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さあ!魔王退治に行こう!
しおりを挟む「うう…一体何だったんだ…」
新しいパンツとズボンを履いて、王宮の庭園に向かうと、パンが両手を振って待っていた
「ウール!!良かった!防具とか色々買ってから行こうって話してたんだよ!あ!剣を返しとくね」
あの禍々しい封印をされた剣を渡されて、ふと見上げると、パンが来たせいか、あの感じの悪い3人が緊張しているように見える
パンパパですら舐めた態度だったのに
パンがA級の冒険者だからかな
「パパが、ウールとは適切な距離で接しなさいって煩いんだよ。でも、16になったら放逐されるんだよね?ね?」
パンの勢いにたじたじになりながら、曖昧に頷く
まあ、そうだろう。今まで男オメガの妃は16で放逐されている
だから、自分も16で自由の身だろう
ヴァイスはわけわからないけれど、女大好きだし
なんとなく胸がモヤついたが、頭をプルプルと振る
そのままパンと下町に防具や日持ちする食品、着替えなんかを買って、まずは次の街、海産物が名産で魔法都市クリアコートに向かうことになった
「ぼく、外に自由に行くなんて初めてだよ。パン、よろしくね」
手を繋ぎながらパンに言うと、パンもにこにこしながら頷く
後ろの3人は怖いから放置
お坊ちゃん育ちの自分にどこまで出来るのかわからないが、旅はわくわくした
ふらふらとしているカンナとも手を繋いで、進もうとしたら、両手首にパチンと痛みが走る
ビリビリとした痛みに、思わず2人と手を離して蹲る
手首を押さえていると、ヴァイスにつけられたネックレスが怪しい光を放っていた
「うわっ!ウール!これ拘束具だよ!うわぁ…初めて見たなあ。こんな高価なもの…他人との接触で電流流れるとかかな…大丈夫?」
パンが触らないように駆け寄る
首元を繁々と見ながら感心していた
ヴァイス!!!なんて物をつけてくれたんだ!!!!
痛みに呻きながら、大丈夫だとジェスチャーをとる
「……おもったより陛下はウールの事を気に入っているかもしれないね」
パンがポツリと言ったが、ヴァイスは、子供だから平気と言っていた経緯がある
育った男のぼくは用無しになる可能性が高い
ただまだ妃ではあるので、何かあると醜聞になるから、このような拘束をしたのだろう
「めっちゃ痛い……最悪…」
「ウール立てる?こりゃ寝室も分けないとうっかり触るとやばいね。解除出来るところがあるから、その街まで我慢しよ?」
パンの言葉に無言で頷く
犬の訓練でこんなのあるけど、こんな事するやつは外道である
「はああ、何でこんな事するんだか?全く……」
「まあまあ、心配だったんじゃない?妃に奔放にされたら王室の顔に泥を塗る事になるしさ。ね?機嫌直して?」
パンの言葉に手首をさすりながら、立ち上がり、とぼとぼと一行の後ろについて行ったのだった
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