異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

文字の大きさ
138 / 409
第八章

六話 【巻き込まれ体質】

しおりを挟む
今思えばギルドで、領主と関わるなと情報をくれた冒険者も怪しく思える。

もう面倒臭いから、先に領主の方に遺体を届けた方がいいか!っと惣一郎は思った。



翌朝、朝食をみんなで摂り終えると惣一郎はカマナに、父親と話し合う気はあるか尋ねる。

説得する気も無いならこの町に、居続ける意味も無いだろう。

何処か遠くでふたりで生きて行くか、父親を説得して認めてもらうかの二択を迫る。

いや別れるっていう選択もあるか!

いやいや、領主を亡き者にしギルドを……

「話し合ってみます! もう一度!」

「それは一番、面倒く… 危険な茨の道だぞ!」

「「 はい! 」」

…………

惣一郎は、領主の家へ向かう事にする……





領主の家は町から離れた場所にある。

北に半日行った所に農園があり、その中に大きな屋敷が建っており、そこに領主が居るとの事。

クロの荷車に乗り、半日とかからず農園に着く。

荷車に乗り慣れないふたりは着いて早々、胃袋を空にする。

ワン!(道が悪いだけだぞ)

端が見えない大きな農園を、石を組み上げた壁がぐるっと囲っている。

カマナに気付く門番が慌てて「お嬢様!」っと門を開ける。

ブドウなのだろうか? まだ実をつけて無い背丈程の木が奥まで続いている。

しばらく進むと農夫達の家が並び、奥に柵で囲まれたお屋敷が現れる。

手入れの行き届いた庭に入ると、大きな玄関が開き、

「カマナお嬢様! やっとお戻りに!」

っと、白髪の執事が慌てて、他のメイドに主人に伝える様、指示を飛ばす。

遅れて現れた、領主だろう太った男が、

「おぉ~ カマナ! 良く顔を見せておくれ!」

と近づき、歩みを止める。

「なぜ、魔族がここに! カマナ、まだ騙されているのかい?」

「お父様、いい加減にして! ロドはいい人よ! お願いだから話を聞いて!」

そこからしばらく行き違う、親子の会話が続く。

ベンゾウは飽き、庭でクロと遊び初め、惣一郎は執事の男と農園の話に夢中になっていた。

「そんな男か女か分からん奴に、お前を守る事などできん! できると言うならこの[ファミマ]を倒して見せろ! そしたら話を聞いてやる!」

奥からコンビニの様な男が…… いや、コンビニの名前の様な男が現れる。

領主の護衛だろうファミマは、着物の様な前合わせの服に、腰に巻かれた上着に2本の剣が下げられ、侍の様な風体であった。

「ファミマ! そこの魔族を殺してしまえ!」

細い目の片方を見開き、長い髪をかき上げて縛り出す。

「やめてお父様! この国にファミマに敵う者がいる訳ないでしょ!」

「頑張れ~ ロド~」

執事と話していた惣一郎が無責任に応援する。

「ちょっと惣一郎さん! お願いよ止めて!」

「え? 止めるの? 障害を乗り越えて掴み取るんじゃ無いの?」

「そうよ! この惣一郎さんが相手だわ!」

「はい?」

「アッハハハ! 誰だろうと一緒よ! ファミマに敵う者などおらんわ!」

「いやちょっと、何で俺が……」

「ハッハハ! もう臆したか!」

「はい?」

「俺が倒しても、ふたりの関係を認めてくれるのか?」

「あぁ? 話を聞くと言ったのだ!」

「あれ負けると?」

「いや、ファミマが負ける訳…… 良かろう! お前の様な者に、この剣神と言われたファミマが負ける訳が無いわ! 万が一でも勝てれば認めてやろう! あはははっは~」

惣一郎は呪羅流民を握り、鉄球を4つ地面に投げ置く。

「やってしまえ! その男も魔族のガキも!」

ロドもカマナも執事も、そして領主も息を呑み対決に目を見張る!

ベンゾウはまだクロと遊んでいた。

剣を抜き、両手に構える剣神が静かに間合いを詰める。

鉄球が浮かび回り、惣一郎は盾を出さずに杖だけを前に構え深く集中する。

次の瞬間! 間合いを一気に低い姿勢で、剣を振り詰め寄る剣神は、左上から顎に鉄球を喰らい、振り切った剣先は鉄球が折っていた。

ふらつきながら、半歩下がり耐えている剣神は飛んで来る鉄球を残った剣で叩き落とそうとするが、こちらも剣を折られ、腹へと鉄球をめり込ませる。

そこからは、倒れる事も出来ずボコボコに鉄球の餌食となり、剣神が折れた剣を手放すと鉄球も動きを止める。

誰もが言葉を失い、ただ見ていた。

ベンゾウ以外は……

「剣神って、随分と大袈裟な名前だな~ そこの銀髪の子の方が、よっぽどその名に相応しいけどな~」

傷一つ、いや一歩も動かなかった惣一郎が、皮肉を飛ばすが、誰の耳にも届いていないだろう。

いや、ベンゾウが嬉しそうに惣一郎を見ていた。





しおりを挟む
感想 67

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

処理中です...