ゼロになるレイナ

崎田毅駿

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6.新しいけど昔のままの女の子

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 どのくらい喚いて泣き叫んだか分からない。三十分程度?
 ふと気付くと、僕の肩にリチャード先生が手を置いていた。
「ジョエル・ホプキンス。そんなにも彼女のことを思っていたとは知らなかった。もっとオブラートに包んで話すか、いっそ話すべきでなかったかもしれない」
「いえ、いいんです。真実を知らないと意味がない」
「そうか。真実は大事だな。――ところでジョエル。今日は何月何日だ?」
 おかしな質問をする。今日の日付は、レイナと初めて出会ったとき同じ。イースター休みの終わり、僕があのとき通っていた学校では、ちょうど月が改まり、四月になったばかり――。
「四月一日……!」
 日付の意味することを理解し、僕はリチャード先生の顔を見上げた。
 そのとき、背中を向けた方角にある部屋のドアが、かちゃっと音を立てて開く気配がした。
「――レイナ!」

 おわり
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