再会ー男と親友の写真の話ー

キュー

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おまけの話

バー[隼] 来客

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「いらっしゃいませ。」
いつものように店を開ける。マックが来る前に戻っただけだ。
「レイ。お願い。」
「はい。こんばんは。いらっしゃいませ。」
男の二人連れがカウンター席に座る。
「何をお作りしましょうか?」
「じゃあ、おすすめを。こちらにも。」
「はい。お待ち下さい。」
二十歳くらいの男が注文した。隣は親子くらい年の離れた、帽子を被った男。顔は隠れて見えない。
「お客さんは、お仕事でこちらに?」
「まあ、そんなとこですわ。」
ニコニコと笑う青年。ということは隣は上司か?
「どちらから?」
「アスターネス」
帽子の男が答えた。
………え?
「君もだね。」
………その声。
………ああ、その肌の色。
  彼は深く被った帽子をゆっくり持ち上げる。
………その髪。その瞳。
「お久しぶりです。」
頭を下げた。
「何年ぶりかな。」
「さあ。」
「かわりないな。」
「ずいぶん年を取りました。」
「お互いな。」
「こちらには、公務か何かで?」
「ふ。わからんか?」
「!?」
「お前も音信不通だったじゃないか。あの時、待ってたのに。来ないから。がっかりしたんだぞ?」
「すみません。俺は…そんなに心が強くないんです。」
「…近くに…いてほしかったが。」
「無理です。耐えられなかった。だから、国を出ました。」
「今は、幸せなのかい?」
「ええ。彼が。」
顔をあげて、エンジュをちらりと見た。
ニコニコと接客中のエンジュ。
「大切な人です。」
「そうか。」
彼は手元のグラスを少し触り、俺に差し出した。
「すまない。一口飲んでくれ。」
「?」
「私が。」
隣の青年が口を開く。
「いや、レイ。頼む。」
よくわからなかったが、飲めと言うなら、飲むよ。
「レイありがとう。」
グラスを受け取ると、彼は俺が飲んだところに口をつけた。わざとだ。
「なに…間接キス…してんだよ。」
言葉にしてから、後悔した。いい歳したおっさんが、間接キスを気にするなんて気持ち悪いよな。間接キスなんて言葉を口に出すのも、恥ずかしいよな。自分が言った言葉に照れて顔が赤くなる。







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