再会ー男と親友の写真の話ー

キュー

文字の大きさ
76 / 79
おまけの話

バー[隼]旧友

しおりを挟む
  フフフと彼が笑う。小さくかわいい、とつぶやく。まわりに聞こえはしなかったが、口元の動きでわかったよ。
  やめてくれよ。もう、いい歳のおっさんをいじめてくれるなよ、恥ずかしいだろう?
「……仕方ないだろ?これは毒味だよ。普段は口をつけないんだからさ。」
  戦時に王族のほとんどが暗殺された。その手口の一つ……毒。当時から、現在も、安全を確認したもの以外は口にできない。という話を聞いたことがある。
「ああ!そうか、自由に食えないんだ。マークは大変だなぁ。」
「!」
側付きがこちらを睨む。ごめん。油断した。失言でした。
「申し訳ありません。失礼しました。」
「いい、彼は友人だ。ここはアスターネスではない。」
マークが側付きの若者に向かって言う。
「レイ、気にするな、今は旧友として…」
「……あ、もしかして、マックの件も…関係…しています?」
「彼の両親に連絡しただろ?おかげで、君の居場所を知ることができた。」
「ああ、本当に、申し訳ありません。彼を…守れなかった。」
「いや、彼を助けてくれた。」
「……いえ……ご存知ないかと。ご両親にも気の毒で本当のことは言えませんでした。」
「聞いているよ。すべて。」
俺は耐えられなくなって両手で顔を覆った。
「彼は《輝き》の名を持つ。人を惹き付ける。良くも悪くも…」
マックの笑顔を思い出す。出会った頃の…若い…マークの顔が……重なった。本当によく似ている……
「それでは……」
「…しゃべりすぎた。この話は終わりだ。」
そうか、口にしてはいけないのか。
「では、少しだけ、昔の思い出話をしましょうか。」
「そうだな。」
「イッサはどうしています?」
「元気だよ。騎士団から離れて、雑貨屋をやってる。」
「あの事件はこちらでも、大きく報道されましたから。心配していました。元気にしてますか。今度会いにいきますよ。」
「そうしてやってくれ。」
「辛いですね。」
「自分より先に子どもが逝くのはキツいな。」
「……」

  無差別テロか、輿入れの姫を狙ったのか、はたまた第二王子の暗殺か。世間は面白可笑しく騒ぎ立てた。遠く離れたこの星では、ニュースのキャスターと、コメンテーターがあれこれ、探偵の推理ショーのように伝えていた。
  だが、俺はその映像が流れるたび、胸を締め付けられた。友人に連絡して、知り合いに犠牲者はいないか、調べてもらった。その中でイッサの名を見つけたのだ。怪我で騎士団の一線から退いたことも知った。そのあとの事はわからなかったが、今は雑貨屋か……

……酒でも土産に持って、会いに行こう……
  







…………………………………………………………


-告白-に出てくる事件に
マークの息子は巻き込まれました
イッサは騎士団長として随行していました

-告白-の方の話が進んでマックの名が出るのを待って…レイのその後の話でした

マックの本名も長いのです
でも、マックはまだ知らない…………

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

処理中です...