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小型化

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 ある日、突然恋人が小さくなった。
 手のひらサイズというか、ポケットサイズというか。

「不思議なこともあるもんだな」

 手のひらに乗せながら俺はじっと相手を見つめた。

「・・・早く元に戻りてぇ」

 目を逸らしながら彼は言う。よく出来たお人形さんみたいだ。

「まー、明日になったら戻ってるっしょ」

 俺は欠伸をしながら言った。
 もう夜中の2時だった。

「寝返りで潰したら嫌だから、お前はソファの上な」

 フワフワのハンカチを敷いたソファの上に彼を乗せ、俺は2度目の欠伸をした。

「あ、待って!」
「なんだよ…眠いのに…」
「・・・あ、のさ。トイレ、連れてってくれないかな」

 小さい彼は手を前で組みながら俯きがちに言う。

「ええー、面倒くさい…」
 俺は周りを見渡した。
「お、コレにしなよ!」
 近くにあった紙コップを渡す。

「出来るか!」
 彼は股を押さえながら言った。

「おやすみ~」
「待てって!おい!もう漏れそうなんだって!」

 悲鳴をあげる彼をわざと無視して、俺はわざと布団に潜り込んだ。
 寝たふりをして、そっと耳を澄ます。

「クソぉ……」

 紙コップを睨みながら股間を揉み押さえる。尿意は限界だった。
 そっとズボンと下着を膝まで下ろし、傾けた紙コップの中に性器の先を入れる。

「んっ」

 妙な羞恥心を感じながら、ショロショロと排尿する。濃い黄金色の液体が溜まっていく。
 量が増えるに連れて、ジョボジョボと鈍い音に変わる。
 小さくなってからずっと我慢していた分がとめどなく溢れ、2分近くそれは続いた。

「はぁ・・・」

 出し終わると、そっとこぼさないように紙コップを立てる。



「へぇ・・・けっこう出たな」

 俺は紙コップを軽く持ち上げ、チャプチャプと鳴らした。半分近く尿が入っている。相当、我慢させていたんだな。
 振り向いた彼は顔を真っ赤にして俺を見上げた。

「お前っ!起きてるなら・・・!!」
 
 いそいそと下着をあげる彼が睨む。小さくなった彼の、小さくなったモノも可愛らしい。

「良いもの見れたわー」

 俺は中身を捨てるために紙コップをトイレに向かった。
 覚えてろよ、と後ろから聞こえた気がする。
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