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ぼっちー世界の声を集める!?
388日目:石畳の市場、湯気とミートパイ
しおりを挟む異世界に転移したらぼっちでした~観察者ぼっちーの日常~
388日目:石畳の市場、湯気とミートパイ
こんばんは、ぼっちーです。
「石壁の街・ガルド」での生活が始まりました。
森のふかふかした土とは違い、ここの地面は硬い石畳です。
歩くたびに「カツン、カツン」と響く靴音は、この街の人々の勤勉さを表しているようで、背筋が伸びる思いがします。
石の街の「朝の声」
街の朝は早いです。
まだ日が昇りきらないうちから、あちこちで「カン! カン!」と、石や金属を叩く音が響き始めます。
ここは職人の街。この音こそが、街の目覚ましのようです。
「ぼっちー、起きて! 金属の音に混じって、『こんがり焼けた小麦の声』がするよ!」
モフは、職人たちのハンマーの音よりも、朝食の匂いに敏感です。
昨日の検問所での宣言通り、ぼくたちはその「匂い」をたどって、市場へと繰り出すことにしました。
湯気の向こうの頑固親父
市場の片隅に、ひときわ長い行列ができている屋台がありました。
湯気がもうもうと立ち上り、香ばしいバターと肉の脂の匂いが漂っています。
「ガルド風ミートパイ」の屋台です。
屋台の中では、筋肉質で強面(こわもて)の店主が、無言でパイ生地を練り、窯に放り込んでいました。
その顔は真剣そのもので、客に対しても「……食うか?」と短く聞くだけ。
「あのご主人、怒ってる? 注文するのが少し怖いかも……」
ぼくが躊躇していると、モフがぼくの肩から身を乗り出しました。
「ぼっちー、大丈夫だよ! あの人の手は、パン屋のロウルさんと同じ、『美味しいものを作る手』だ!」
聖獣、熱々の洗礼
モフの言葉に勇気をもらい、焼きたてのパイを二つ注文しました。
手渡されたパイは、持っているだけで火傷しそうなほど熱々です。
「『守護者の掟・第二十一条』……『熱い声は、冷めないうちにハフハフして聞くべし!』」
モフは大きく息を吸ってフーフーと冷ますと、パイの端っこにガブリと噛みつきました。
サクッ! という軽快な音が響きます。
「……はふっ! あつっ! でも、美味しい!」
パイの中からは、トロトロに煮込まれた肉と野菜のシチューが溢れ出してきました。
サクサクの皮と、濃厚な中身。
それは、堅牢な石壁の中に、温かい人々の暮らしが詰まっている、この街そのもののような味でした。
職人の笑顔
「……ほう。いい食いっぷりだ」
モフが口の周りをシチューだらけにして幸せそうにしていると、強面だった店主が、ニカッと白い歯を見せて笑いました。
「熱いのが一番うめぇんだ。分かってるじゃねぇか、毛玉」
店主は、おまけだと言って、パイの切れ端を焼いたラスクのようなものをモフにくれました。
どうやらこの街の人々は、石壁のように見た目は硬いけれど、中身はシチューのように熱くて優しいようです。
「ぼっちー、この街、大好き! 『厳しくて甘い(おまけ付き)』街だね!」
モフはラスクを齧りながら、すっかりガルドのファンになったようです。
今日のまとめ
* 職人の街の朝は、石を叩く音と美味しい匂いで始まった
* 行列のできる屋台で、名物「ガルド風ミートパイ」に挑戦した
* 強面の店主だったが、モフの食べっぷりを見て笑顔を見せてくれた
* パイの味は、外はサクサク、中は熱々で、街の雰囲気そのものだった
「美味しい」という感覚は、どんな強面の職人さんとも繋がれる、最強の共通言語ですね。
ぼっちー今日のひとこと
「焼きたてパイの熱さで、トビさんにもらった琥珀糖がポケットの中で溶けていないか心配です」
プロフィール
* 名前:ぼっちー(強面の店主にビクビクしていたが、パイの美味しさと店主の笑顔に安心した観察者)
* 相棒:モフ(熱々のパイと格闘し、店主に気に入られておまけをゲットした食いしん坊な相棒)
* 今日の記録:石畳の響き/ミートパイの屋台/職人の笑顔/熱々の朝食
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