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エピソード1:刻み屋ニック 2
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「魔玉……魔界の宝石ですか」
感慨深げなフランク。それも無理ない。彼、フランク・シュタイナーは、魔玉の力でこの世に生み落とされ得たのだから。
「どこからそれが分かったのですか?」
「悪い予感がしたのでね、直接、現場に足を運んだんだよ」
「そうなんですか?」
「驚くには当たるまい。警察関係者と親しくなって、聞かせてもらったんだが、どうやら君も現場を見に行ってるね」
「ご存知でしたか……自分でも理由はよく分からないんですが、導かれるようにして現場に行ってしまうことがあるのです」
「それもまた、刻み屋ニックが魔玉に関わっている証左だろうね。君の全身をおおう魔玉の気と、犯人の魔玉の気、そしてそのときどきの天体の位置によって、引かれることがあるらしい。まあ、私の推測がかなり混じっているが」
「なるほど、それで……。アベル、あなたが私に使った玉と、犯人のそれとは同じ種類なのですか?」
「そこまでは分からない。魔玉に、いくつかの種類があるのは確かなんだが。さて、本題だ。断言しよう、刻み屋ニックは警察には捕まえられない、と」
「犯人が魔玉の力を得ているからですか?」
「そうだ。例え警察がニックの姿を目の前にしても、魔玉によって引き出される特殊能力により、切り刻まれてしまうだろう」
「そんな相手に対して、僕が役立てると?」
「魔玉の力を帯びているのは、君も同様だ。特殊能力も発現していることは、自覚していよう」
「身体の割に素早く動けるだけです」
「それは過小評価だ。君は拳銃の弾をよけられるほど素早い。気を悪くしないでほしいのだが、肉体の方も不死身と言っていいじゃないか」
「街の喧嘩とはレベルが違うのでしょう?」
「そりゃあ比べることが間違っているが……」
「それに、相手の正体がつかめていない。どんな特殊能力があるのかはもちろん、相手に出会えるかどうかさえ、不確かだ」
「その点は考えがある。君の身体にある魔玉と、刻み屋ニックに関わる魔玉とは引き合うらしい。そいつを利用すれば、相手を探り出すことは可能なはずだ。それにだ、まだ新たな力が発現する余地も充分あろう」
「本当ですか?」
「本当だとも。ともかく、魔玉の者が表の世界に出てきたとなると、現在、対抗できるのも魔玉の者だけだと考えざるを得ない。そして私が知る限り、『こちらの世界』の魔玉の者は君だけなんだ」
「……」
「やってくれないか? 君自身の存在意義を見つけるためにも」
「……うまいこと言いますね……」
苦笑いするフランク。吹っ切るためか、残りのコーヒーを一気に呷った。
「やりますよ。運命だと思ってね」
差し出されたフランクの手を、アベルはしっかりと握り返した。
その日から、アベルは計算を始めた。フランクが何故かしら刻み屋ニックの事件現場へ導かれたという日時を、彼から聞き、その日その時刻の天体の位置を調べる。天文学は専門外のアベルであったが、苦心惨憺の末、一応の結果が引き出された。
「伝説によれば」
アベルはフランク相手に説明を始めた。
「魔玉は、主に太陽系の惑星に支配されるらしい。その他、月や北極星、さらには私は見たことがないのだが、南十字星という星も関連があるらしい。最大の問題は、我々人類が、太陽系にいくつの惑星があるのか把握していないことだ」
「現在見つかっているのは、八つだったと記憶していますが」
「その通り。だが、未発見の星があるという説は多い。三つも残っているという意見さえある。仕方がないので現段階での計算、星が増えた場合の計算をそれぞれ試みた。これら四つの結果が正しいとして、この日になれば、ニックが殺しを行わなくとも、互いに引き寄せ合うはずなのだ」
「どれも一ヶ月以上先じゃないですか」
フランクが気になる点を指摘した。
「それまでニックが大人しくしているとは思えません。殺人が先に起こった場合は?」
「好都合と言っては語弊があるが、その場合、やはりお互いに感じる何かがあるだろう」
アベルは残酷だが現実的な解答を示す。
そのとき、入口の扉が激しく打ち鳴らされた。
「誰だろう?」
滅多にない訪問者に、アベルは怪訝な表情になった。彼は自ら立ち上がり、入口へ寄る。覗き窓から外を観察すると、記憶にない顔があった。
「どなたかな?」
「警察だ。私の名はコナン。コナン・ヒュークレイ警部だ」
アベルは急いで扉を開けた。そして思い出した。訪問者が、いつだったか、殺害現場で見た刑事だと。
「バーナード警部から聞いた。君はバーナードと親しいそうだな?」
突っ立ったまま、いきなりコナンは始めた。
「待ってくれませんか。ここでは話はできない。どうぞ、奥へ」
「いや、ここでいい。さあ、最初の質問に答えてもらおうか」
「バーナード警部は知っています。それが何か?」
「彼が刻み屋ニックの事件を追っている一人だとも、分かっているな?」
「ええ。彼には世話になっています」
「君は何を調べている? バーナードから情報を聞き出し、しょっちゅう、事件現場に現れているそうじゃないか。私も一度、君を見たことがある」
「……いよいよ、話しにくくなってきたな。奥で落ち着いて話したいのですがね」
「あのな、はっきり言おう。私は君を疑っている」
「何ですって?」
「私から見れば、君は限りなく怪しい。ニックの奴が逃げおおせているのは、警察から情報を聞き出せる立場にいるからでは、と考えられないかね。そんな人物の一人が君だ。調べてみると、現場に一度ならず姿を現している。さらにだ、どういう訳か知らんが、天文学者やら考古学者やらを訪ね歩いているそうじゃないか。どういうことなのか、説明できるかね?」
矢継ぎ早の攻撃に、アベルは呆気に取られてしまった。ようやく反論の機会を得、アベルは一つ一つ、説明してみせた。
が、相手は簡単には納得しない。それどころか、全く信じる気配がない。
「魔玉について調べている? 何だそりゃ!」
「言ったでしょう。この世界のものでない……」
「もっとましな作り話をするんだな。そこそこ口は達者なようだな。だが、バーナード警部は丸め込めても、私はそうはいかん。これからは科学の時代だ。そんな馬鹿話、信じやしない」
「……証拠を見せて差し上げたいのは山々なのだが……」
「証拠? 証拠があるのかい! 面白い、見せてもらおうじゃないか」
警部の鼻息は荒かった。
「見れば、あなたに相手の手が伸びるかもしれないのだ。それだけは避けたい。あなたも命が惜しいだろう?」
「おい、警察を脅すのか? いい加減にしろ! さあ、来るんだ。取り調べてやる」
「待ってくれ! やむを得まい。見せましょう。その後の保証はできないが」
「いつまで御託を並べているんだ。さっさとしな。こっちは忙しいんだぜ」
警部は息巻きながら、拳銃を構えた。
「奥の部屋に行くんだろう? 妙な真似すれば、こいつが火を噴く。よく憶えておけ」
アベルは無言で、先に歩き始めた。行き先はフランクのいる部屋だ。
「アベル!」
部屋に入るなり、フランクが叫んだ。その表情には、不安が露だ。
「心配するな。座ってくれ」
アベルのそんな言葉にかぶさるように、コナン警部の声が飛んだ。
「何だ、仲間がいたのか? ほう、おまえも殺害現場で見たことがあるぞ。ますます怪しいな」
警部を無視し、アベルはしばし黙考した。どんなことをしてみせれば、納得してもらえるか……。
「警部、あの男めがけ、拳銃をぶっ放してください」
「何だって?」
思わぬ申し出に戸惑ったらしく、警部は口元をゆがめた。
「耳は悪くないつもりだがな。もう一度、言ってくれ」
「フランクを撃っていいと言ってるんです」
「……分からんな……」
コナンはアベルとフランクへ、交互に視線を投げかけた。
「何を考えている?」
「証拠を見せて差し上げようとしているだけです」
「まさかおまえ、私におまえの仲間を殺させて、私を警察に突き出すつもりじゃなかろうな?」
「議論している暇はないんだ。あなたがやらないなら、私がやる!」
アベルは素早く、相手の手から拳銃を奪った。
「貴様!」
コナン警部の怒声が聞こえたが、アベルはかまわず、拳銃をフランクに向けて撃った。
続く
感慨深げなフランク。それも無理ない。彼、フランク・シュタイナーは、魔玉の力でこの世に生み落とされ得たのだから。
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「それもまた、刻み屋ニックが魔玉に関わっている証左だろうね。君の全身をおおう魔玉の気と、犯人の魔玉の気、そしてそのときどきの天体の位置によって、引かれることがあるらしい。まあ、私の推測がかなり混じっているが」
「なるほど、それで……。アベル、あなたが私に使った玉と、犯人のそれとは同じ種類なのですか?」
「そこまでは分からない。魔玉に、いくつかの種類があるのは確かなんだが。さて、本題だ。断言しよう、刻み屋ニックは警察には捕まえられない、と」
「犯人が魔玉の力を得ているからですか?」
「そうだ。例え警察がニックの姿を目の前にしても、魔玉によって引き出される特殊能力により、切り刻まれてしまうだろう」
「そんな相手に対して、僕が役立てると?」
「魔玉の力を帯びているのは、君も同様だ。特殊能力も発現していることは、自覚していよう」
「身体の割に素早く動けるだけです」
「それは過小評価だ。君は拳銃の弾をよけられるほど素早い。気を悪くしないでほしいのだが、肉体の方も不死身と言っていいじゃないか」
「街の喧嘩とはレベルが違うのでしょう?」
「そりゃあ比べることが間違っているが……」
「それに、相手の正体がつかめていない。どんな特殊能力があるのかはもちろん、相手に出会えるかどうかさえ、不確かだ」
「その点は考えがある。君の身体にある魔玉と、刻み屋ニックに関わる魔玉とは引き合うらしい。そいつを利用すれば、相手を探り出すことは可能なはずだ。それにだ、まだ新たな力が発現する余地も充分あろう」
「本当ですか?」
「本当だとも。ともかく、魔玉の者が表の世界に出てきたとなると、現在、対抗できるのも魔玉の者だけだと考えざるを得ない。そして私が知る限り、『こちらの世界』の魔玉の者は君だけなんだ」
「……」
「やってくれないか? 君自身の存在意義を見つけるためにも」
「……うまいこと言いますね……」
苦笑いするフランク。吹っ切るためか、残りのコーヒーを一気に呷った。
「やりますよ。運命だと思ってね」
差し出されたフランクの手を、アベルはしっかりと握り返した。
その日から、アベルは計算を始めた。フランクが何故かしら刻み屋ニックの事件現場へ導かれたという日時を、彼から聞き、その日その時刻の天体の位置を調べる。天文学は専門外のアベルであったが、苦心惨憺の末、一応の結果が引き出された。
「伝説によれば」
アベルはフランク相手に説明を始めた。
「魔玉は、主に太陽系の惑星に支配されるらしい。その他、月や北極星、さらには私は見たことがないのだが、南十字星という星も関連があるらしい。最大の問題は、我々人類が、太陽系にいくつの惑星があるのか把握していないことだ」
「現在見つかっているのは、八つだったと記憶していますが」
「その通り。だが、未発見の星があるという説は多い。三つも残っているという意見さえある。仕方がないので現段階での計算、星が増えた場合の計算をそれぞれ試みた。これら四つの結果が正しいとして、この日になれば、ニックが殺しを行わなくとも、互いに引き寄せ合うはずなのだ」
「どれも一ヶ月以上先じゃないですか」
フランクが気になる点を指摘した。
「それまでニックが大人しくしているとは思えません。殺人が先に起こった場合は?」
「好都合と言っては語弊があるが、その場合、やはりお互いに感じる何かがあるだろう」
アベルは残酷だが現実的な解答を示す。
そのとき、入口の扉が激しく打ち鳴らされた。
「誰だろう?」
滅多にない訪問者に、アベルは怪訝な表情になった。彼は自ら立ち上がり、入口へ寄る。覗き窓から外を観察すると、記憶にない顔があった。
「どなたかな?」
「警察だ。私の名はコナン。コナン・ヒュークレイ警部だ」
アベルは急いで扉を開けた。そして思い出した。訪問者が、いつだったか、殺害現場で見た刑事だと。
「バーナード警部から聞いた。君はバーナードと親しいそうだな?」
突っ立ったまま、いきなりコナンは始めた。
「待ってくれませんか。ここでは話はできない。どうぞ、奥へ」
「いや、ここでいい。さあ、最初の質問に答えてもらおうか」
「バーナード警部は知っています。それが何か?」
「彼が刻み屋ニックの事件を追っている一人だとも、分かっているな?」
「ええ。彼には世話になっています」
「君は何を調べている? バーナードから情報を聞き出し、しょっちゅう、事件現場に現れているそうじゃないか。私も一度、君を見たことがある」
「……いよいよ、話しにくくなってきたな。奥で落ち着いて話したいのですがね」
「あのな、はっきり言おう。私は君を疑っている」
「何ですって?」
「私から見れば、君は限りなく怪しい。ニックの奴が逃げおおせているのは、警察から情報を聞き出せる立場にいるからでは、と考えられないかね。そんな人物の一人が君だ。調べてみると、現場に一度ならず姿を現している。さらにだ、どういう訳か知らんが、天文学者やら考古学者やらを訪ね歩いているそうじゃないか。どういうことなのか、説明できるかね?」
矢継ぎ早の攻撃に、アベルは呆気に取られてしまった。ようやく反論の機会を得、アベルは一つ一つ、説明してみせた。
が、相手は簡単には納得しない。それどころか、全く信じる気配がない。
「魔玉について調べている? 何だそりゃ!」
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「……証拠を見せて差し上げたいのは山々なのだが……」
「証拠? 証拠があるのかい! 面白い、見せてもらおうじゃないか」
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「何だって?」
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「耳は悪くないつもりだがな。もう一度、言ってくれ」
「フランクを撃っていいと言ってるんです」
「……分からんな……」
コナンはアベルとフランクへ、交互に視線を投げかけた。
「何を考えている?」
「証拠を見せて差し上げようとしているだけです」
「まさかおまえ、私におまえの仲間を殺させて、私を警察に突き出すつもりじゃなかろうな?」
「議論している暇はないんだ。あなたがやらないなら、私がやる!」
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