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ぼっちー冒険記作家になる!?
236日目:村の跡地にあった手記
しおりを挟む異世界に転移したらぼっちでした~探検者ぼっちーの日常~
236日目:村の跡地にあった手記
こんばんは、ぼっちーです。
昨日、ぼくたちは“地図にない村”の痕跡を見つけました。
今日は、そこから少し奥に進み、ついにたどり着いたんです。
フローネ村の跡地に。
——そして、そこに残されていたのは、
かすれたインクと古びた紙に綴られた、ある手記でした。
静かな草むらのその奥に
昨日見つけた案内板から、草をかき分けながら細い道を進むこと約20分。
木々が少し開けた先に、ぽっかりとした空間が広がっていました。
石垣の名残、崩れかけた井戸、傾いた木製の柵——
人の気配はとっくに消えているのに、なぜか“記憶”だけが残っているような、不思議な空気が漂っていました。
風は静か。虫も鳴かない。まるで、この場所だけ時間が止まっているみたい。
モフも、ふだんより静かに、足音を忍ばせるように歩いていて……
「……ここが、あの村の跡地か」
石の柱と、その足元に
中央の広場だったと思しき場所には、一本だけ立ち残った石柱がありました。
ぼくが近づいてみると、足元の草むらがわずかに掘られたようになっていて——
モフが「もふ!」と鳴いて、くんくん、とその場所を指差します(前足で)。
そこには、古びた手帳のようなものが布に包まれたまま、静かに横たわっていました。
革の表紙はひび割れて、ページもところどころ黒ずんでいましたが、
なんとか読める範囲で、こう書かれていたんです。
手記の一節より
「……エリーは今日も来なかった。でも、風の音があの子の歌声みたいに聞こえたんだ。」
「——ぼくはここにいる。約束を守るって言ったから。火が消えるまで待つって言ったから。」
「エリー、見てる? 星がきれいだよ」
「もしこの手帳を誰かが読んでいるなら、どうか、あの子に伝えてほしい。
『ちゃんと待ってたよ』って」
ページの最後には、名前がかすれていて、読めたのは「ル……」という頭文字だけ。
でも、ぼくにはわかった気がしたんです。
この手記を書いたのは、かつてあの廃村で語られた“花かごを抱えた少年”なんじゃないかって。
モフ、沈黙を守る
ふだんなら、発見にテンション上がるモフですが、
今日は何かを感じ取ったのか、手帳のそばでじっと目を細めて、静かに座っていました。
「もふ……(訳:この記録、だいじにしよう)」
……うん、ぼくもそう思うよ。
記録するということ
この手記は、何年も前にここを離れた誰かの“気持ち”が残っているものでした。
文字はかすれ、紙も劣化していて、何十年もそのままだったんだと思います。
だけど、確かにそこには「伝えたい想い」があった。
そして、それを今こうしてぼくが読むことで、その記録は“今”のものになったんです。
これが、記録者としての使命なのかもしれない。
時間を越えて、誰かの気持ちに出会うこと。
ぼっちー今日のひとこと
「残された言葉は、誰かが読むことで、また息を吹き返す。」
プロフィール
• 名前:ぼっちー(風化した記録を読む男)
• 相棒:モフ(今日は静かに背中を預けてくる係)
• 今日の記録:村の跡地/手記の一節/伝わる想い
次回は、この手記を手がかりに、再びユレッサへ戻ります。
記録の整理と、新たな気づき。そして、もうひとつの“扉”への道へ。
それでは、また明日の更新で!
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