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第七章
十八話【逃走中】
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トトリ達はそのまま木の上で夜を明かし、早朝ギネアとブラギノールさんを連れ洞窟の入り口がある北を目指し飛び立つと言う。
トトリ達が感じた嫌な予感の事は、すっかり忘れている様であった。
以前会った鳥人よりは話が通じるが、惣一郎の不安は消えなかった。
まぁ、歩くよりは早く大陸に着くそうで、上手くいく事を祈る。
スワロの落としたレーテウルを持って、村に帰る惣一郎とベンゾウ。
すっかり夜は更けていた。
「随分と遅かったやないか」
寝静まる村でドラミが出迎える。
「ああ、色々と話し込んでな。奴らのアジトがわかったかも知れない。大陸に着き次第乗り込むぞ」
「バレん様にせんとな…… さぁ今晩も頼むで」
「もう遅いし今日はいいだろ?」
「あかん、もう少しなんや。ユグポンの為にも気張りや」
仕方ないと肩を落とし、例の小部屋へ行く惣一郎だった……
一方、大陸の暗い森の中では、大型の蟲に追いかけられ走るふたりの姿があった。
「ハァハァ貴様! 追手は任せろと言ってたではないか!」
「あんなでかい蟲とはハァハァ、思わんだろ、普通!」
走りながら杖を構え、光剣を撃ち込むスワロ。
光剣が明るく森を照らしながら飛ぶ!
だが光剣は小さく、巨大なダンゴムシの甲殻に棘を刺すだけだった。
「ハァハァ、いつもの馬鹿でかい剣はどうしたんだ!」
「うるさい! ハァハァ貴様のせいで力が出せんのだ!」
走るスワロとキッドを追い掛けるダンゴムシ。
足元が暗く思う様に走れない!
「そうだ! ハァハァ首輪を外せ。主人の元に帰れるんだった」
「ハァハァ、無駄だこの大陸では強制転移できん! それにもうその首輪の効果は切れてるぞ! つか自分だけ助かりゃいいのか女神の癖に!」
「いいから外せ!」
「じゃ止まれ!」
「追いつかれるだろ!」
迫るダンゴムシ!
キッドが視線の端に捉える岩陰。
「左だ!」
スワロも瞬時に理解し飛び込む!
大きな岩がいくつも転がる岩陰に、隠れやり過ごす前に炎槍を後方に放ち、ダンゴムシの視界を明るく塞ぐ!
立ち昇る青い火柱から、火を纏ったダンゴムシが、岩陰に隠れるふたりを飛び越え、一心不乱に突き進む。
離れて行く蟲の背後には一本の道が長く続いていた……
「助かった……」
溢れるキッドの言葉を皮切りに、忘れていた呼吸を思い出し肩を揺らすふたりだった。
トトリ達が感じた嫌な予感の事は、すっかり忘れている様であった。
以前会った鳥人よりは話が通じるが、惣一郎の不安は消えなかった。
まぁ、歩くよりは早く大陸に着くそうで、上手くいく事を祈る。
スワロの落としたレーテウルを持って、村に帰る惣一郎とベンゾウ。
すっかり夜は更けていた。
「随分と遅かったやないか」
寝静まる村でドラミが出迎える。
「ああ、色々と話し込んでな。奴らのアジトがわかったかも知れない。大陸に着き次第乗り込むぞ」
「バレん様にせんとな…… さぁ今晩も頼むで」
「もう遅いし今日はいいだろ?」
「あかん、もう少しなんや。ユグポンの為にも気張りや」
仕方ないと肩を落とし、例の小部屋へ行く惣一郎だった……
一方、大陸の暗い森の中では、大型の蟲に追いかけられ走るふたりの姿があった。
「ハァハァ貴様! 追手は任せろと言ってたではないか!」
「あんなでかい蟲とはハァハァ、思わんだろ、普通!」
走りながら杖を構え、光剣を撃ち込むスワロ。
光剣が明るく森を照らしながら飛ぶ!
だが光剣は小さく、巨大なダンゴムシの甲殻に棘を刺すだけだった。
「ハァハァ、いつもの馬鹿でかい剣はどうしたんだ!」
「うるさい! ハァハァ貴様のせいで力が出せんのだ!」
走るスワロとキッドを追い掛けるダンゴムシ。
足元が暗く思う様に走れない!
「そうだ! ハァハァ首輪を外せ。主人の元に帰れるんだった」
「ハァハァ、無駄だこの大陸では強制転移できん! それにもうその首輪の効果は切れてるぞ! つか自分だけ助かりゃいいのか女神の癖に!」
「いいから外せ!」
「じゃ止まれ!」
「追いつかれるだろ!」
迫るダンゴムシ!
キッドが視線の端に捉える岩陰。
「左だ!」
スワロも瞬時に理解し飛び込む!
大きな岩がいくつも転がる岩陰に、隠れやり過ごす前に炎槍を後方に放ち、ダンゴムシの視界を明るく塞ぐ!
立ち昇る青い火柱から、火を纏ったダンゴムシが、岩陰に隠れるふたりを飛び越え、一心不乱に突き進む。
離れて行く蟲の背後には一本の道が長く続いていた……
「助かった……」
溢れるキッドの言葉を皮切りに、忘れていた呼吸を思い出し肩を揺らすふたりだった。
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