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第八章
五話 【確保】
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林に入る惣一郎は、すぐに魔獣の気配を感じて先を急ぐ。
ベンゾウの耳が動き、先に行く様に指示する。
素早く姿を消すベンゾウを追って、惣一郎とクロも急ぐ。
追いつくと、ベンゾウは三匹目のグルピーを倒した所だった。
周りには怪我をした五人の男と、奥にカマナがロドだろう男の前で両手を広げ、守っている様だった。
「惣一郎さん…… どうしてここに!」
カマナが構える。
「助けに来た、こちらは?」
怪我をした五人を見渡す惣一郎。
一人は手遅れだろう深い傷だった。
ホッとするカマナは父の遣いと答え、ロドを心配し出す。
取り敢えず、怪我人にクリーンをかけて薬草で手当てを始める。
血の匂いで集まり出すオオカミやグルピーを、次々と軽く倒すベンゾウに、軽傷だった男達が目を見開いて固まっていた。
惣一郎はカマナに、
「ま、このまま逃げても何も変わらんし、一旦戻るぞ」
とロドに目をやり固まる。
追われながら怪我をしたのか、軽傷だが服が破れて、立派な胸が見えていた。
『あれれれ~ 何これ腫れてるだけ? って訳ないかアハハ~ 女だったの? いや顔が…… そういや良く覚えてない…… 今は腫れ上がってるし…… え、別人? ロドじゃない? やっべ~わっかんね~ パニクってますが何か?』
「はは~ん、試す気だな!」
何を?って顔のカマナが首を傾げる。
あらまし倒し終えたベンゾウが、男達に小刀を向けて、
「ご主人様~ こっちは?」
っと言ってきた。
震える男達は救いの目を惣一郎に向けるが、惣一郎は、
「今それどころじゃ無い!」
で終わらすと、ニヤっと笑うベンゾウを見て、怪我も忘れて逃げ出す四人。
惣一郎は近くにテントを出し、カマナとロドを休ませる。
ベンゾウにコールの魔法で、目を離さないように頼み、惣一郎は外でベンゾウが倒した魔獣を回収する。
深い傷を負った男は、すでに事切れていた。
仕方ないと男の遺体も回収して、テントに戻る。
惣一郎は『前の世界じゃもうすぐクリスマスかな~』っと現実から逃げていた。
戻ると、ロドが服を着替えていた。
胸にサラシを巻いて膨らみを隠すロド。
慌てて目を逸らす惣一郎にロドが、
「すいません、知られたくは無かったんですが……」
テーブルにお茶を出して、話を聞く事にする。
ロドは髪をかき上げ、粗く削られたツノの痕を見せて話始める。
ロドは魔族らしく、種族は[アプソーン]といい昼間は男性で陽が落ちると女性に変わるという。
以前、親子喧嘩から家出したカマナが、林でオオカミの魔獣に襲われていたのをロドが助けたのを切っ掛けに、その後時間をかけて交際に発展するも、領主の父は猛反対。
再度親子喧嘩勃発の末、得意の家出で現在に至るっと、長々と甘いメロドラマ風に話すふたりに、ベンゾウは寝ており、惣一郎の現実逃避は惑星でエイリアンと戦う件りまで進んでいた。
今思えば最初、良く喋るカマナは惣一郎を警戒して、口数が少なかっただけの様だった。
「それで、なんで刺したの?」
「だってアイツ、父の命令でいつも何かに付けて文句を言って来て、今回はロドをこんな顔にまでしたのよ! 絶対許せないわ」
冒険者に領主の遣い?
冒険者は、領主と対立してるんじゃ無いのか?
どんどん胡散臭くなって行く……
こりゃギルドに連れてっても、ハイ終わりじゃ済まないな……
惣一郎は頭の中で、エイリアンとの戦闘を再開する。
ベンゾウの耳が動き、先に行く様に指示する。
素早く姿を消すベンゾウを追って、惣一郎とクロも急ぐ。
追いつくと、ベンゾウは三匹目のグルピーを倒した所だった。
周りには怪我をした五人の男と、奥にカマナがロドだろう男の前で両手を広げ、守っている様だった。
「惣一郎さん…… どうしてここに!」
カマナが構える。
「助けに来た、こちらは?」
怪我をした五人を見渡す惣一郎。
一人は手遅れだろう深い傷だった。
ホッとするカマナは父の遣いと答え、ロドを心配し出す。
取り敢えず、怪我人にクリーンをかけて薬草で手当てを始める。
血の匂いで集まり出すオオカミやグルピーを、次々と軽く倒すベンゾウに、軽傷だった男達が目を見開いて固まっていた。
惣一郎はカマナに、
「ま、このまま逃げても何も変わらんし、一旦戻るぞ」
とロドに目をやり固まる。
追われながら怪我をしたのか、軽傷だが服が破れて、立派な胸が見えていた。
『あれれれ~ 何これ腫れてるだけ? って訳ないかアハハ~ 女だったの? いや顔が…… そういや良く覚えてない…… 今は腫れ上がってるし…… え、別人? ロドじゃない? やっべ~わっかんね~ パニクってますが何か?』
「はは~ん、試す気だな!」
何を?って顔のカマナが首を傾げる。
あらまし倒し終えたベンゾウが、男達に小刀を向けて、
「ご主人様~ こっちは?」
っと言ってきた。
震える男達は救いの目を惣一郎に向けるが、惣一郎は、
「今それどころじゃ無い!」
で終わらすと、ニヤっと笑うベンゾウを見て、怪我も忘れて逃げ出す四人。
惣一郎は近くにテントを出し、カマナとロドを休ませる。
ベンゾウにコールの魔法で、目を離さないように頼み、惣一郎は外でベンゾウが倒した魔獣を回収する。
深い傷を負った男は、すでに事切れていた。
仕方ないと男の遺体も回収して、テントに戻る。
惣一郎は『前の世界じゃもうすぐクリスマスかな~』っと現実から逃げていた。
戻ると、ロドが服を着替えていた。
胸にサラシを巻いて膨らみを隠すロド。
慌てて目を逸らす惣一郎にロドが、
「すいません、知られたくは無かったんですが……」
テーブルにお茶を出して、話を聞く事にする。
ロドは髪をかき上げ、粗く削られたツノの痕を見せて話始める。
ロドは魔族らしく、種族は[アプソーン]といい昼間は男性で陽が落ちると女性に変わるという。
以前、親子喧嘩から家出したカマナが、林でオオカミの魔獣に襲われていたのをロドが助けたのを切っ掛けに、その後時間をかけて交際に発展するも、領主の父は猛反対。
再度親子喧嘩勃発の末、得意の家出で現在に至るっと、長々と甘いメロドラマ風に話すふたりに、ベンゾウは寝ており、惣一郎の現実逃避は惑星でエイリアンと戦う件りまで進んでいた。
今思えば最初、良く喋るカマナは惣一郎を警戒して、口数が少なかっただけの様だった。
「それで、なんで刺したの?」
「だってアイツ、父の命令でいつも何かに付けて文句を言って来て、今回はロドをこんな顔にまでしたのよ! 絶対許せないわ」
冒険者に領主の遣い?
冒険者は、領主と対立してるんじゃ無いのか?
どんどん胡散臭くなって行く……
こりゃギルドに連れてっても、ハイ終わりじゃ済まないな……
惣一郎は頭の中で、エイリアンとの戦闘を再開する。
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