【完結】大好きなラノベ作家の正体が初めてを捧げたワンナイトラブの相手だったので今すぐに爆発します。

コウヨリモカ@新作ヒーヒー執筆中✏️💦

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イチャイチャ番外編

恋人になって初めての……。

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 よっす、みんな! あけおめー! 元気してた?

 俺は、まぁ……ボチボチ元気にやってるかなぁ。

 なんだかんだ、銀田と同せ……一緒に暮らし始めて1年経つんだもんな。いや、まさか、銀田とこんな長く続くとは思ってもみなかったんだけどさぁー……ほんっと恋あ…………人間関係って、何がきっかけで始まるか分っかんないもんだよなぁー。

 まぁ、ぶっちゃけ、銀田の手料理にほだされた感はいなめないけども……。

 なぁーんかなぁー……あいつ、やったらと俺の好物ばっかし作るんだよなぁー。何食べたいか聞かれるたび、テキトーに答えてんのに、その日の夜に必ず手作りしてんだわ……。あんまり何でも作ってくれっから、試しに、

「正月はやっぱおせち料理食べたいよなぁー」

 って超無理難題ぶっ込んでみたんだけども……。

「……みゃーちゃん、ごめん」

「……え……あ……いや……え?」

「イクラは、アニサキスの危険性があるでしょ? イクラをいくら冷凍したとしても、みゃーちゃんに万が一のことがあると心配だから、筋子すじこでいくら漬け作るのだけは断念しちゃった……みゃーちゃんの大好物なのに……」

「……今、冷凍って言ったか、お前……もー、いくらなんでも泣くなよ……わ、なんか俺まで、上手いこと言っちゃったじゃん……」

「……だっで……う゛ぅ゛……こんな、どこの馬の骨が作ったか分からないイクラなんて……みゃーちゃんに食べてほじぐなかっだのにぃい……ううっ……」

「いやお前……これ馬の骨なんかじゃねーから、北海道の良いとこの鮭の卵だから」

「うううッ……もっともっと高級な鮭でぼぉーくぅーが世界一美味しいイクラ漬け作っであげだかっだのに……」

「いやお前……ほら、よく見てみろよ……この目の前の十段重じゅうだんがさねのおせち料理をさ。なぁ、確かおせちって普通、三段重とかじゃなかった? 何これ、十段て。お前、おせちまでタワマンって、どういうこと!?」

「でもっ……でぼっ……いぐらがづぐれながっだがらぁあああ……」

「いやだから十分スゲーよお前、俺こんな美味うまいおせち食ったことねーもん……ほは、ほんなにふめぇー」

「…………ぼんど?」

「……ん? ふぁんだっふぇ?」

「それ、ぼんど?」

「……ん? ホントかって!? ほんとほんと! ほら、マジうめぇーんぐあぐ」

 いや参った参った……。まさか、こんな、あらぬ方向に意地っ張りなヤツだったとは……。それにしても、うめーな。マジで何者なんだよコイツ……。

「……なぁ、俺もよくは知らないんだけど、おせちってさぁー、確か作るのスゲー大変なんじゃなかったっけ? なんかスゲー時間掛かるとか聞いたことあんだけど……。お前さぁー、朝方までぶっ通しでヤリ続けてたのに、よくこんなん作る体力残ってたよな………………って、ハッ!?」

 しまった! と思ったけど、もう遅かった。

「…………うん……がわいがった……」

 銀田は、涙で泣き濡れた顔を急にほころばせながら、噛みしめるように、そう呟いた。

「……お……オイ……」

「昨夜のみゃーちゃんも、とってもがわいかっだよ……」

「……あー、ハイハイ」

「……正確に言うと、昨日の夜7時から翌朝の早朝4時にかけての……僕に抱かれてあられもない姿になってる……みゃーちゃんが、死ぬほど可愛かった……かわいかった……かわいかった……」

「……んなっ、エコーすんなって、お前。だーかぁらぁ、俺のこと変に言うのは禁止なって前から言ってんだろぉ~?」

 俺は、銀田が俺のことを、ことあるごとに「可愛い」呼ばわりするのに耐えかねて、ついに先日のクリスマスの日に、「可愛い言うの禁止令」を出したばかりなのだった。

 銀田は、それはそれは不服そうにしていたけど、大の男が大の男から、毎日まいにち朝も昼も夜も問わずに「かわいいかわいい」言われ続けられてる、こっちの身にもなって欲しい……。

 そもそも可愛くもないのに、そんな水圧強めのシャワーみたいに、一方的に浴びせられたって、どんな顔して受け流せばいいのかも、未だに分かんないってのに。

「違うよ、みゃーちゃん。みゃーちゃんに必要なのは、可愛いを禁止することなんかじゃなくって、可愛いって言われ慣れることなんだってば」

「……アホかっ」

 俺もついに25歳の大台に乗り、四捨五入すると三十路の年齢に突入するようになってしまった……。そんな、立派なオッサンの仲間入りを果たしたこの俺が、可愛いと言われ慣れろだと……!? 無茶言うな……そんな自分を想像しただけで、寒気がしてくる。

「……あれ? みゃーちゃん、手首にちゃんとキスマークできてたんだね」

「…………え」

 ……ホントだ。急に何を言い出すかと思いきや、はしを掴んでる俺の右手首の内側に、赤いあとが付いてるのが見えた。

 銀田は、俺に触れるとき、それはそれは大切な物を取り扱うかのように……まるで豆腐を触るときみたいに優しい。

 実はキスマークも、これまでは付けられたことなど無かったのだけれど……。

 じゃあ、なんでかって……?

 正直なところ、これには理由わけがある。


 銀田と付き合って、1年を目前にしたこの年明けに、山田とたろさんを誘って新年会を開くことになっているのだ。

 山田とたろさんも、俺ら同様、付き合ってもうだいぶ経つし、ここらで1度は全員で顔合わせしておきたいなぁーと前々から思っていたのだ。

 まぁ、一応、山田は俺の初恋相手だし、銀田が今でも山田のことを親のかたきのように毛嫌いしてることも、知っているんだけど、俺としては、今となっては銀田以外の男を、恋愛対象として見るなんてちょっと考えられないし、銀田にも、そのことを自覚してもらう良い機会だと思ったのだ。

 昨日だって、「今年最後のエッチ納めをしよう」から始まって、結局「新年明けましておめでとう初エッチ」にまでノンストップで突入してしまったわけで……。

 こんなに俺の身も心も(ついでに胃袋までも)お前でいっぱいにしておいて、なのに他の男に嫉妬するだなんて、さすがにどうかしてるよ。

 そんな訳で、新年会を山田を含めた4人でやることを提案すると、快諾かいだくしてくれたはいいものの、その日の夜から、銀田はやたらと俺の身体にあとを残したがるようになってしまったのだ。

 正直な話……俺が今着てるスウェット上下の中は、上から下まで、そこいらじゅうキスマだらけだ。

 その事実からして、銀田の動揺のヤバさを感じるし、イクラごときで情緒がヤバい。


「…………はぁーっ」

 しっかたねぇなぁー。

 銀田は、顔中の筋肉がとろけたように、だらしのない笑みを浮かべながら、俺の右手首のキスマークをずっと見つめ続けている。

 だから、俺は、ゆっくりと右手を自分の口元まで近づけていくと、その痕を舌先でなぞるように舐め上げた。

 俺の視界の片隅で、銀田が身体を、ピクッと震わせるのが見えた。

 分かるぞ、多分もうお前、ちっともニヤニヤしてないんだろう? もう笑ってなんていられないんだろう?

 ほんの少し、せっかくの美味い料理がお預けになってしまうことが、口惜くちおしいけれど。

 予想通り、銀田の骨張った長い指先がするりと、俺に向かって伸びてくる。その手が頬に触れたかと思った途端に、俺の唇は塞がれた。

「……っん」

 …………まぁ、いいか。……おせち料理だし。

 寝正月には……ピッタリだな。



(つづく)
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