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おまけの話
バー[隼]旧友
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フフフと彼が笑う。小さくかわいい、とつぶやく。まわりに聞こえはしなかったが、口元の動きでわかったよ。
やめてくれよ。もう、いい歳のおっさんをいじめてくれるなよ、恥ずかしいだろう?
「……仕方ないだろ?これは毒味だよ。普段は口をつけないんだからさ。」
戦時に王族のほとんどが暗殺された。その手口の一つ……毒。当時から、現在も、安全を確認したもの以外は口にできない。という話を聞いたことがある。
「ああ!そうか、自由に食えないんだ。マークは大変だなぁ。」
「!」
側付きがこちらを睨む。ごめん。油断した。失言でした。
「申し訳ありません。失礼しました。」
「いい、彼は友人だ。ここはアスターネスではない。」
マークが側付きの若者に向かって言う。
「レイ、気にするな、今は旧友として…」
「……あ、もしかして、マックの件も…関係…しています?」
「彼の両親に連絡しただろ?おかげで、君の居場所を知ることができた。」
「ああ、本当に、申し訳ありません。彼を…守れなかった。」
「いや、彼を助けてくれた。」
「……いえ……ご存知ないかと。ご両親にも気の毒で本当のことは言えませんでした。」
「聞いているよ。すべて。」
俺は耐えられなくなって両手で顔を覆った。
「彼は《ラ》の名を持つ。人を惹き付ける。良くも悪くも…」
マックの笑顔を思い出す。出会った頃の…若い…マークの顔が……重なった。本当によく似ている……
「それでは……」
「…しゃべりすぎた。この話は終わりだ。」
そうか、口にしてはいけないのか。
「では、少しだけ、昔の思い出話をしましょうか。」
「そうだな。」
「イッサはどうしています?」
「元気だよ。騎士団から離れて、雑貨屋をやってる。」
「あの事件はこちらでも、大きく報道されましたから。心配していました。元気にしてますか。今度会いにいきますよ。」
「そうしてやってくれ。」
「辛いですね。」
「自分より先に子どもが逝くのはキツいな。」
「……」
無差別テロか、輿入れの姫を狙ったのか、はたまた第二王子の暗殺か。世間は面白可笑しく騒ぎ立てた。遠く離れたこの星では、ニュースのキャスターと、コメンテーターがあれこれ、探偵の推理ショーのように伝えていた。
だが、俺はその映像が流れるたび、胸を締め付けられた。友人に連絡して、知り合いに犠牲者はいないか、調べてもらった。その中でイッサの名を見つけたのだ。怪我で騎士団の一線から退いたことも知った。そのあとの事はわからなかったが、今は雑貨屋か……
……酒でも土産に持って、会いに行こう……
…………………………………………………………
-告白-に出てくる事件に
マークの息子は巻き込まれました
イッサは騎士団長として随行していました
-告白-の方の話が進んでマックの名が出るのを待って…レイのその後の話でした
マックの本名も長いのです
でも、マックはまだ知らない…………
やめてくれよ。もう、いい歳のおっさんをいじめてくれるなよ、恥ずかしいだろう?
「……仕方ないだろ?これは毒味だよ。普段は口をつけないんだからさ。」
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「!」
側付きがこちらを睨む。ごめん。油断した。失言でした。
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「いい、彼は友人だ。ここはアスターネスではない。」
マークが側付きの若者に向かって言う。
「レイ、気にするな、今は旧友として…」
「……あ、もしかして、マックの件も…関係…しています?」
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「ああ、本当に、申し訳ありません。彼を…守れなかった。」
「いや、彼を助けてくれた。」
「……いえ……ご存知ないかと。ご両親にも気の毒で本当のことは言えませんでした。」
「聞いているよ。すべて。」
俺は耐えられなくなって両手で顔を覆った。
「彼は《ラ》の名を持つ。人を惹き付ける。良くも悪くも…」
マックの笑顔を思い出す。出会った頃の…若い…マークの顔が……重なった。本当によく似ている……
「それでは……」
「…しゃべりすぎた。この話は終わりだ。」
そうか、口にしてはいけないのか。
「では、少しだけ、昔の思い出話をしましょうか。」
「そうだな。」
「イッサはどうしています?」
「元気だよ。騎士団から離れて、雑貨屋をやってる。」
「あの事件はこちらでも、大きく報道されましたから。心配していました。元気にしてますか。今度会いにいきますよ。」
「そうしてやってくれ。」
「辛いですね。」
「自分より先に子どもが逝くのはキツいな。」
「……」
無差別テロか、輿入れの姫を狙ったのか、はたまた第二王子の暗殺か。世間は面白可笑しく騒ぎ立てた。遠く離れたこの星では、ニュースのキャスターと、コメンテーターがあれこれ、探偵の推理ショーのように伝えていた。
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……酒でも土産に持って、会いに行こう……
…………………………………………………………
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