28 / 79
第二章 村のために、いろいろ頑張る!
28. <武闘大会3> 決勝大会、開始!
しおりを挟む
決勝大会に勝ち残ったのは、俺も含めて八名。
ここからはトーナメント方式となり、優勝するには三回勝たなければならない。
副団長のベルナードさんや魔剣士さんとは別グループとなり決勝戦までは当たらないが、Sランク冒険者の彼とは、お互いが勝ち進めば準決勝で対戦することになる。
◇
建国祭の催しの中でも、一番の人気を誇るという武闘大会。
ヨーロッパの某国にあるような円形闘技場には大勢の観客が詰めかけ、ものすごい熱気に包まれている。
フードで顔を隠しているからあまり見えないけど、こんな衆目の中で試合をするのはめちゃくちゃ緊張するな。
俺の一回戦の相手は、ザ・脳筋キャラと言うべき、あのベルナードさんよりもさらに筋肉ムキムキのお兄さんだった。
⦅ふむ。典型的な『雑魚キャラ』じゃのう⦆
でも、予選を勝ち抜いているから、それなりに実力がある人なんだろうな。
⦅体力と防御力が70近くあるようじゃが、レベル・魔力・攻撃力は45前後で、属性とスキルはなし⦆
つまり、Aランク相当の冒険者ってことね。
でも、油断をせずに落ち着いていこう。
「おい、じいさん! すぐに試合を終わらせてやるからな!!」
試合が始まっていきなり声をかけられたけど、筋肉さんは何をするつもり?
「どりゃあ!!」
掛け声とともに、筋肉さんがものすごい勢いでこっちに駆けてくる。
早い!?
⦅コレ! ボーっとするでない!!⦆
マホーが俺の代わりに強風をぶっ放し、なんとか難を逃れることができたけど、ふう……危なかった。
攻撃を受けた筋肉さんがそのまま場外へ落ちてくれればよかったけど、そう簡単にはいかないよな。
彼は体の前で太い腕をクロスさせ、場内に踏みとどまった。
「よし、耐えきった! これで、俺の勝ちだな!!」
⦅なるほど。あやつは、おぬしが魔法を行使するのに時間がかかると思っておるようじゃ⦆
そうか……さっそく引っかかってくれたな。
被っているフードの下で、ついニンマリしてしまう。
わざわざ周りに見えるように、聞こえるように、ブツブツと呟いていたのは、勘違いをさせるため。
姑息な作戦だけど、勝つためには手段を選んではいられないからね。
「行くぞ、どりゃあ!!」
再び勢いよく駆けてきたけど、この『猪突猛進』型の人にはそのまま猪になってもらおう。
今度は、慌てずに進行方向を避けながら魔法を行使する。
そして……筋肉さんは速度を落とすことなく、俺の横をすり抜けて自ら場外へ落ちていった。
⦅風魔法であやつの後ろに風を起こし、さらに加速させたのじゃな?⦆
正解!
実際には猪は急停止ができるらしいけど、あれだけ加速していたら急には止まれないよな。
それに、周囲からは筋肉さんが自爆したようにしか見えないから、俺が無詠唱なことはまだバレていない。
まずは一回戦を無事に突破でき、ホッと胸をなでおろす。
試合を終え出入口に向かっていた俺は、銀髪の若者とすれ違った。
たしかこの人が、Sランク冒険者のルカさんだっけ?
「無詠唱か……アンタ、やっぱり強敵だな」
(!?)
すれ違いざまに言われたけど、あっさりバレてた!
⦅ホッホッホ、やはり強者には通用せぬのう⦆
まあ、ベルナードさんにも見破られていたし、当然か。
⦅次の対戦相手は、おそらくあやつじゃ。ここで、試合を見ておくかの⦆
そうだな。
相手の手の内がわかれば、対策も取りやすいし。
◇
Sランクさんの相手は、同じく冒険者のようだ。
まずは、お互い様子見の剣での打ち合いだけど……早いな。
⦅魔法で土か氷の壁を次々と作り出し防御せねば、あっという間に『ノックアウト』じゃぞ⦆
一応、戦利品の盾を使った防御の練習もしてみたけど、魔法のほうが対応できるもんな。
あまり手の内は見せたくないから、氷魔法は温存して土魔法だな。
⦅あやつは魔法耐性を持っておるが、強めの魔法をぶつければ問題ないわい⦆
でも、いま対戦相手の冒険者が投げた火球は、全く効いていないぞ?
⦅あの程度の威力では、スキルで相殺されるに決まっておる⦆
俺の魔法攻撃は、本当にSランクさんに通用するんだろうな?
⦅おぬしは、曲がりなりにも召喚勇者じゃぞ? 『主人公補正』もあるじゃろうから、安心せい!⦆
『主人公補正』って……(苦笑)
マホー、一つ言っておくが、召喚勇者が主人公とは限らないんだぞ。
モブのポンコツ勇者だったら、どうするんだよ?
⦅その時は、その時じゃ!⦆
俺たちが脳内で言い合いしている間も、剣で打ち合ったり魔法攻撃をしたりと、二人の試合は続いている。
しかし、Sランクさんとここまで対等に渡り合っていた冒険者の動きが、突然鈍くなった。
体力の違いなのか?
⦅いや、違うぞ。あやつ、なにか魔法を発動しおったのう⦆
冒険者の表情が、徐々に険しくなる。
頭を抱え、その内立っていられなくなってきた。
「うん? 一体何をしたんだ?」
⦅儂にもよくわからんが、考えられるとすれば『音操作』しかないのう⦆
近くにいる俺たちには、何も聞こえなかったぞ?
⦅ふむ……⦆
結局、試合は冒険者がそのまま棄権し、俺の相手はSランクさんに決まった。
『音操作』がどういうものかわからなかったが、マホーいわく、最初から使用しなかったのは、発動に時間がかかるからではないか?とのこと。
では、対抗策としては、発動させる前に決着をつけるってことだな。
⦅そういうことじゃ⦆
別グループでは、やはりベルナードさんと魔剣士さんが勝ち進んでいて、準決勝の試合が始まった。
◇
こちらは騎士同士ということもあり、打ち合いがさらに凄まじいことになっている。
お互いが相手の急所ギリギリを狙い、鋭い斬撃を繰り出している……らしい。
俺には早すぎて、ほとんど見えていないんだよね。
もし急所に当たれば、相手は即死で自分は即失格なのにお構いなしだ。
二人とも剣の他に盾を構えていて、魔法での防御は考えていないみたい。
⦅相手の体力を消耗させつつ、魔力の温存じゃな⦆
レベル・魔力・魔法攻撃は、魔剣士さんが上。
体力・防御力は、ベルナードさんが上回っている。
物理攻撃は、互角か……
長期戦になると体力が勝っているベルナードさんが有利だよな…と思ったら、魔剣士さんが盾ごとベルナードさんへ体当たりし、隙を作った。
剣を振り上げ詠唱すると、颯爽と現れたのは黒いオオカミのような魔獣。
スモールウルフより一回り大きいこれが、ビッグウルフなのだろう。
「なるほど、あんな感じで召喚獣を呼び出すとカッコ良いんだな」
⦅おぬしは、剣など持たぬじゃろう?⦆
だから、杖で……
⦅年寄りが急に背筋を伸ばしてあんなことをやれば、変装がすぐにバレると思うがのう……⦆
……ソウダネ。
やってみたいなと、ちょっと思っただけだよ。
⦅ほれ、召喚獣が相手をしている間に、あやつはまた何か発動させるようじゃぞ?⦆
ベルナードさんは火球を投げ阻止しようとしたが、間に合わない。
キラリと一瞬光が見え、次の瞬間ベルナードさんが崩れ落ちた。
もしかして、これが……
⦅……雷操作じゃな。さすがに威力は弱めてあるから、気絶しておるだけじゃ⦆
何これ……ガチでやばいやつじゃん。
あんなのを受けたら、俺だったら死にますけど?
⦅対策は練っておるのじゃから、大丈夫じゃ。それより、まずは決勝戦へ進めるように頑張るのじゃぞ⦆
そうだな。
まずは、次の試合に勝たなければ。
ここからはトーナメント方式となり、優勝するには三回勝たなければならない。
副団長のベルナードさんや魔剣士さんとは別グループとなり決勝戦までは当たらないが、Sランク冒険者の彼とは、お互いが勝ち進めば準決勝で対戦することになる。
◇
建国祭の催しの中でも、一番の人気を誇るという武闘大会。
ヨーロッパの某国にあるような円形闘技場には大勢の観客が詰めかけ、ものすごい熱気に包まれている。
フードで顔を隠しているからあまり見えないけど、こんな衆目の中で試合をするのはめちゃくちゃ緊張するな。
俺の一回戦の相手は、ザ・脳筋キャラと言うべき、あのベルナードさんよりもさらに筋肉ムキムキのお兄さんだった。
⦅ふむ。典型的な『雑魚キャラ』じゃのう⦆
でも、予選を勝ち抜いているから、それなりに実力がある人なんだろうな。
⦅体力と防御力が70近くあるようじゃが、レベル・魔力・攻撃力は45前後で、属性とスキルはなし⦆
つまり、Aランク相当の冒険者ってことね。
でも、油断をせずに落ち着いていこう。
「おい、じいさん! すぐに試合を終わらせてやるからな!!」
試合が始まっていきなり声をかけられたけど、筋肉さんは何をするつもり?
「どりゃあ!!」
掛け声とともに、筋肉さんがものすごい勢いでこっちに駆けてくる。
早い!?
⦅コレ! ボーっとするでない!!⦆
マホーが俺の代わりに強風をぶっ放し、なんとか難を逃れることができたけど、ふう……危なかった。
攻撃を受けた筋肉さんがそのまま場外へ落ちてくれればよかったけど、そう簡単にはいかないよな。
彼は体の前で太い腕をクロスさせ、場内に踏みとどまった。
「よし、耐えきった! これで、俺の勝ちだな!!」
⦅なるほど。あやつは、おぬしが魔法を行使するのに時間がかかると思っておるようじゃ⦆
そうか……さっそく引っかかってくれたな。
被っているフードの下で、ついニンマリしてしまう。
わざわざ周りに見えるように、聞こえるように、ブツブツと呟いていたのは、勘違いをさせるため。
姑息な作戦だけど、勝つためには手段を選んではいられないからね。
「行くぞ、どりゃあ!!」
再び勢いよく駆けてきたけど、この『猪突猛進』型の人にはそのまま猪になってもらおう。
今度は、慌てずに進行方向を避けながら魔法を行使する。
そして……筋肉さんは速度を落とすことなく、俺の横をすり抜けて自ら場外へ落ちていった。
⦅風魔法であやつの後ろに風を起こし、さらに加速させたのじゃな?⦆
正解!
実際には猪は急停止ができるらしいけど、あれだけ加速していたら急には止まれないよな。
それに、周囲からは筋肉さんが自爆したようにしか見えないから、俺が無詠唱なことはまだバレていない。
まずは一回戦を無事に突破でき、ホッと胸をなでおろす。
試合を終え出入口に向かっていた俺は、銀髪の若者とすれ違った。
たしかこの人が、Sランク冒険者のルカさんだっけ?
「無詠唱か……アンタ、やっぱり強敵だな」
(!?)
すれ違いざまに言われたけど、あっさりバレてた!
⦅ホッホッホ、やはり強者には通用せぬのう⦆
まあ、ベルナードさんにも見破られていたし、当然か。
⦅次の対戦相手は、おそらくあやつじゃ。ここで、試合を見ておくかの⦆
そうだな。
相手の手の内がわかれば、対策も取りやすいし。
◇
Sランクさんの相手は、同じく冒険者のようだ。
まずは、お互い様子見の剣での打ち合いだけど……早いな。
⦅魔法で土か氷の壁を次々と作り出し防御せねば、あっという間に『ノックアウト』じゃぞ⦆
一応、戦利品の盾を使った防御の練習もしてみたけど、魔法のほうが対応できるもんな。
あまり手の内は見せたくないから、氷魔法は温存して土魔法だな。
⦅あやつは魔法耐性を持っておるが、強めの魔法をぶつければ問題ないわい⦆
でも、いま対戦相手の冒険者が投げた火球は、全く効いていないぞ?
⦅あの程度の威力では、スキルで相殺されるに決まっておる⦆
俺の魔法攻撃は、本当にSランクさんに通用するんだろうな?
⦅おぬしは、曲がりなりにも召喚勇者じゃぞ? 『主人公補正』もあるじゃろうから、安心せい!⦆
『主人公補正』って……(苦笑)
マホー、一つ言っておくが、召喚勇者が主人公とは限らないんだぞ。
モブのポンコツ勇者だったら、どうするんだよ?
⦅その時は、その時じゃ!⦆
俺たちが脳内で言い合いしている間も、剣で打ち合ったり魔法攻撃をしたりと、二人の試合は続いている。
しかし、Sランクさんとここまで対等に渡り合っていた冒険者の動きが、突然鈍くなった。
体力の違いなのか?
⦅いや、違うぞ。あやつ、なにか魔法を発動しおったのう⦆
冒険者の表情が、徐々に険しくなる。
頭を抱え、その内立っていられなくなってきた。
「うん? 一体何をしたんだ?」
⦅儂にもよくわからんが、考えられるとすれば『音操作』しかないのう⦆
近くにいる俺たちには、何も聞こえなかったぞ?
⦅ふむ……⦆
結局、試合は冒険者がそのまま棄権し、俺の相手はSランクさんに決まった。
『音操作』がどういうものかわからなかったが、マホーいわく、最初から使用しなかったのは、発動に時間がかかるからではないか?とのこと。
では、対抗策としては、発動させる前に決着をつけるってことだな。
⦅そういうことじゃ⦆
別グループでは、やはりベルナードさんと魔剣士さんが勝ち進んでいて、準決勝の試合が始まった。
◇
こちらは騎士同士ということもあり、打ち合いがさらに凄まじいことになっている。
お互いが相手の急所ギリギリを狙い、鋭い斬撃を繰り出している……らしい。
俺には早すぎて、ほとんど見えていないんだよね。
もし急所に当たれば、相手は即死で自分は即失格なのにお構いなしだ。
二人とも剣の他に盾を構えていて、魔法での防御は考えていないみたい。
⦅相手の体力を消耗させつつ、魔力の温存じゃな⦆
レベル・魔力・魔法攻撃は、魔剣士さんが上。
体力・防御力は、ベルナードさんが上回っている。
物理攻撃は、互角か……
長期戦になると体力が勝っているベルナードさんが有利だよな…と思ったら、魔剣士さんが盾ごとベルナードさんへ体当たりし、隙を作った。
剣を振り上げ詠唱すると、颯爽と現れたのは黒いオオカミのような魔獣。
スモールウルフより一回り大きいこれが、ビッグウルフなのだろう。
「なるほど、あんな感じで召喚獣を呼び出すとカッコ良いんだな」
⦅おぬしは、剣など持たぬじゃろう?⦆
だから、杖で……
⦅年寄りが急に背筋を伸ばしてあんなことをやれば、変装がすぐにバレると思うがのう……⦆
……ソウダネ。
やってみたいなと、ちょっと思っただけだよ。
⦅ほれ、召喚獣が相手をしている間に、あやつはまた何か発動させるようじゃぞ?⦆
ベルナードさんは火球を投げ阻止しようとしたが、間に合わない。
キラリと一瞬光が見え、次の瞬間ベルナードさんが崩れ落ちた。
もしかして、これが……
⦅……雷操作じゃな。さすがに威力は弱めてあるから、気絶しておるだけじゃ⦆
何これ……ガチでやばいやつじゃん。
あんなのを受けたら、俺だったら死にますけど?
⦅対策は練っておるのじゃから、大丈夫じゃ。それより、まずは決勝戦へ進めるように頑張るのじゃぞ⦆
そうだな。
まずは、次の試合に勝たなければ。
5
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
駆け落ち男女の気ままな異世界スローライフ
壬黎ハルキ
ファンタジー
それは、少年が高校を卒業した直後のことだった。
幼なじみでお嬢様な少女から、夕暮れの公園のど真ん中で叫ばれた。
「知らない御曹司と結婚するなんて絶対イヤ! このまま世界の果てまで逃げたいわ!」
泣きじゃくる彼女に、彼は言った。
「俺、これから異世界に移住するんだけど、良かったら一緒に来る?」
「行くわ! ついでに私の全部をアンタにあげる! 一生大事にしなさいよね!」
そんな感じで駆け落ちした二人が、異世界でのんびりと暮らしていく物語。
※2019年10月、完結しました。
※小説家になろう、カクヨムにも公開しています。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
若返った老騎士の食道楽~英雄は銀狼と共に自由気ままな旅をする~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
あるところに、数百年周期で現れる魔王がいた。
人族から生まれ、闇に魅入られし者、妖魔を統べる魔王と呼ばれる存在。
度々現れては、人々を恐怖のどん底に貶めてきた。
此度、その魔王との戦いに終止符を打った男がいた。
名をシグルド卿といい、六十歳を迎えた老人の男だ。
元平民にも関わらず、爵位を得て史上初の将軍にまで上り詰めた英雄である。
しかし、魔王と一騎討ちの末に相打ちになった……と世間では言われていた。
当の本人は実は生きており、しかも若返っていた。
そして自分が生きていることが知られると、色々と面倒なことになると悟った。
それにどうせなら、自由の身になって世界を旅したいと。
これは役目を終えた英雄が旅をし、様々な人と出会い、美味い物を食べていく物語。
聖女なんかじゃありません!~異世界で介護始めたらなぜか伯爵様に愛でられてます~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
川で溺れていた猫を助けようとして飛び込屋敷に連れていかれる。それから私は、魔物と戦い手足を失った寝たきりの伯爵様の世話人になることに。気難しい伯爵様に手を焼きつつもQOLを上げるために努力する私。
そんな私に伯爵様の主治医がプロポーズしてきたりと、突然のモテ期が到来?
エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。
異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜
山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。
息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。
壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。
茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。
そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。
明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。
しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。
仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。
そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる