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5章 アレクシアと訪問者達

いざ、魔国へ!

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アレクシアは部屋に戻り小さなリュックに荷物を詰めているが、先程から複数の視線にじっとりと見つめられている状態だ。

「もう!中庭で待っていて下しゃいな!乙女の部屋にずかずかと入ってきて何なんでしゅか!」

「ふむ、豚小屋のような部屋だな」

「失礼ブヒ!…はっ!」

「昔のお前からは考えられない質素な部屋だ、金に執着しなくなったのか?」

「先程から失礼極まりないでしゅね!この悪魔!」

「悪魔ではない。俺は魔国王だ。」

そんなアレクシアとデズモンドのやり取りを微笑ましく見ているリリスとマクロス、そして側近でもあるランゴンザレス(おい!)。

「ああ~この感じ懐かしいわね!」

「そうだね。父上にあそこまで言える者はアリアナだけだよね」

「フフ、あたしも嬉しいわ~!」

「そこ!微笑んでないで手伝いなしゃい!」

アレクシアに怒られるが、それも嬉しそうに受け入れて嬉々として荷物を詰める作業を手伝う双子とラン。それを椅子に座り堂々と見守っているデズモンドだが、アレクシアにとってはただのデズモンドなので周りが凍りつく言動を平気でとる。

「デズモンド、そこにある服を取って下しゃい!」

「これか?貧相な服だな。服はこちらで用意するから持っていくな」

デズモンドが指を鳴らすと服が浮かび上がるが、何を思ったかその服を消し去ってしまった。

「馬鹿ちんでしゅかーーー!」

アレクシアはデズモンドの元へよちよち歩いていくとその憎たらしい程長い脚をこれでもかと蹴る。その瞬間に凍りつく女官達。只でさえ魔国のしかも王がこの皇宮にいること事態があり得ないのに、さらに問題児として認識されている皇女の部屋で寛いでいるだけいる事に命の危機すら感じていた。

(人生終わった)

女官達がぶるぶる震えて命の終わりを確信した時、デズモンドはアレクシアを抱っこすると愛おしそうに抱きしめたのだ。

「離しなしゃい!お金をとりましゅよ!」

「いくらだ?良い値を払おう」

「ぐぬぬ!」

「おい、何をしている」

そこへ恐ろしい程の怒気を放ち現れたルシアードとゼスト、そしてその光景を見て頭を抱えるロインがいた。

睨み合うルシアード達とデズモンド。あまりの緊張感に倒れる女官も現れ、またまた命の危機に晒される女官達。

(今度こそ人生終わった)

「いい加減にしなしゃい!この大馬鹿ちん共がーー!そこに正座しなしゃいな!」

女官がお祈りを始めた時、アレクシアが史上最強の男達の間に入りお説教を始める。ルシアードとゼスト、そしてデズモンドはアレクシアの迫力(可愛さ)に負けて素直に正座する。

「女官しゃんが怖がってましゅよ!只でさえ強面なのに更に凶悪な顔してたら迷惑でしゅ!これ以上シアに迷惑かけるなら一人で行きましゅからね!」

「む。だが、アレクシアにベタベタしていた彼奴が悪いと思わないか?」

「そうだぞ!俺達はお前を心配して怒ってるんだ」

「一人でって魔国王の俺を置いて行くのか?……プッ」

「うるしゃーーい!この馬鹿ちんトリオめ!」

アレクシアの言葉に笑いが止まらない双子とラン。女官達も殺されまいと必死で笑いを堪えている。

「む。アレクシア、こいつと一緒にするな。アレクシアとこの先ずっと一緒にいるのは俺だ。俺は父親だからな。」

「おい、それを言うなら俺も父親だから一緒にいる権利はあるぞ!」

「ふん、だが恋人の俺は結婚出来て生涯を共に過ごせるんだ」

「シアは自立した幼女なのでおとこわりしましゅ!」

「おとこわりじゃなくてお断りですよ、皇女」

ロインが呆れながら訂正だけは忘れない。

「もう!シアはこんな馬鹿ちんトリオ知りましぇん!双子、ランしゃん行きましゅよ!」

シアは小さなリュックを背負うと双子と手を繋ぎよちよちと中庭に歩いていく、すると庭の花が枯れているの見て双子にすぐに直すように説教していたらルシアード達が後からやって来た。

怒っているアレクシアに対して最強トリオはどうするのか!




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