異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g

文字の大きさ
319 / 482
ぼっちー世界の声を集める!?

319日目:南の光、扉の兆し

しおりを挟む

異世界に転移したらぼっちでした~観察者ぼっちーの日常~

319日目:南の光、扉の兆し


こんばんは、ぼっちーです。

今日は作戦会議で決めた通り、ぼくとモフは南への道をひたすら歩きました。
「世界の声」はなかなか見つかりませんでしたが、モフの「おやつタイム死守」の目標はきっちり達成されました。おやつを食べている時のモフの真剣な眼差し、あれこそ「聖獣の儀式」なのかもしれませんね。

午後になり、目の前に広がる景色がなんだかいつもと違って見えてきたんです。


空間を漂う、淡い光

南の空は、いつもならただ青いだけなのに、今日は地平線のあたりが淡い光を放っていました。
まるで、薄いベールが揺らめいているような、不思議な光です。

「ぼっちー、あれ! なんだか胸がドキドキするよ!」

モフは、ぼくの肩の上で興奮した様子で体を震わせています。
ぼくが方角を確かめると、その光は、地図に示された次の目的地とぴったり重なっていました。

「あれが、新しい扉の『兆し』じゃないかな?」

その光は、近づけば近づくほど、色彩が濃くなっていきます。青や緑、黄色といった光が混ざり合って、まるで空に虹の断片が浮かんでいるようでした。


冒険者を惑わす、道の誘惑

その光の近くまで来ると、モフが急に立ち止まりました。

「ねえ、ぼっちー。あっちの道、なんかいい匂いがしない?」

モフが指差すのは、ぼくたちが進むべき道とは別の、脇道です。

「いい匂い? モフ、それはきっと君の空腹が引き起こす幻覚みたいなものだよ」

「違うよ! これは『焼き立ての甘いパンと、とろけるチーズの匂い』だ! きっとこの先に、幻のパン屋さんがあるに違いない!」

モフは目を閉じ、全身で匂いを嗅いでいます。その真剣な顔といったら!
確かに、言われてみれば、なんとなく香ばしい匂いが漂っているような……いやいや、気のせい気のせい!
ぼくは「観察者」として、目の前の光という重要な手がかりに集中しないと!

「モフ、今はそれどころじゃないから! 扉の兆しが目の前にあるんだよ?」

ぼくが引っ張ると、モフは不満そうに「むぅ……」と唸りながらも、諦めて正しい道に戻ってきました。
どうやら、新しい扉への道は、モフにとって食欲との戦いでもあるようですね。


今日のまとめ

 * 南の地平線に、次の扉を示すような淡い光を発見した
 * その光は、まるで虹の断片のように揺らめいていた
 * 扉の兆しが近づくにつれ、モフが脇道の『いい匂い』に惑わされそうになった
 * なんとかモフの誘惑を振り切り、正しい道を進むことができた

ぼくたちの旅は、重大な発見と、モフのおやつへの執着で成り立っているのかもしれません。


ぼっちー今日のひとこと

「扉の兆しより『パンの兆し』に興奮する相棒って、どうなんですかね!?」


プロフィール

 * 名前:ぼっちー(南の空に扉の兆しを観察した探検者)
 * 相棒:モフ(扉よりも、脇道の『幻のパン屋』に心を奪われそうになった小さな相棒)
 * 今日の記録:南の光/扉への兆し/食欲との戦い

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

優の異世界ごはん日記

風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。 ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。 未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。 彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。 モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

家ごと異世界ライフ

もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!

Levi
ファンタジー
前世は日本で超絶貧乏家庭に育った美樹は、ひょんなことから異世界で覚醒。そして姫として生まれ変わっているのを知ったけど、その国は超絶貧乏王国。 美樹は貧乏生活でのノウハウで王国を救おうと心に決めた! ※エブリスタさん版をベースに、一部少し文字を足したり引いたり直したりしています

異世界に降り立った刀匠の孫─真打─

リゥル
ファンタジー
 異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!  主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。  亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。  召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。  そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。  それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。  過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。 ――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。  カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。

処理中です...