異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g

文字の大きさ
374 / 482
ぼっちー世界の声を集める!?

374日目:パチパチする朝、光る虫の訪問

しおりを挟む

異世界に転移したらぼっちでした~観察者ぼっちーの日常~

374日目:パチパチする朝、光る虫の訪問


こんばんは、ぼっちーです。

昨日の炭酸泉のおかげで、過去最高にフワフワになったモフ。
手触りは最高なのですが、乾燥した風が吹くこの丘陵地帯を歩いていると、思わぬ「副作用」が出てしまいました。
歩くたびに、モフの体から「パチッ!」「バチッ!」という、小さな火花が散る音がするのです。


見えない敵との戦い

「いたっ! 誰だ、いまぼくのお尻をつねったのは!」

モフは数歩あるくたびに飛び上がり、キョロキョロと周囲を警戒しています。
敵はいません。犯人は、モフ自身の「静電気」です。
フワフワの毛が草と擦れ合って、ものすごい勢いで電気を溜め込んでしまったようです。

「モフ、近づかないで! ぼくに触ると感電するから!」

「ひどいよぼっちー! 相棒を見捨てるの!?」

涙目で飛びつこうとするモフを避けるという、奇妙な追いかけっこが続きました。


集まる光、小さな来訪者

夕暮れ時になり、あたりが薄暗くなってきた頃です。
草むらから、ふわりふわりと青白い光の粒が舞い上がってきました。
蛍のようですが、光り方がもっと鋭く、チリチリという微かな音を立てています。

その光たちは、まるで磁石に吸い寄せられるように、帯電したモフの周りに集まり始めました。

「わわっ! 虫さんがいっぱい来た! ぼく、美味しい匂いなんてしてないよ!?」

モフが慌てますが、虫たちは噛みつくわけでもなく、モフの毛先にちょこんと止まりました。
すると、モフの体からパチパチしていた痛そうな音が消え、代わりに「ジー……」という、静かで心地よい羽音に変わりました。


歩くランタン、聖獣の輝き

「……ぼっちー、痛くないよ。この子たち、このパチパチ食べてくれてるみたい」

どうやらこの虫は、静電気を好む「雷光虫(ライコウチュウ)」の一種のようです。
モフの溜め込んだ電気が、彼らにとっては最高のご馳走だったんですね。

数十匹の雷光虫を全身にまとったモフは、今や青白く輝く光の玉そのものでした。
暗くなりかけた草原を、モフが歩くだけで明るく照らし出します。

「見て見て! ぼく、灯台みたいに光ってる! 『守護者の掟・第十四条』、『暗い夜道は、自ら光って照らすべし!』なのだ!」

さっきまで「痛いよー」と泣いていたのが嘘のように、モフは得意げに胸を張って先頭を歩き始めました。
その姿は、まさしく伝説の聖獣のようです(虫まみれですが)。


今日のまとめ

 * フワフワになったモフが、歩くたびに静電気に悩まされた
 * 夕暮れ時に、静電気を好む「雷光虫」が集まってきた
 * 虫たちが電気を食べてくれたおかげで、モフが発光するランタン状態になった
 * モフが自ら光源となり、夜道を頼もしく案内してくれた

この世界では、静電気ひとつとっても、生き物たちの大切な「声(食事)」になっているんですね。
おかげで今夜は、明かりいらずでキャンプができそうです。


ぼっちー今日のひとこと

「光るモフはとても綺麗ですが、うかつに触るとまだビリッときそうなので、観察だけにしておきます」


プロフィール

 * 名前:ぼっちー(光る相棒を頼もしく思いつつ、感電を恐れて距離を保つ観察者)
 * 相棒:モフ(静電気体質から一転、虫たちと共生して輝く歩く照明となった小さな相棒)
 * 今日の記録:静電気の発生/雷光虫の襲来/生体ランタン/夜道の光源

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

優の異世界ごはん日記

風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。 ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。 未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。 彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。 モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

家ごと異世界ライフ

もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!

Levi
ファンタジー
前世は日本で超絶貧乏家庭に育った美樹は、ひょんなことから異世界で覚醒。そして姫として生まれ変わっているのを知ったけど、その国は超絶貧乏王国。 美樹は貧乏生活でのノウハウで王国を救おうと心に決めた! ※エブリスタさん版をベースに、一部少し文字を足したり引いたり直したりしています

異世界に降り立った刀匠の孫─真打─

リゥル
ファンタジー
 異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!  主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。  亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。  召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。  そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。  それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。  過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。 ――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。  カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

処理中です...