17 / 64
第3章 俺たちは『公務』じゃなくて、『新婚旅行(ハネムーン)』がしたい
第17話:絶対零度の駄々っ子
その日の朝、クライス伯爵家の執務室は、物理的に凍りついていた。
当主であるオルドリン・クライスは、王宮から届いたばかりの書簡をデスクに叩きつけ……ようとして、手が滑って破り捨てそうになるのを、僅かに残った理性で押し留めた。
書簡の内容は簡潔にして残酷だった。
『北の白銀領にて魔脈の乱れあり。至急現地へ向かい、鎮静化せよ。期間は移動を含め約一ヶ月を要する』
一ヶ月。
文字にして、たったの三文字。
だが、その意味するところを脳内で咀嚼した瞬間、オルドリンの目の前は真っ暗になった。
(……一ヶ月だと?)
一ヶ月とは、およそ三十日だ。
時間にして七百二十時間。分に直せば四万三千二百分。
その間、彼は最愛の妻・ルシアンの顔を見られないということか?
あの愛らしい「おはよう」を聞けず、温かい体温を感じながら眠ることもできず、彼の手料理を頬張る幸福な時間も奪われるというのか?
それはもはや、任務ではない。死刑宣告に等しい。
ここ一年、オルドリンはルシアンという「太陽」の光を浴びて生きてきたのだ。
今さら光のない極寒の地へ一人で放り出されるなど、熱帯魚を雪山に放流するようなものだ。
枯れる。確実に、心が枯死する。
ピキ、ピキキッ……。
主人の絶望に呼応するように、足元から床が凍り始めた。
制御できない魔力が漏れ出し、執務室の気温が急激に下がっていく。
「……旦那様」
部屋の隅で、執事のセバスチャンが呆れ顔で声をかけてきた。
彼はすでに防寒用のマフラーを巻いている。準備がいい。
「室温がマイナス五度を下回りました。インクが凍って書類仕事ができません」
「放っておいてくれ、セバスチャン。私の心はすでに絶対零度だ」
「また始まりましたな。……王命ですよ? 拒否すれば爵位剥奪もありえますぞ」
「構わん。ルシアンと離れるくらいなら、爵位など投げ捨てて、彼と二人で森の奥に引きこもって暮らす」
「ルシアン様は森の暮らしなど望みませんよ。虫がお嫌いですから」
「む……確かに」
オルドリンは机に突っ伏した。
どうすればいい。
王命は無視できない。だが、ルシアン不足(デフィシェンシー)による禁断症状で、現地で発狂して暴走する未来が鮮明に見える。そうなれば白銀領は彼の氷魔法で更地になるだろう。
それはそれで国益を損なう。
「……嫌だ。行きたくない。絶対にここを動かんぞ」
オルドリンは子供のように椅子にしがみついた。
外では「氷の伯爵」などと呼ばれ恐れられている男が、まさか家で「妻と離れたくない」と駄々をこねているなど、誰も想像すまい。
だが、これが真実だ。ルシアンのいない人生になど、一ミリの価値もない。
「はぁ……。困りましたね」
セバスチャンがわざとらしくため息をつき、扉の方を見た。
「こうなれば、猛獣使いのお出ましを願うしかありませんな」
彼が何を言ったのか理解するより早く。
ガチャリ、と凍りついたドアノブが回された。
「オルドリン、入るぞ」
猛吹雪だったオルドリンの脳内に、一筋の光が差し込んだ。
◇◇◇
執務室の扉を開けると、そこは南極だった。
ヒュオオオォォ……。
室内には吹雪が舞い、床も壁も真っ白に凍りついている。
視界が白い。ここは雪山か? いや、王都のど真ん中の屋敷だ。
その吹雪の中心、デスクに突っ伏している黒い影があった。
「……帰ってくれ」
地獄の底から響くような声。
オルドリンは顔を上げず、書類の山に埋もれたまま呻いた。
「私は行かない。断じて行かない。……誰がなんと言おうと、ここを離れん」
「はいはい、分かったから。まずはこの吹雪を止めてくれ」
俺が近づき、彼の肩に手を置くと、ピタリと風が止んだ。
代わりに、オルドリンがガバッと顔を上げた。
その瞳は潤み、目元が赤くなっている。
最強の氷の魔法使いが、泣きそうな子供のような顔をしていた。
「……ルシアン」
「どうしたんだよ。王宮から何言われたんだ?」
俺が聞くと、彼はクシャクシャになった書簡を指差した。
「……『白銀領』へ行けと」
「白銀領? 北の果ての?」
「ああ。あそこの魔力供給地(レイライン)に不具合が出ているらしい。その点検と修復のために、私に出張命令が出た」
なるほど。
白銀領といえば、国一番の極寒地帯であり、クライス家が管理する重要拠点の一つだ。
氷魔法の使い手である彼にしかできない任務なのだろう。
「仕事なら、仕方ないんじゃないか? 領民も困ってるんだろ?」
「分かっている! だが……期間が長すぎる!」
彼はバン! とデスクを叩いた。
「移動も含めて、約一ヶ月だぞ!? 一ヶ月も君と会えないなんて、耐えられるわけがないだろう!」
それが理由か。
いや、彼にとっては死活問題なのだろう。
以前、数日の別行動でさえ「ルシアン不足」で倒れかけた男だ。一ヶ月など、彼の中では「永遠」に等しいに違いない。
「手紙も届くか分からない僻地だ。君の声も聞けず、体温も感じられず、ただ氷に囲まれて仕事をするなど……。そんなの、生きたまま棺桶に入るのと同じだ」
「表現が重いな……」
オルドリンは俺の腰に抱きつき、ぐりぐりと顔を押し付けてきた。
完全に駄々っ子だ。
部屋の隅では、セバスチャンが「やれやれ」といった顔で肩をすくめている。
俺は彼の頭を撫でながら、考えた。
仕事を放棄させるわけにはいかない。
でも、彼を無理やり行かせても、現地で精神崩壊して使い物にならなくなる可能性がある。
なら、答えは一つだ。
「……なぁ、オルドリン」
「なんだ。慰めてくれるのか?」
「いや。……俺も、ついて行っていいか?」
その瞬間。
オルドリンが凍りついた。物理的にではなく、思考停止して。
「……え?」
「だから、俺も行くよ。白銀領へ」
「なっ、何を言っているんだ! あそこは極寒の地だぞ! 君のような華奢な者が耐えられる環境じゃない!」
「失礼だな、これでも鍛えてるっつーの」
俺は腕まくりをして、力こぶ(まだ小さい)を見せた。
「それに、俺はアンタの『相棒』だろ? アンタが仕事で困ってるなら、手伝いたいんだよ」
これは本心だ。
俺は彼に守られるだけでなく、隣に立ちたいと願った。
魔脈の修復なんて高度なことはできないかもしれないが、身の回りの世話や、雑務処理、精神的なケアならできる。
「俺、最近魔法の制御も上手くなったし、セバスチャンから書類整理も習ってる。……アンタの仕事ぶり、近くで見せてくれよ」
俺が目を見て訴えると、オルドリンは口をパクパクと開閉させた。
迷っている。
「連れて行きたい(独占欲)」と「危険な目に遭わせたくない(過保護)」が、脳内で大戦争を起こしているようだ。
「……でも、危険だ。魔物も出るし、環境も過酷だ」
「アンタがいるだろ?」
「……ッ」
「世界最強の氷の魔法使いが一緒なんだ。……俺のこと、守れないのか?」
俺がニッと笑って挑発すると、彼の瞳にメラリと火がついた。
「……守れる。傷一つ付けさせない」
「だろ? なら決まりだ」
俺は彼の手を取り、強く握った。
「連れてってくれよ、オルドリン。……一ヶ月も離れるの、俺だって嫌だよ」
最後の一言は、トドメだ。
オルドリンの顔が、茹でたタコのように真っ赤になった。
そして次の瞬間、部屋中の氷が一気に溶け、春のような暖かさが広がった。
ドサッと天井から溶け落ちた雪が、セバスチャンの頭を直撃したが、誰も気にしない。
「……分かった。連れて行く」
彼は俺を抱きしめ、力強く宣言した。
「君がそこまで言ってくれるなら、断る理由はない。……ああ、むしろ最高だ。仕事中も君といられるなんて! これは神が与えたもうたハネムーンの機会に違いない!」
「そういうこと。……じゃあ、準備するか?」
「うむ! すぐに手配しよう! セバスチャン、最高級の防寒具と、馬車の改造を手配しろ! 今すぐにだ!」
彼は完全に復活した。
さっきまでの絶望が嘘のように、テキパキと指示を出し始めた。
現金なものだ。
だが。
俺には、もう一つ、彼には言えない「裏の動機」があった。
(……よっしゃあぁぁぁ!!)
俺は内心でガッツポーズをした。
白銀領。
そこは、幼少の頃からの憧れの地。
未だ誰も踏破していないと言われる伝説の『氷結の大迷宮(アイス・ラビリンス)』があるのだ!
(あそこの『氷巨人』のドロップアイテムがあれば、最強の耐性装備が作れる……! しかも、漫画とかに出てくるような『極寒マンモス肉』も食えるかもしれない!)
俺の冒険者魂(と食い意地)が、静かに燃え上がっていた。
仕事の手伝いは本気だ。嘘じゃない。
でも、仕事が終わった後の「ご褒美」も、ちゃっかり頂くつもり満々だった。
◇◇◇
出発までの数日間。
屋敷は、遠征の準備で大わらわだった。
「ルシアン様、こちらが特注の防寒コートでございます。白狐の毛皮を使用し、保温魔法を三重にかけてあります」
「ルシアン、靴はこちらだ。滑り止めの魔法付与済みだ」
「非常食には、君の好きな干し肉とチョコレートを大量に用意させた」
過保護すぎる。
俺一人のために、南極観測隊レベルの装備が用意されていた。
「……これ重くないか?」
「軽い素材を選んでいる。着てみてくれ」
着せ替え人形のように、次々と装備を試させられる。
オルドリンは楽しそうだ。
「君は何を着ても似合うな」「雪の妖精のようだ」と、準備の段階からデレデレである。
「なぁ、オルドリン。仕事の内容って、具体的に何するんだ?」
「ん? ああ、基本的には魔力溜まりの制御だ。……少し大規模な術式を使うことになるから、集中力が必要だな」
「そっか。俺にもできることある?」
「私のそばにいて、呼吸をしていてくれればいい」
「それ仕事じゃないだろ」
俺がツッコミを入れると、彼は真面目な顔で言った。
「いや、最重要任務だ。……君の成分を摂取しないと、私の魔力効率が落ちるからな」
「……はいはい。じゃあ、横で応援してるよ」
まったく、どこまで甘えん坊なんだか。
でも、そんな彼が「仕事モード」になった時、どんな顔を見せるのか。
俺は少し楽しみでもあった。
普段は俺にデレデレの旦那様だが、本業の「氷の伯爵」としての姿を、俺はまだあまり知らない。
(かっこいいとこ、見れるかな)
俺は期待に胸を膨らませつつ、こっそりと『北国ダンジョン攻略本(自作メモ)』を荷物の底に忍び込ませた。
◇◇◇
出発の朝。
屋敷の前には、見たこともないほど巨大で豪華な馬車が停まっていた。
車輪の代わりに、魔法で浮遊するソリのような機構がついている。
「……これ、馬車か?」
「長距離移動用・耐寒結界付き特別車両だ。中はリビングのように快適だぞ」
オルドリンがエスコートしてくれ、俺たちは乗り込んだ。
中は本当に広かった。ふかふかのソファ、テーブル、簡易キッチンまである。
外は木枯らしが吹いているが、中はポカポカだ。
「行ってらっしゃいませ、旦那様、ルシアン様」
使用人たちが総出で見送ってくれる。
彼らの顔には「旦那様がご機嫌でよかった」という安堵の色が見える。
「行ってきます!」
「留守は頼んだぞ」
馬車が動き出す。
滑るように進む車窓から、王都の景色が遠ざかっていく。
これから向かうのは、氷と雪に閉ざされた極寒の地。
厳しい任務が待っているはずだ。
でも、隣には頼れる相棒(旦那様)がいる。
「……楽しみだな、オルドリン」
「ああ。君との旅行だと思えば、悪くない」
彼は俺の肩を引き寄せ、こめかみにキスをした。
「白銀の世界も、君となら薔薇色に見えるだろう」
「キザだなぁ」
「本心だ」
俺たちは笑い合い、北へと向かう旅路についた。
仕事も、冒険も、そして甘い時間も。
全部まとめて楽しんでやる。
最強の夫婦の、初めての長期遠征が幕を開けた。
あなたにおすすめの小説
婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
【16話完結】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー
AI比較企画作品
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?
キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。
知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。
今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど——
「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」
幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。
しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。
これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。
全8話。
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
Seele―目が見えるようになったのは奇跡ではなく、罰だった―
真紀
BL
【完結まで執筆済み】目が見えない兄と、死にゆく弟の物語。
死んだ弟の角膜で、光(コウ)は視力を得た。見えたのは、涙をこらえる親友の顔。「和はおまえが大嫌いだった。憎んでた。だからおまえに目をくれたんだよ」光が歌をやめたのは、その日からだ。
あの人が泣きながら殴るたび、光は願う。「どうか明日は、早く壊れてしまえますように」と。
光は音楽を捨て、達哉は涙を隠せないまま、二人は同じ世界に立ち続ける。
これは、赦しのない世界で、それでも生きようとする者たちの物語。
《第二章》盲目の光が、最愛の弟を失うまでの日々を書いています。ブロマンス寄りですがBL好きな方に読んで欲しい作品です。「ノンケを堕とすノンケ」が好物の方、ぜひどうぞ。
君のことは愛さない 〜死に戻りの伯爵令息は幸せになるため生き直します〜
蒼井梨音
BL
ルーシェ・ディオラントは、先祖返りで、王家の印と言われる薄い水色を帯びた銀髪と浅葱色の瞳をもつ美しいオメガ。しかし、正妻との子どもでないため、伯爵家では虐げられて育てられてきた。
そんなルーシェは、アルファである冷徹無比といわれる騎士団長のサイラス・ヴァルフォードと結婚することになった。
どんなに冷遇されようと、伯爵家での生活よりは、いいはず。
もしかしたら、これから恋に落ちるのかもしれない、と思うと、ルーシェはとても幸福に満ちていた。
しかし、結婚生活は、幸せとはほど遠いものであった。
ーーなんで、サイラス様は、僕の手をとってくれないの?
愛することも愛されることも知らない2人が、すれ違いを経て、やり直した人生でようやく愛を知る・・・
※基本ルーシェ視点ですが、たまに別な視点が入ります。