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ぼっちー世界の声を集める!?
390日目:時を告げる巨人、歯車の迷子
しおりを挟む異世界に転移したらぼっちでした~観察者ぼっちーの日常~
390日目:時を告げる巨人、歯車の迷子
こんばんは、ぼっちーです。
ガルドの街の中心には、街のどこからでも見える高い塔が立っています。
「職人の大時計塔」です。
一日に数回、時間になると塔の扉が開き、精巧なからくり人形たちが現れて鐘を鳴らす、この街のシンボルだそうです。
今日はその「正午の演奏」を見るために、広場にやってきました。
止まった時間、困り顔の技師
正午が近づき、広場には多くの人々が集まっていました。
しかし、長い針が天辺を指しても、鐘の音が鳴りません。
塔の上の方から「ギギギ……ガガッ」という、苦しそうな音が聞こえるだけです。
「あれ? 人形さんたち、出てこないね。お寝坊さんかな?」
モフが首を傾げていると、塔の入口から作業着を着た若い男性が、油まみれになって飛び出してきました。
この時計塔を管理している技師さんのようです。
「くそっ、またか! 一番奥の歯車だ……あそこには手が届かないぞ」
彼は手に持った図面を睨みながら、頭を抱えていました。
どうやら、機械の深部で何かが引っかかり、時を止めてしまっているようです。
聖獣、機械の迷宮へ
ぼくたちが事情を聞くと、技師さんは藁にもすがる思いで言いました。
「主軸の歯車の隙間なんだ。子供の手でも入らないような狭い場所で……」
それを聞いたモフが、ぼくの肩の上でピッと手を挙げました。
「任せて! ぼくなら入れるよ! 『守護者の掟・第二十二条』、『狭い隙間には、必ず美味しい秘密が隠されている!』」
技師さんは「この毛玉で大丈夫か?」と不安そうでしたが、背に腹は代えられません。
モフは小さなライト(光る雷光虫の瓶詰め)を首から下げ、複雑に入り組んだ歯車の迷宮へと潜り込んでいきました。
時を止めていた「犯人」
「……ぼっちー、聞こえる? 中は油の匂いと、鉄の味がいっぱいだよ」
モフの声が、塔の内部から反響して聞こえます。
技師さんの指示に従い、奥へ奥へと進むモフ。
そして数分後。
「あった! 歯車の間に、『硬くて丸い爆弾』が挟まってる!」
「爆弾!? いや、それは何だ!?」
技師さんが青ざめますが、モフは「えいっ!」とそれを引き抜きました。
その瞬間、ゴウン……と低い音が響き、巨大な歯車がゆっくりと回転を始めました。
モフが口にくわえて戻ってきた「爆弾」の正体。
それは、カラスが貯食のために隠したと思われる、殻の硬い「巨大なクルミ」でした。
鐘の音と、勝利の報酬
「カーン! カーン!」
再起動した時計塔から、腹に響くような荘厳な鐘の音が鳴り渡りました。
扉が開き、鍛冶屋や石工の姿をした人形たちが現れて、リズミカルに鐘を叩きます。
広場の人々は「動いたぞ!」と歓声を上げました。
「ありがとう! 君のおかげで、街の時間が守られたよ!」
技師さんはモフの手(前足)を握りしめて感謝しました。
モフは、原因となったクルミを大事そうに抱えながら、
「どういたしまして! この『時を止める木の実』は、ぼくが責任を持って処理(=完食)しておくね!」
と、誇らしげに答えました。
カラスには悪いですが、これは街を救った英雄への報酬ということで許してもらいましょう。
今日のまとめ
* 街のシンボル「大時計塔」が故障し、正午の鐘が鳴らないトラブルに遭遇した
* モフが狭い歯車の隙間に入り込み、修理を手伝うことになった
* 故障の原因は、カラスが隠した「クルミ」だった
* 時計が無事に動き出し、モフは報酬としてクルミを手に入れた
街の正確な時を止めていたのが、たった一個の木の実だったなんて。
精巧な機械も、自然の「たくましさ」には勝てないのかもしれませんね。
ぼっちー今日のひとこと
「機械油で少し汚れたモフを拭きながら、職人の街の一員になれたような気がしました」
プロフィール
* 名前:ぼっちー(荘厳な鐘の音を聞き、街の人々の安堵した顔を記録した観察者)
* 相棒:モフ(歯車の迷宮を冒険し、時を止めるほどの硬度を持つクルミをゲットした小さな英雄)
* 今日の記録:大時計塔/歯車の迷路/カラスの悪戯/復活の鐘の音
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