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第七章

八話 【ベンゾウの本気?】

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食事を摂り少し休んでから、収納した宝箱をモモに確認してもらうと、全部大丈夫との事。

端から開けていく。

皮の手袋

青銅の盾

毒消の薬×3

マンドレイク

そして、呪解薬! コレはもしや?

取り敢えず、後で確認しよう。

マスクをして念の為に全員にキュアをかける。

クロも平気そうだ。

忌避剤スプレーを撒きながら、モモの案内で先を目指す。

凄い効き目でネズミは逃げ、近づいて来ない。

そのままボス部屋まで到着。

大きな扉を開けると、今度は…… いない?

「上!」

モモの声に、上を見上げると天井に張り付いた大きなカラフルなトカゲ? ヤモリに近い!

赤、青、緑と原色模様のヤモリは素早く動き、この距離で目で追うのがやっとだった。

惣一郎は苦無を出し周りに浮かせると、

「ベンゾウが倒す!」っと、閃光になる。

素早いヤモリを簡単に捉えて、斬りに行く!

柔らかい肌が、ベンゾウの斬撃を受け止めて傷も付かない!

コレには、ベンゾウ本人が一番驚いていた。

音もなく着地するとベンゾウは、柔らか過ぎて刃が引けない事に気付く。

一息整えると、ベンゾウの持つ2本の小刀に黒いオーラがメラメラと漂いだす。

オーラがベンゾウをも包むと、

「行くよ!」

っと誰に言ったのか、残像を残して消えた。

ゾクっとする惣一郎は、偶然に目でヤモリを捉えた。

ヤモリの背後から縦に黒い斬撃が線を作る。

惣一郎の前にフワリと着地したベンゾウに残像が重なると、上からバラバラになったカラフルな肉片が落ちてくる。

分厚いメガネの少女は、妖艶に息を吐く。

ふぅ~「ご主人様、斬れた!」

「う、うんそうだね……」

この子はどこまで強くなるのだろうか……

三階層のボスは、肉片となり消えて行く。

その場にいた全員が思い出した息を吸う。

現れた宝箱は、黄金の盾だった。

コレもダンジョン産だろう、オーラが違っていた……




階段を降りて次の四階層に行く前に、惣一郎はモモに先程手に入れた呪解薬を渡すと、複雑な表情で礼をいい飲み干す。

コレで巨人にならずに済むか、様子を見るしか無い。

結果が出るまで先に進み、バオ達の目的の六階層を目指す。

モモの寂しそうな顔を、クロだけが見ていた。


階段を降り、着いた四階層は、川の流れる洞窟だった。

水の音が反響し、会話も良く聞き取れなかった。

川沿いの砂利の道をモモの案内で先に進む。

このペースでここまで来たのは、惣一郎達が初めてだろう。

「なぁ、ダンジョンに入ってから他の冒険者に全然会わないんだが、普段からこんなに少ないのか?」

「えぇ? 惣一郎、今なんて言いました?」

「何? 聞こえない?」

バオは、聞こえないをジェスチャーで伝える。

「冒険者に、全然会わないのは、何故!」

大声で伝える惣一郎。

「像、全種が、現金で買えないのは、ガセ?」

「え?」

「冒険者に、全然会わないのは、何故!」

「バオの全裸に興味が無いのは、俺?」

何故か、バオが赤い顔で怒っている気がする、惣一郎だった……





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