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真相
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「すいませーん、どなたかいらっしゃいませんかー」
古着屋のおばさんが教えてくれた場所は、すぐに分かった。
今は誰もいないカウンターの前に立ち、声を張り上げている。
待つこと約1分、ハンカチで手を拭きながら、中から男性が出てきた。
「大変お待たせして申し訳ない、実は今朝からお腹の調子が悪くて……変な物を食べた記憶は無いのですが、一体…」
こっちはそんな事を聞きに来たわけではない。
「大変ですね。あの、実は先日こちらの劇場で起きた火事について、ここで教えて頂けるかもしれないと聞いたのでお伺いしたんですが」
「あ、ああ、それでしたら、あちらの第二会議室まで行ってください」
男性はそう言いながら、右方向の通路を指さした。
さて、入り口に第二と書かれた扉をノックすると、間を置かずその扉が開いた。
そこは意外と広い部屋で、何人もの人が慌しく動き回り、あちらこちらに紙の束が積み上げられている。
「すいません、ちょっとお尋ねしたいのですが」
「はい、どう言ったご用件ですか?」
すぐそばにいた男性が、答えてくれる。
「あの、先日の火災で亡くなった人の事で、詳しいお話を聞きたいのですけれど」
「そうですか…分かりました、どうぞこちらに」
そして通されたのは、部屋の片隅に置かれた小さなイスとテーブル。
「で、お聞きになりたいのは、どなたの事ですか?」
向かい側に腰かけた人が、紐で綴った分厚いファイルを開く。
「エレオノーラです、エレオノーラ・ガルティア」
言った途端、男性の動きが止まった。
「……エレオノーラ様ですか、で、あなたと彼女はどういったご関係で?」
「い、従妹です」
本人とは言えない。
「従妹様でしたらお話しても大丈夫でしょう、で、どういった事を聞かれたいのでしょうか?」
身分証明の事を危惧していたが、けっこうザルだった。
ならばと、私は促されるまま自分が思っている疑問を一気にぶちまけた。
性別が分からないほどの状態と言っていたのに、どうしてエレオノーラと分かったのか。
劇場にいた経緯や、特徴など残された情報が有るか。
今現在どうなっているのかなど、思いつく限りのものを。
「えー、まず経緯からお話ししましょう。火災が有ったのは10月10日午後です。火災の鎮火まで約2時間ほどかかりました。鎮火と言いましても、ほぼ全焼でしたが。それから日が落ちるまで捜索活動をし、次の日も捜索活動が行われました。エレオノーラ様が発見されたのは、二日目の10時頃だと記されていますね。劇場の左後ろの通路から発見されました。外への出口からはだいぶ離れたところでしたので、きっと逃げ切れなかったのでしょう」
「そうですか………」
「それから身元が判明したのは、その3日後です。確認のためその遺品を持ち、10月19日にガルディア様のお屋敷を訪ねました。知らせを聞いたご家族がここに到着したのがそれから3日後の10月22日でしたね」
王都からここまで3日、信じられない。
「それから遺体を確認していただき、その日の内に彼女を棺に納め帰って行かれました。こちらで把握している時間の経緯はこんな感じです」
「ありがとう…ございます……」
「つぎに、その遺体がエレオノーラ様だとしたのは、彼女が所持していた遺品からです」
「遺品?」
性別も分からないほどの遺体に、遺品となるものが残されていたのだろうか?
「きっととても大切な物だったのでしょう。胸に抱き込むように守った物は、ハンカチとみられる布でした。それを調査したところ、貴族を証明する家紋が残っていましたので、それを基に身元を特定しました」
「でも、顔も性別も分からない状態だったのですよね?ガルディア家の他の人かもしれないし…たまたまエレオノーラが落とした物を、拾って持っていた人かもしれないでしょう?」
「いえ、たとえ拾ったにしても、貴族の家紋が入った物を、他の貴族または一般人が理由もなく所持する事は禁止されています。小さな頃から教えられる事ですよ?家紋入りの物を拾ったのであれば、すぐに署に届けろと。あぁ話が逸れましたね。それから私共が早速ガルディア男爵家に連絡を取ったところ、所在が分からなかったのはご旅行中のエレオノーラ様のみでした。それ以外の方は、全てお元気でしたよ」
そうか、みんな元気でやっているんだ、良かった。
でもハンカチ……ハンカチってあれだよね?
あの殿下から返してもらったやつ。
あの時、ミシェルと交換したハンカチの事しか思い当たらない。
まずい、すっかり忘れていたけど、あれミシェルにあげちゃダメな奴だったわ。
でも家紋入りのハンカチか。
家は家紋入りの物などほとんど作っていないはずだから、父様達がそれを見て私だと断定しても仕方ないかも。
「令嬢は婚礼前の最後の旅行を楽しんでおられたようです。身分を伏せてのご旅行だったようで、ここまでの経緯を知る人はほとんどおりませんでした。しかし、幸せを前にこんな事になるとは……」
そう言うと男性は、ズボンのポケットから丸まったハンカチを取り出し、自分の涙をぬぐってから盛大に鼻をかんでいた。
「取り乱し申し訳ありません、私にも年頃になる娘がおりまして……つい」
いえ、まだ生きている私の事で泣かせてしまって、こちらこそ申し訳ないです。
だが、つまりだ、私の代わりに亡くなったのは、ここに泊まった時に同室だったミシェルではないだろうか。
彼女は色々な所に行き、色々な事をしてみたいと言っていた。
だからここを旅立つ前に、その劇も見てみたくなったのかもしれない。
そしてその場で………。
「そっか………」
病気での寿命が尽きる前に逝ってしまったのか…。
それもまた天の采配、仕方のない事かもしれない。
だけどあの時、私は彼女の死を覚悟をしたとはいえ、それでも友達が亡くなったのはとても辛いし寂しい。
私の悲しみを察したのか、警官は少しの間、言葉を発せず待ってくれた。
それでも頃合いを見図り、状況の説明を続けてくれる。
「私たちが訪ねた3日後、ご家族と婚約者のアレクシス殿下が、馬車でここに到着しました」
「お城からここまでたった3日とは、随分と早かったのですね」
「ええ、私達も驚きました。それからは見ているこちらも辛くなるような光景でしたよ。姿は変わってしまったとは言え、やはり娘です。父親は娘の手をしっかり握りしめ、母親は遺体に縋りつくように泣いらっしゃいました。ちなみに婚約者である殿下は、茫然自失状態でしたよ」
アレクシス様、忙しいだろうにわざわざ元婚約者の一大事に駆けつけてくれたのか。
やはり義理堅い人なんだな。
「それからは、先ほど説明した通りです」
なるほど……。
しかしだ、まずい、やばい、困った、どうしよう。
これって、みんなは私が死んだと思い込んでいるよね。
私はアレクシス様が結婚した後、もしくは二人の婚約が整った後に家に戻るつもりだったんだ。
これじゃあマジ家に帰れないじゃないか!!
それとも頃合いを見計らって、今回の件は私はぜんぜん知らなかった事にして、ただいま~と家に帰ろうか。
だけど、心配をかけた分、めちゃくちゃ怒られるだろうな。
どれぐらい怒られるのかな?
もしかすると、母様に引っ叩かれるかもしれない。
これは怖いぞ………………。
しかしこのまま家を出たままではいられないし。
一応覚悟は決めておかねば。
だけど…ミシェルは?
私が帰った時、ミシェルはどうなるの?
今はきっと、私の家族が弔ってくれているはずだ。
だけど私では無いと判明した時、彼女は身元不明者として、どこかの墓地に人知れず埋葬されるのだろうか。
そして、一人寂しく忘れ去られていくのだろうか。
でも考えてみると、私だって彼女の名前と境遇しか聞いていない。
ああこんな事になるならば、彼女がどこから来たのか聞いておけばよかった。
ミシェルともっと、いろいろな話をしておけばよかった。
だから私は、いつかきっと、彼女のいた場所を探し出そうと決めた。
そしてミシェルを知る人達と彼女の事を語ろう。
だからそれまで、せめて私が帰るまで。
父様、母様、ミシェルの事をお願いします。
ミシェルの死を悲しみ弔ってあげて下さい。
いつか彼女を故郷に送り届ける日まで、よろしくお願いします。
そう心の中で願い、取り合えず私はもう少し逃げる事にした。
ごめんねミシェル。
私、絶対に帰るから。
古着屋のおばさんが教えてくれた場所は、すぐに分かった。
今は誰もいないカウンターの前に立ち、声を張り上げている。
待つこと約1分、ハンカチで手を拭きながら、中から男性が出てきた。
「大変お待たせして申し訳ない、実は今朝からお腹の調子が悪くて……変な物を食べた記憶は無いのですが、一体…」
こっちはそんな事を聞きに来たわけではない。
「大変ですね。あの、実は先日こちらの劇場で起きた火事について、ここで教えて頂けるかもしれないと聞いたのでお伺いしたんですが」
「あ、ああ、それでしたら、あちらの第二会議室まで行ってください」
男性はそう言いながら、右方向の通路を指さした。
さて、入り口に第二と書かれた扉をノックすると、間を置かずその扉が開いた。
そこは意外と広い部屋で、何人もの人が慌しく動き回り、あちらこちらに紙の束が積み上げられている。
「すいません、ちょっとお尋ねしたいのですが」
「はい、どう言ったご用件ですか?」
すぐそばにいた男性が、答えてくれる。
「あの、先日の火災で亡くなった人の事で、詳しいお話を聞きたいのですけれど」
「そうですか…分かりました、どうぞこちらに」
そして通されたのは、部屋の片隅に置かれた小さなイスとテーブル。
「で、お聞きになりたいのは、どなたの事ですか?」
向かい側に腰かけた人が、紐で綴った分厚いファイルを開く。
「エレオノーラです、エレオノーラ・ガルティア」
言った途端、男性の動きが止まった。
「……エレオノーラ様ですか、で、あなたと彼女はどういったご関係で?」
「い、従妹です」
本人とは言えない。
「従妹様でしたらお話しても大丈夫でしょう、で、どういった事を聞かれたいのでしょうか?」
身分証明の事を危惧していたが、けっこうザルだった。
ならばと、私は促されるまま自分が思っている疑問を一気にぶちまけた。
性別が分からないほどの状態と言っていたのに、どうしてエレオノーラと分かったのか。
劇場にいた経緯や、特徴など残された情報が有るか。
今現在どうなっているのかなど、思いつく限りのものを。
「えー、まず経緯からお話ししましょう。火災が有ったのは10月10日午後です。火災の鎮火まで約2時間ほどかかりました。鎮火と言いましても、ほぼ全焼でしたが。それから日が落ちるまで捜索活動をし、次の日も捜索活動が行われました。エレオノーラ様が発見されたのは、二日目の10時頃だと記されていますね。劇場の左後ろの通路から発見されました。外への出口からはだいぶ離れたところでしたので、きっと逃げ切れなかったのでしょう」
「そうですか………」
「それから身元が判明したのは、その3日後です。確認のためその遺品を持ち、10月19日にガルディア様のお屋敷を訪ねました。知らせを聞いたご家族がここに到着したのがそれから3日後の10月22日でしたね」
王都からここまで3日、信じられない。
「それから遺体を確認していただき、その日の内に彼女を棺に納め帰って行かれました。こちらで把握している時間の経緯はこんな感じです」
「ありがとう…ございます……」
「つぎに、その遺体がエレオノーラ様だとしたのは、彼女が所持していた遺品からです」
「遺品?」
性別も分からないほどの遺体に、遺品となるものが残されていたのだろうか?
「きっととても大切な物だったのでしょう。胸に抱き込むように守った物は、ハンカチとみられる布でした。それを調査したところ、貴族を証明する家紋が残っていましたので、それを基に身元を特定しました」
「でも、顔も性別も分からない状態だったのですよね?ガルディア家の他の人かもしれないし…たまたまエレオノーラが落とした物を、拾って持っていた人かもしれないでしょう?」
「いえ、たとえ拾ったにしても、貴族の家紋が入った物を、他の貴族または一般人が理由もなく所持する事は禁止されています。小さな頃から教えられる事ですよ?家紋入りの物を拾ったのであれば、すぐに署に届けろと。あぁ話が逸れましたね。それから私共が早速ガルディア男爵家に連絡を取ったところ、所在が分からなかったのはご旅行中のエレオノーラ様のみでした。それ以外の方は、全てお元気でしたよ」
そうか、みんな元気でやっているんだ、良かった。
でもハンカチ……ハンカチってあれだよね?
あの殿下から返してもらったやつ。
あの時、ミシェルと交換したハンカチの事しか思い当たらない。
まずい、すっかり忘れていたけど、あれミシェルにあげちゃダメな奴だったわ。
でも家紋入りのハンカチか。
家は家紋入りの物などほとんど作っていないはずだから、父様達がそれを見て私だと断定しても仕方ないかも。
「令嬢は婚礼前の最後の旅行を楽しんでおられたようです。身分を伏せてのご旅行だったようで、ここまでの経緯を知る人はほとんどおりませんでした。しかし、幸せを前にこんな事になるとは……」
そう言うと男性は、ズボンのポケットから丸まったハンカチを取り出し、自分の涙をぬぐってから盛大に鼻をかんでいた。
「取り乱し申し訳ありません、私にも年頃になる娘がおりまして……つい」
いえ、まだ生きている私の事で泣かせてしまって、こちらこそ申し訳ないです。
だが、つまりだ、私の代わりに亡くなったのは、ここに泊まった時に同室だったミシェルではないだろうか。
彼女は色々な所に行き、色々な事をしてみたいと言っていた。
だからここを旅立つ前に、その劇も見てみたくなったのかもしれない。
そしてその場で………。
「そっか………」
病気での寿命が尽きる前に逝ってしまったのか…。
それもまた天の采配、仕方のない事かもしれない。
だけどあの時、私は彼女の死を覚悟をしたとはいえ、それでも友達が亡くなったのはとても辛いし寂しい。
私の悲しみを察したのか、警官は少しの間、言葉を発せず待ってくれた。
それでも頃合いを見図り、状況の説明を続けてくれる。
「私たちが訪ねた3日後、ご家族と婚約者のアレクシス殿下が、馬車でここに到着しました」
「お城からここまでたった3日とは、随分と早かったのですね」
「ええ、私達も驚きました。それからは見ているこちらも辛くなるような光景でしたよ。姿は変わってしまったとは言え、やはり娘です。父親は娘の手をしっかり握りしめ、母親は遺体に縋りつくように泣いらっしゃいました。ちなみに婚約者である殿下は、茫然自失状態でしたよ」
アレクシス様、忙しいだろうにわざわざ元婚約者の一大事に駆けつけてくれたのか。
やはり義理堅い人なんだな。
「それからは、先ほど説明した通りです」
なるほど……。
しかしだ、まずい、やばい、困った、どうしよう。
これって、みんなは私が死んだと思い込んでいるよね。
私はアレクシス様が結婚した後、もしくは二人の婚約が整った後に家に戻るつもりだったんだ。
これじゃあマジ家に帰れないじゃないか!!
それとも頃合いを見計らって、今回の件は私はぜんぜん知らなかった事にして、ただいま~と家に帰ろうか。
だけど、心配をかけた分、めちゃくちゃ怒られるだろうな。
どれぐらい怒られるのかな?
もしかすると、母様に引っ叩かれるかもしれない。
これは怖いぞ………………。
しかしこのまま家を出たままではいられないし。
一応覚悟は決めておかねば。
だけど…ミシェルは?
私が帰った時、ミシェルはどうなるの?
今はきっと、私の家族が弔ってくれているはずだ。
だけど私では無いと判明した時、彼女は身元不明者として、どこかの墓地に人知れず埋葬されるのだろうか。
そして、一人寂しく忘れ去られていくのだろうか。
でも考えてみると、私だって彼女の名前と境遇しか聞いていない。
ああこんな事になるならば、彼女がどこから来たのか聞いておけばよかった。
ミシェルともっと、いろいろな話をしておけばよかった。
だから私は、いつかきっと、彼女のいた場所を探し出そうと決めた。
そしてミシェルを知る人達と彼女の事を語ろう。
だからそれまで、せめて私が帰るまで。
父様、母様、ミシェルの事をお願いします。
ミシェルの死を悲しみ弔ってあげて下さい。
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