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ぼっちー冒険記作家になる!?
257日目:出版契約!?話が大きくなる
しおりを挟む異世界に転移したらぼっちでした~探検者ぼっちーの日常~
257日目:出版契約!?話が大きくなる
こんばんは、ぼっちーです。
昨日、ぼくはベルガルドの片隅で、古い印刷工房に出会いました。
紙とインクの匂い、活字の重み、ページをめくる音。
それは、ぼくの“記録”にもうひとつの意味をくれた気がして。
そして、工房のご主人――トルリさんに言われたんです。
「よければ、君の記録を“冊子”にしてみないかね?」
その言葉に、なんだか心が跳ねました。
旅の記録を、本に? ぼくの手帳の中身を、“誰かに伝えるもの”に……?
そんなわけで今日、ぼくたちは再び印刷工房を訪れました。
するとそこに、ちょっとびっくりな来客がいたんです――!
契約交渉!?ぼくでいいの!?
トルリさんの工房の小さな談話室にいたのは、
ベルガルドの“知識流通庁”っていう、ちょっとお堅そうな役所の女性職員さん。
「この町にある“記録者の刊行支援枠”に、君の名が推薦されたんだ」
「……推薦? 誰が……?」
「トルリさんだよ。古典記録士としての推薦権があるからね」
ぼくの旅の記録を読んで(手帳の複写をこっそり読まれてたらしい)、
「これは残す価値がある」って判断したんだそうです。
「出版、って言っても、そんなに大げさなことじゃない。ただ、君の記録をまとめて、
製本して、町の書架に登録するだけさ。興味がある人が読めるようになる。……それだけだ」
「……それだけ、だけど、それってすごくない!?」
「もふーん!(訳:ぼっちーの本が誰かの本棚に!?)」
しかも、その一環で“刊行契約書”なるものを交わすらしく――
目の前に、分厚い紙束が置かれました。ドンッって感じで。
「こ、これ全部読むの……!?」
「一応、内容は要約できるよ。印刷部数は初回100部、価格設定は非売、貸出優先。
著作権保持期間は5年だけど、再延長申請も可能で……」
「ストーップ!! 専門用語ばっかりで頭痛くなる!!」
モフが耳をふさいで床を転がり始めたくらいには、混乱してました。
“伝える”には、ルールがついてくる
でも、そのお姉さんは優しくて、ひとつひとつを丁寧に説明してくれました。
どうやらこの世界では、“記録物を流通させる”にはいくつか決まりがあるみたいで、
とくに“他人の記憶に関わる内容”や、“魔法的危険のある知識”には注意が必要なんだとか。
「たとえば、昨日の“記録の柱”の話も、全文は公開しない方がいいかもしれないわね。
読み手の精神に影響を与える可能性があるから」
なるほど……“記録者”って、やっぱり責任もあるんだなぁ。
「もふもふ……(訳:ぼっちー、ちゃんと確認しよ。責任って大事だよ)」
「……うん。ありがと、モフ」
ぼくは契約書に目を通して、ゆっくりと名前を書きました。
これで、ぼくの旅が誰かに“届く”かもしれない。
不思議な緊張と、ちょっとだけの誇らしさが、胸の中に広がっていきました。
そして、はじめての“著者印”
「最後に、“著者印”をもらうよ。これは、この世界で“記録者”として登録される証なんだ」
そう言われて渡されたのは、小さな金属の印章。
ぼくの名前と、“旅記録者”の称号が刻まれていて……かっこいい!
「もふもふもふっ!(訳:えっ、それぼくのもある!?)」
「モフには……おやつ券」
「もふぅん……(訳:それはそれでうれしい)」
ぼっちー今日のひとこと
「“伝える”って決めたときから、責任も一緒に旅に出るんだと思う」
プロフィール
・名前:ぼっちー(記録者から“著者”になっちゃった探検者)
・相棒:モフ(おやつ券を5枚ゲット)
・今日の記録:出版契約/記録者の印章/届ける責任
次回は
はじめての“著者印”をもらったその日、
工房に現れたのは、ぼくの記録の読者だという“謎の少女”。
小さなその読者との出会いが、ぼくにまたひとつ、大切なことを教えてくれることに
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