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1話目
3.異変
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ミアのやり口はあまりに度を超えていた。
二人で寄ってたかって、嘘で固めた言葉で責められて心は冷え切っていた。
「ミア、ここは聖堂よ。あなたは仮にも聖女見習いという選ばれた立場で、民に支えられた民のために誠実に国に守っていかなければいけないことを把握しているの?」
「ダンさま!聞きましたか、いつもこんな風に抑圧的にミアをいじめるんです。ソフィア、ミアさんがあなたにない魅力を持っているからって執拗にいじめるのをもうやめてください!」
ユリアが白々しくミアを庇うように両手を広げる。
「ソフィア、一度出ていってくれないか」
ダンが静かに私を追い出そうとする言葉は、なんとなく流れを悟ってはいても、さすがに胸を突き刺した。
「ダン、私の言葉ではなく、ミアたちの嘘を信じるんですか? 」
「君が嘘をついていると確定がしていないよ...。ただ証言があって、こんなに二人とも怯えきっているというのに、君を庇えない。
それに...。」
ダンは何かを口ごもって、ミアと目を合わせた。
ミアは「言って、ダン様...。」と恥ずかしそうに目を伏せた。
ダンは優しく頷いて、一言告げた。
「君は知らないと思うけどミアと私は、君のいないところでも会う仲なんだ。
純粋で優しい彼女は嘘をつくとは思えない」
悪寒がした。
ミアは嬉しそうに「ダン様」と言ってダンの手をとると、ダンがミアの手を撫でる。
目の前の光景が、さすがに信じられなかった。
「婚約者がいる身分でありながら、他の女性との逢瀬を重ねていたということでしょうか? 」
冷静になろうと努めていても、さすがに紡ぐ言葉に怒気を含んでしまう。
一方でダンは当たり前のように、むしろ開き直ったのかと思えるほど飄々と答える。
「君がそこまで目くじらを立てる理由はわからないな。
君は手も握らせてくれなかったし、女性としての機能を果たしてくれなかった。
可愛らしく僕のことを頼ってくれるミアと過ごしたいと思ってしまうのは自然なことだと思う」
私はダンの発言に倒れそうになった。
聖女見習いとして清純を保たなければいけないのに、この人は何を言っているんだろうか。
そして、言いぶりからしてミアは聖女見習いの身分でありながら、ダンと進展した関係を持っているということなのか。
「君の真の姿を見破れなかった僕も馬鹿だったよ」
ダンに軽蔑の視線を送られて、さらにショックを受けた。
私はこの状況が信じられずにいると、顔がチクチクと痛み出すのを感じた。
「え?」
違和感を感じて顔の肌を触ると、皮膚がゴワゴワとするのを感じて、触ると、皮膚が剥け落ちていく。
「なんだ、ソフィア、それは。き、気持ち悪いぞ...!みんな離れろ!」
その声に3人を見ると、心底気持ち悪いものを見るような恐怖の表情を浮かべていた。
鏡を覗き込むと、私の皮膚は赤黒く腫れ上がり、綺麗だった肌がただれて次々に剥がれ落ちている。
「な、にこれ…」
鏡越しにミアがニヤリと笑うのが見えた。
そこで私はさっきミアにもらった粉を顔に塗ったことを思い出した。
「ひどい、ミアどうしてこんなことを!」
「急に、何言ってるの? ダン様、助けて、怖い!」
ミアはダンの腕にしがみつく。
「ねえ、ダン信じて! 全てミアが仕組んだことなの! 」
ダンに近づくと、「ヒッ! 化物みたいだ! 」と叫ばれて距離を置かれる。
「ダン、気をつけて。ソフィアはいつもここを抜け出して男との人と遊んでばかりいたから、そういう病気を持っているのかもしれないわ」
ダンは顔を真っ赤にして、ソフィアを突き飛ばす。
「近づかないでくれ! 髪も肌もボロボロで皮膚もそんな気持ち悪い君とはもうしばらく会いたくない! 」
私は突き飛ばされた状態の尻餅をついたまま、ただ呆然とした。
二人で寄ってたかって、嘘で固めた言葉で責められて心は冷え切っていた。
「ミア、ここは聖堂よ。あなたは仮にも聖女見習いという選ばれた立場で、民に支えられた民のために誠実に国に守っていかなければいけないことを把握しているの?」
「ダンさま!聞きましたか、いつもこんな風に抑圧的にミアをいじめるんです。ソフィア、ミアさんがあなたにない魅力を持っているからって執拗にいじめるのをもうやめてください!」
ユリアが白々しくミアを庇うように両手を広げる。
「ソフィア、一度出ていってくれないか」
ダンが静かに私を追い出そうとする言葉は、なんとなく流れを悟ってはいても、さすがに胸を突き刺した。
「ダン、私の言葉ではなく、ミアたちの嘘を信じるんですか? 」
「君が嘘をついていると確定がしていないよ...。ただ証言があって、こんなに二人とも怯えきっているというのに、君を庇えない。
それに...。」
ダンは何かを口ごもって、ミアと目を合わせた。
ミアは「言って、ダン様...。」と恥ずかしそうに目を伏せた。
ダンは優しく頷いて、一言告げた。
「君は知らないと思うけどミアと私は、君のいないところでも会う仲なんだ。
純粋で優しい彼女は嘘をつくとは思えない」
悪寒がした。
ミアは嬉しそうに「ダン様」と言ってダンの手をとると、ダンがミアの手を撫でる。
目の前の光景が、さすがに信じられなかった。
「婚約者がいる身分でありながら、他の女性との逢瀬を重ねていたということでしょうか? 」
冷静になろうと努めていても、さすがに紡ぐ言葉に怒気を含んでしまう。
一方でダンは当たり前のように、むしろ開き直ったのかと思えるほど飄々と答える。
「君がそこまで目くじらを立てる理由はわからないな。
君は手も握らせてくれなかったし、女性としての機能を果たしてくれなかった。
可愛らしく僕のことを頼ってくれるミアと過ごしたいと思ってしまうのは自然なことだと思う」
私はダンの発言に倒れそうになった。
聖女見習いとして清純を保たなければいけないのに、この人は何を言っているんだろうか。
そして、言いぶりからしてミアは聖女見習いの身分でありながら、ダンと進展した関係を持っているということなのか。
「君の真の姿を見破れなかった僕も馬鹿だったよ」
ダンに軽蔑の視線を送られて、さらにショックを受けた。
私はこの状況が信じられずにいると、顔がチクチクと痛み出すのを感じた。
「え?」
違和感を感じて顔の肌を触ると、皮膚がゴワゴワとするのを感じて、触ると、皮膚が剥け落ちていく。
「なんだ、ソフィア、それは。き、気持ち悪いぞ...!みんな離れろ!」
その声に3人を見ると、心底気持ち悪いものを見るような恐怖の表情を浮かべていた。
鏡を覗き込むと、私の皮膚は赤黒く腫れ上がり、綺麗だった肌がただれて次々に剥がれ落ちている。
「な、にこれ…」
鏡越しにミアがニヤリと笑うのが見えた。
そこで私はさっきミアにもらった粉を顔に塗ったことを思い出した。
「ひどい、ミアどうしてこんなことを!」
「急に、何言ってるの? ダン様、助けて、怖い!」
ミアはダンの腕にしがみつく。
「ねえ、ダン信じて! 全てミアが仕組んだことなの! 」
ダンに近づくと、「ヒッ! 化物みたいだ! 」と叫ばれて距離を置かれる。
「ダン、気をつけて。ソフィアはいつもここを抜け出して男との人と遊んでばかりいたから、そういう病気を持っているのかもしれないわ」
ダンは顔を真っ赤にして、ソフィアを突き飛ばす。
「近づかないでくれ! 髪も肌もボロボロで皮膚もそんな気持ち悪い君とはもうしばらく会いたくない! 」
私は突き飛ばされた状態の尻餅をついたまま、ただ呆然とした。
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