仕事やめても……いいですか……?

キュー

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黒の章

黒の子 17

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「クロード、君は遠話が出来るね?」
シルバーアールの言葉に、咄嗟に返事が出来なかったが、フォムボトルの事を思い出し、目の前の上司なら知っていて当然だよなと、隠す必要はないことに気付き頷いた。
『ここは、能力者のための施設だよ。』
「あ……あなたも……」
頭の中に響く声。時々遠くの会話を拾うが、何処の誰かは分からなかったし、どうやったら返事が出来るかやろうとしてもできなかったのだ。
「フォムボトルからの報告で、治癒も使えると聞いている。間違いないか?」
「はい。でも、どちらも、うまくつかえませんから。治癒も治せるのはかすり傷程度です。あまり役に立ちませんけど。」
「最初から上手く使えないよ。」
シルバーアールは人差し指を立てる。その手をゆっくり揺らしながら、笑った。
「第七部隊は能力者の部隊なんだ。普段は訓練と地方を回って、君のような優秀な能力者を確認後スカウトしている。」
「確認ですか?」
「うん、君の村にもいなかったかな?貸本屋さんとか、骨董商人とか、仕入れで王都と往き来して、そのたび長く閉める店。」
「あ!トンの貸本屋!」
「そういう店舗があちこちにあってね、情報を収集している者がいる。君の事も……痛いの飛んでけ~っだっけ?」
くすくすと笑いながら言う。それを聞いたクロードは顔を真っ赤にして、あれは、もっと小さい頃で…とぶつぶつ呟いた。
「まあ、それを確認しにフォムボトルが行ったら、君の治癒能力の他にも遠話能力がある事を知ったと言う訳だ。シーブイレイルも面白いことを言っていたよ。森の魔女とか…」
クロードが息を飲み、なぜそれを知っている?と眉を寄せた。
「まあ、彼女の事は後で聞こう。説明を続けるぞ。君は休みを利用してここでアルバイトをするんだ。」
「はあ。」
「まあ、バイトというのは表向きで、ここで訓練に参加して能力を自由に使えるようになれ。第七部隊、第三班所属。クロード、君は特別に準騎士扱いだ。よろしくな。給金もここで訓練中の時間に応じて支払われる。まだ小学年での準騎士は初だよ。だが、外では口外しないように。」
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