膝小僧を柔らかく撫でてきて、ぞくぞくと怖気が身体中にはしる
目もぎらぎらとしていて怖い
「あ、あ、陛下、陛下…その、やめ…」
怖くなって泣き出す寸前に、外からドアノブをガチャガチャと回す音がして、ヴァイスの動きが止まった
「ウール様?早く次の棟にいきますよー?」
不思議そうなカンナの声に、安心して体から力を抜くと、ヴァイスはドアとぼくを交互に見てから体を起こし、ドアを開ける
「ウール……陛下!?ご無礼をお許しください!!」
膝をつくカンナを、ヴァイスは底冷えするような目で見下ろしながら、ウールを振り返る
その目は、とても凶暴でアルファ性特有の圧迫する空気がある
「ウール、毎日、我と食事をするように。それに給金をつけよう……」
舐めまわすように再びウールを下から上まで眺めると、ヴァイスは跪いていたカンナの腕を取り、引きずりながら行ってしまう
「あ、ああ!陛下!お、お許しください!お許しください!!」
「外に出そうとする異分子は排除しないとな」
連れて行かれるカンナを前に、ぼくは何も出来なかった
シーツを握りながら部屋から西陽が入る頃まで呆然と佇んでいると、リンが迎えに来てくれて、一緒に後宮に住むことになったとだけ伝えられた
。
。
。
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