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第一章 バグ編
嵐の前の静けさ
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揺らめく木陰、涼やかな風が通り抜けていく。
何も考えずただ眼を閉じ時間の流れに身を任せる。
たまにはこんな時間ももいいものだ。
「皐月!何ボーと寝っ転がっているのよ!
忙しいんだから、暇なら買い物に行ってきて!」
チェッ、せっかくいい気分だったのに。
母親の怒鳴り声に、俺はいきなり現実に引き戻された。
俺は今、お盆で田舎のじいちゃんの家に帰省中。
先ほどやっと到着し、お気に入りの縁側を全開にして、
そこに寝そべって涼しい田舎の風にあたって一息ついていたんだけど…。
本当はラッシュに巻き込まれ、退屈な時間を過ごすぐらいなら、
たとえ一人でも家に残って、ゲームしていた方がましだと思っていたけれど、
たまにはおじいちゃん達に顔を見せなさいと無理やり連れてこられたんだ。
もっとも此処には小学校3年まで住んでいたから、全然知らない土地ではないし、
たまには幼馴染と直に顔を合わせるのもいいしな。
仕方ないから俺は母親に頼まれた買い物に行く事にした。
此処から一番近いスーパーまでは約2キロ。
ワゴン車に無理やり積んできた自転車は、これを想定していたんだろうな。
俺はエコバックと財布を持たされ、玄関に追い立てられた。
「行って来まーす。」
ガラガラと玄関の引き戸を開け、一歩踏み出した途端、俺は固まった。
「え……と。」
今の俺の目の前には、どことなく見た事の有る風景が広がっていた。
不気味な岩山がそびえ立ち、うっそうとした森が奥深く続いている。
しかしそこは、見慣れたじいちゃんちの庭では絶対ない。
いきなり嫌な汗が噴き出してきた。
「………。」
踏み出していた足をそーっと玄関の中に戻し、引き戸をゆっくり閉める。
そして安全地帯に戻ってきたような安堵感に満たされた。
玄関の壁に体を預けフ―ッと息を吐く。
「あれってさぁ…。」
誰に聞かせる訳でもないが、言葉が口をついて出る。
「絶対あそこだよな。でも俺今ログインしてたっけ?いや、そんな筈ねえし。」
するといきなり、母親の大きな声が響いた。
「やだ皐月、あんたまだ買い物に行ってなかったの?
もう!さっさと行ってきてよ、ほらほら。」
そう言って、俺を無理やり玄関の外に押し出そうとする。
「いや、やめろよ母さん。だからぁ、ちょっと待てって。」
しかし問答無用で俺は抵抗も虚しく玄関の外に追いやられてしまった。
だから、此処は危険地帯なんだってば!勘弁してくれよ。
此処に来るには、それなりの装備を整えてからじゃなきゃ危ないんだってば!
俺は思わず頭を抱えてしゃがみ込んだ。
て、何考えてるんだ俺、
リアルには、ハイポーションだとかハイサポーターの装備が存在している訳ないじゃん。
そんな物、装備できると思ってんの?
でも、いきなり危険地帯に無装備でポイされるのだけは勘弁!
なんて頭がぐちゃぐちゃになったけど、
気を取り直してそーっと周りを見渡してみると、
そこは見慣れたじいちゃんちの庭だった。
「た、助かった~。」
「何がだよ。」
「へ?」
「よう、皐月久しぶり。」
声のした方を見ると、そこには幼馴染の涼太が自転車に跨ったままこちらを見ていた。
何も考えずただ眼を閉じ時間の流れに身を任せる。
たまにはこんな時間ももいいものだ。
「皐月!何ボーと寝っ転がっているのよ!
忙しいんだから、暇なら買い物に行ってきて!」
チェッ、せっかくいい気分だったのに。
母親の怒鳴り声に、俺はいきなり現実に引き戻された。
俺は今、お盆で田舎のじいちゃんの家に帰省中。
先ほどやっと到着し、お気に入りの縁側を全開にして、
そこに寝そべって涼しい田舎の風にあたって一息ついていたんだけど…。
本当はラッシュに巻き込まれ、退屈な時間を過ごすぐらいなら、
たとえ一人でも家に残って、ゲームしていた方がましだと思っていたけれど、
たまにはおじいちゃん達に顔を見せなさいと無理やり連れてこられたんだ。
もっとも此処には小学校3年まで住んでいたから、全然知らない土地ではないし、
たまには幼馴染と直に顔を合わせるのもいいしな。
仕方ないから俺は母親に頼まれた買い物に行く事にした。
此処から一番近いスーパーまでは約2キロ。
ワゴン車に無理やり積んできた自転車は、これを想定していたんだろうな。
俺はエコバックと財布を持たされ、玄関に追い立てられた。
「行って来まーす。」
ガラガラと玄関の引き戸を開け、一歩踏み出した途端、俺は固まった。
「え……と。」
今の俺の目の前には、どことなく見た事の有る風景が広がっていた。
不気味な岩山がそびえ立ち、うっそうとした森が奥深く続いている。
しかしそこは、見慣れたじいちゃんちの庭では絶対ない。
いきなり嫌な汗が噴き出してきた。
「………。」
踏み出していた足をそーっと玄関の中に戻し、引き戸をゆっくり閉める。
そして安全地帯に戻ってきたような安堵感に満たされた。
玄関の壁に体を預けフ―ッと息を吐く。
「あれってさぁ…。」
誰に聞かせる訳でもないが、言葉が口をついて出る。
「絶対あそこだよな。でも俺今ログインしてたっけ?いや、そんな筈ねえし。」
するといきなり、母親の大きな声が響いた。
「やだ皐月、あんたまだ買い物に行ってなかったの?
もう!さっさと行ってきてよ、ほらほら。」
そう言って、俺を無理やり玄関の外に押し出そうとする。
「いや、やめろよ母さん。だからぁ、ちょっと待てって。」
しかし問答無用で俺は抵抗も虚しく玄関の外に追いやられてしまった。
だから、此処は危険地帯なんだってば!勘弁してくれよ。
此処に来るには、それなりの装備を整えてからじゃなきゃ危ないんだってば!
俺は思わず頭を抱えてしゃがみ込んだ。
て、何考えてるんだ俺、
リアルには、ハイポーションだとかハイサポーターの装備が存在している訳ないじゃん。
そんな物、装備できると思ってんの?
でも、いきなり危険地帯に無装備でポイされるのだけは勘弁!
なんて頭がぐちゃぐちゃになったけど、
気を取り直してそーっと周りを見渡してみると、
そこは見慣れたじいちゃんちの庭だった。
「た、助かった~。」
「何がだよ。」
「へ?」
「よう、皐月久しぶり。」
声のした方を見ると、そこには幼馴染の涼太が自転車に跨ったままこちらを見ていた。
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