376 / 482
ぼっちー世界の声を集める!?
376日目:意志を持つ石、のんびり大移動
しおりを挟む異世界に転移したらぼっちでした~観察者ぼっちーの日常~
376日目:意志を持つ石、のんびり大移動
こんばんは、ぼっちーです。
昨日の美しい雨のオーケストラが去り、今日は一転して、ゴツゴツとした岩が転がる乾燥した地帯に入りました。
緑の丘を越えた先は、不思議と草木が少ない荒野のような場所です。
でも、ここにもやっぱり、ぼくたちの常識を覆す「声」がありました。
地面から響く、重低音
歩いていると、足元から「ゴゴゴ……」「ズズズ……」という、低く唸るような音が聞こえてきます。
地震かな? と思って身構えましたが、地面が揺れているわけではありません。
「ぼっちー、見て! あそこの石、自分で動いてるよ!」
モフが指差した先には、漬物石くらいの大きさの丸い岩がありました。
じっと観察していると、その岩は、まるで尺取虫のように少しずつ、でも確実に斜面を登っているのです!
「すごい……。重力に逆らって動いてる」
あたりを見渡すと、視界に入る何十個もの岩が、すべて同じ方向を目指してジリジリと移動していました。
これは、岩たちの「大移動」のようです。
岩の「声」を聞く聖獣
モフは興味津々で、移動中の岩の一つに近づきました。
「こんにちは、石さん。そんなに急いでどこに行くの? あっちに『伝説の堅焼きクッキー』でもあるの?」
モフが岩に耳を当てると、岩からは微かに温かい熱と、振動のような「声」が伝わってきたそうです。
「……ふむふむ。ぼっちー、この石さんたち、『日向ぼっこ』しに行くんだって! あっちの丘の頂上が、一番お日様が当たって気持ちいいらしいよ」
どうやら彼らは「陽だまり石」と呼ばれる、太陽の熱を求めて移動する不思議な鉱物のようです。
食事のためではなく、ただ温まるために山を登る。
なんだか、すごく優雅な生き方(?)ですね。
聖獣専用、特等席
「日向ぼっこかぁ。それはいい趣味だね!」
モフは岩の目的に共感したのか、移動中の一際大きな岩の上に、ぴょんと飛び乗りました。
「よし! ぼくも連れて行って! これは『聖獣専用・移動玉座』なのだ!」
モフは得意げに岩の上でポーズを決めました。
岩は文句も言わず(重くないのかな?)、ズズズ……と動き続けています。
しかし、その速度は「1分間に数センチ」という、超スローペース。
最初は「楽ちん、楽ちん!」とはしゃいでいたモフでしたが、5分もしないうちにアクビをし始めました。
さらに10分後には、岩の上で丸くなって、完全に熟睡してしまいました。
頂上への長い旅
結局、ぼくはモフを乗せた岩に合わせて、ゆっくりと歩くことにしました。
急ぐ旅でもありませんし、岩たちの低い駆動音を聞きながらのんびり進むのも悪くありません。
夕方になり、ようやく丘の頂上に着くと、そこには先に到着した岩たちが、夕日を浴びてオレンジ色に輝いていました。
その光景は、どんな宝石よりも温かく、美しいものでした。
「……むにゃ。着いた? ……あ、石さんたち、みんな焼き芋みたいな色になってる……」
寝起きのモフは、夕日に染まる岩を見て、やっぱり食欲を刺激されたようです。
今日のまとめ
* 自らの意志で斜面を登る「陽だまり石」の群れに遭遇した
* 岩たちは、日光浴をするために頂上を目指して大移動していた
* モフが岩に乗って「移動玉座」を楽しもうとしたが、あまりの遅さに寝てしまった
* 夕日に照らされた岩の群れは、静かで温かい輝きを放っていた
動かないと思っていたものが動き出す。
この世界では、石ころ一つにも、それぞれの「意志」と「旅」があるんですね。
ぼっちー今日のひとこと
「モフを乗せて運んでくれた石さんに、感謝の乾拭きをしておきました」
プロフィール
* 名前:ぼっちー(石たちのスローな旅に付き合い、のんびりとした時間を記録した観察者)
* 相棒:モフ(岩を乗り物にしたものの、その揺れの心地よさに睡魔で敗北した小さな相棒)
* 今日の記録:陽だまり石の大移動/聖獣の玉座/スローライフ/夕日の丘
1
あなたにおすすめの小説
家ごと異世界ライフ
もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
異世界に降り立った刀匠の孫─真打─
リゥル
ファンタジー
異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!
主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。
亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。
召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。
そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。
それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。
過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。
――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。
カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
