緊急事態!VRMMO”久遠の大陸”に閉じ込められた俺

羽兎里

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第一章 バグ編

それから。 完

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しかしその後が怒涛のような展開だった。
とにかく無事覚醒した事を両親に知らせた。
それを聞き、急いで駆け付けた親父とお袋。
案の定お袋には大泣きされた。

それから暫くして諒太がいきなり現れた。

「紗月―!」

病室に飛び込んできた諒太は、案の定ぎゅっと俺を抱きしめ、しばらく離さなかった。
だ、から、恥ずかしい、からー!離せ、ってば。

「バカヤロウ!リアルの俺は、紗月じゃねえ!」

最終的には蹴り倒して、ようやく剥がした。
俺の意識が戻ったのを知り、居ても立っても居られず、飛び出してきたみたいだ。
しかし、長い時間意識を失った状態だった俺の体の、動きが鈍い。
ちょっと筋肉痛のような感じもする。
ずっと体を動かしていなかったせいだろうな。
涼太はついでだからと、そのまま俺と共に、今回の問題に対応する為の実験に付き合う事になった。
俺は、文句を言われる事もなく、ゲーム漬けの毎日が過ごせるから、幾らでも協力しますとも。
報酬として、バイト代もけっこう貰った。ラッキー。

夏休み終了の間際に分かった事。
どうやら俺の脳波は他の人に比べ、ほんの少し特殊だったようで、
このゲームの波長とやたら絡みやすかったようだ。
まあ、脳波の型なんて誰がどう違うのかなんて分からないけど、
とにかくあらゆる型に対応する様、今後の研究案件となった。
まあ、前にも言ったけど、こんな状態に陥ったのは、
後にも先にも俺一人だったみたいだし、あれから俺にも同じ事は起きていない。
それでも、俺には万全を期す為に、
急遽作られた、俺専用に改良を加えた特別製のゲーム装置を渡された。
ついでに、この先も時々検診するように言われた。
でも検診の内容を見ていると、
体のいい実験材料にされてみているような気がするんですが……。
気のせいですか?




「紗月君、今日は暇かい?」

「えっと、この後サリューと常闇の神殿に行こうかと思っていたんですけど、診察ですか?」

そう、アインハルトさんは、俺の為にここギサの町に拠点を移してくれて、
時々ゲーム内での診察をしてくれる。
もちろん、俺の家からはすべて撤退して、別の場所に住居兼研究所を作ったらしい。

「いや、今日はその件ではないんだ。
やっと暇が出来たから、以前約束した四次元の部屋の設定の仕方を教えてあげようと思って。」

「え、本当ですか?やった!ぜひお願いします。
それじゃ、サリューを呼びに行って来ますね。」

「そうか、そう言えばあいつにも渡したんだっけな…。」

未だにアインハルトさんとサリューは馬が合わないみたいだ。
長い付き合いになりそうなんだから、仲良くすればいいのに。
そう思いながら、俺はサリューのもとに走った。


余談

「なあ、サリュー、お前大学決まったのか?」

「あぁ、まあな。」

俺達は今、氷結の原っぱで狩の真っ最中だ。
さすがにここは寒い。
今日の目的はアイス系の魔石を落とす奴を狩る事。

「へー、俺も!第一志望一発合格だぜっと、
すげえだろ。すまない1匹取り逃がした。頼む。」

なんたって俺には、マッドサイエンティストという家庭教師が付いている。

「任せろ。ああ、知ってる。俺も安心した。よっ、ゲット。」

「サンキュ。なぜ知ってんだ?」

「ん?おばさんに聞いた。おい、後ろにでかいやつ来てるぞ。」

「ああ、こーらせっ、ズバッと、で、安心したって、そんなに心配かけたか?」

「ああ、大学は南条工科総合大学だろ。ほら、もう一発入れとけ。」

「はいよー。ズバッと二発目!」

「そこ、俺すでに推薦で受かってるんだ。よし、いっちょ上がり!」

「ハァ~~~~?」

「4月からは同じ大学の学生だな。」

「お前東京に出てくるの?」

「あぁ、アパート借りる予定。何なら一緒に住むか?」

それは謹んでお断りします。最近のお前、なんとなく身の危険感じるから………。



   ※※※※※※ 了 ※※※※※※


お付き合いいただきありがとうございました。暫くしましたら、続編開始の予定です。
よろしくお願いいたします。
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