dreadnought/ドレッドノート 神と悪魔の手

有角 弾正

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第四話 昇格 1/4

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 警察が来た?!
なぜだ?!


 デリンジャーが吼えて、一分位しか経ってない筈。
それがなぜ?


 うーん……分からない!


 俺はムラマサ、虎南を見た。
二人とも凍りついたまま、俺を見ている。


 ムラマサが、口に人指し指を立て、うなずく。


 あぁ、分かってる。
今度こそ、居留守を決め込むぜ。


 外から「留守だな、隣に行くぞ。
有用な情報が採れるまで、まだまだ範囲を拡げて、この辺一帯の聞き込みをしないとな。」

 「あぁ。なぁ、このアパートが済んだら、そろそろ昼にしないか?」

 「そうだな…って。お前……さっき現場の状況説明聞いたばっかりで、よくそんな気分になれるな。」

 警官等二人のやりとりが聞こえた。


 この辺一帯?聞き込み?
一体何を調べているんだ?



      て、おーい!!!


 ムラマサ?!正か、その顔はくしゃみか?!くしゃみなのか?!

 今か?!

 ちょ、ちょい待て!今だけは止めろ!!


 その時だ、虎南が神速で銀髪に迫り、右手でピースサインを作るや、ムラマサの鼻の穴に突っ込んだ!

       グボ!プチッ!

 くしゃみは、見事、二本の極太指で強制停止させられた。

 仰け反ったムラマサがジタバタする、が。
暴れ馬を押さえ付けるように、虎南が余った方の剛腕で絞め上げ、巨体を捻り、ムラマサの動きを完全に封じ込める。

 す、すげえ……何かポキポキいってるし。


 俺達三名は、必死でドアの外へ聞き耳を立てた。


 …………良いぞ!

 どうやら二人の警官の気配は去っていくようだ。


 ホッ!居留守(いるす)は成功し、


 ピンポロン!ピンポロン!タタタ!ピンポロン!タタタ!ピンポロン!


 いっ?!!何だ?!
俺は音の発生源を振り向いた。

 テーブルの上、ムラマサのスマホだ!!


 画面には、(腋ハザード)の表示!

 テーブルに一番近い俺は、反射的に飛び付き、ミュートしようとした。

 が、俺のスマホとは機種が違う。
とっさには消音の仕方が分からん!焦りもあって取り落としそうになる。


 俺は必死で、両掌でムラマサのスマホを包み込み、股(もも)の間に挟む。

 ヤバイ!消えろ消えろ消えろー!頼むー!消えてくれーー!!


 俺の心の叫びに応えるように、呼び出し音が消えた!
何処かのボタンに触れて、うまい具合にミュートになってくれたようだ。


 俺は、いや全員は冷や汗に濡れ、ドアの外へ意識を集中。


 俺達三名は固まった。
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