緊急事態!VRMMO”久遠の大陸”に閉じ込められた俺

羽兎里

文字の大きさ
16 / 23
第二章 彼女が欲しい皐月君 編

デート

しおりを挟む
「今さ、紗月好みの奴に連絡取ったから、じきに現れると思うよ。」

え、誰か紹介してくれるの?やっぱりエイジさんに相談して良かった~。

「野暮用を済ませたら、すぐログインしてこちらに向かってくれると言っていたから、
それまでこれでも飲んで待ってて。」

と、エイジさんは俺の前に、クッキーを添えたお茶を出してくれた。
ホント、そつがないよね。

それから30分も待っただろうか、
俺にしたら、どんな人が来るのか想像していたから、そんなに苦痛では無かったけどさ。

「来たわよ!」

いきなり店に飛び込んできたのは、黒くうねった髪の美女だった。
うわぁ、すっごい!
装備からすると剣士なんだろうな。かなりグラマーなのだが、
それ以上に目を引くのは、その人から漂う品の良さだ。

「いきなり呼び出したりして、どうしたのよ。
くだらない事だったら怒るわよ。」

「くだらないと言えばそうかもしれないんだけど、…取りあえず先に謝っておくよ。」

「なんか、いやな予感がするから帰る。」

「まあ、そう言わずに、ちょっと紹介したい人が居てさ。」

そう言って、エイジさんは僕を手招きした。
紹介してくれる人って、この人でしょうか?さすがエイジさん分かってらっしゃる。
ドンピシャですとも。
その髪も、その緑の瞳も、そのナイスバディも。
俺、気後れしちゃいます。

「この子なんだけどね。」

そう言いながらエイジさんが俺を前に押し出した。

「えっ、やだ、あなたもしかして紗月君?
きゃー!初めまして、私、セトカと言います。」

そう言いながら、彼女は俺の頭をムチャクチャ撫で繰り回した。
あの、セトカさん?出来れば止めていただけると、うれしいんですけど。

「やーん、やっぱり柔らかーい。かわいいー。」

「はい、もうお終い。話が進まないからね。」

そう言いながらエイジさんは俺達をテーブルに案内した。
お茶入れ替えてくるからちょっと待ってて、そう言ってエイジさんは席を外した。
え―、行っちゃうの?そんな、何話せばいいんだよ。
女の子と付き合ったことが無い俺には、
いきなり二人きりなんてハードルが高すぎるんですけど。

「ねえ、紗月君。今日は一人なの?
サリュー様は?」

「あ、あいつ、私用が有って今日はログインできないそうです。
だから今日の俺はボッチなんですよ。」

「そうなの…残念。でも今日は紗月君一人なの?
あの…もしよければ一緒に行動しない?」

願っても無い事です!
何だ、女の子と付き合うのって、意外と簡単な事じゃないか。
俺はすかさずOKした。

「話が盛り上がってるようだね。これなら俺が中に入らなくてもいいかな?」

「何が?」

「いや、紗月がさ、女の友達が欲しいって言うから、俺が一肌脱ごうと思って。」

「そんな!俺、そんな事、いや、あの、セトカさん、俺ね、」

そんなはっきりと、セトカさんに言わなくてもいいじゃないか。

「あら、それだったらこちらからお願いしたいぐらいだわ。
紗月君、私とお友達になって下さい。」

「喜んで!」

そして俺たちはフレンド登録をした。
日が暮れるまでまだ時間はあるし、この後何しようかいろいろ相談をする。
結局まだお互いの情報が不足しているので、
いきなり連携での狩も危ないと言う事になり、
ギサの町をぶらりとする事になった。

「エイジさん、サンキュ、それじゃあ行ってくるね。」

「はい、楽しんできてね。
あ、セトカ。」

「何?」

「気を抜かずに、気を付けてね。」

「何を?」

「そのうち分るよ。ごめんね。」

「「????」」

ま、いっか。
訳も分からぬまま、俺たちはゴッタニ亭を後にした。



ギサの屋台街を二人で歩きながら、色々な店を見て回った。
串焼きを食べたり、中古の武器を扱う露店を眺めたり色々な事をした。
中でも目を引いたのが、屑の魔石を使ったアクセサリーショップ。
これって、本当にこの値段でいいのかな?
俺が手にしたのは赤、水色、琥珀色の小さな石をセンス良く配置したペンダントトップ。
幾ら屑石とはいえ、この石と、配列だったらかなりの護符になるよ。
もしかしたら、知らずに出来た偶然の産物?
それだったらものすごくお買い得!

「お兄さん、これちょうだい。」

「お、坊主、お姉さんにプレゼントか?感心だな。
よし、オマケしちゃうぞ。」

お姉さんにプレゼントって……、やっぱりデートには見えないのか。仕方ないけど。
ついでにそれに合う細い革紐を付けてもらい、かわいくラッピングしてもらった。
セトカさんはセトカさんで、やはり何やら買い物をしている。何を買ったのかな?
店を出て、お茶でもしましょうと近くの茶店にセトカさんを誘った。

「セトカさん。良かったら今日の記念にこれ貰ってくれませんか?」

先ほど買ったペンダントの袋を差し出した。

「え、やだ、うれしい。
実は、私も紗月君にプレゼントが有るの。気に入ってくれるといいんだけど。」

セトカさんも小さな袋を取り出した。
え、俺に?すげえ嬉しい。
女の人からのプレゼントなんて、お袋以外初めてなんですけど。

「綺麗。紗月君てセンスいいのね。」

「それ、魔石でできていて、
小さいとはいえかなり良質な石を組んであるから、
かなりいい護符になっているんです。
出来る限り身に付けていてくれると嬉しいです。」

だってそれ付ける事により、防御力+3ぐらいになるんだよ。

「へー。凄いのね。嬉しい。ありがとう。」

セトカさんはさっそく首の後ろで革紐を結んでいる。
さて、セトカさんは何をくれたのかな?
ワクワクしながら袋を開けてみた。
そして中には、黒い何かモサっとした人形のような、根付みたいなものが入っていた。
えーっと、すいません………。
呪い…の…人形でしょうか…?

「可愛いでしょ?それ。
一目で気に入っちゃって。
どことなくサリュー様に似てるなって思ったの。
いつも一緒に居たい!てそう思うほどでしょ?
ぜひ紗月君にあげたいって思ったのよ。
実は私も欲しくて、ほら。」

そして、セトカさんは自分のポケットから同じものをもう一つ取出した。
ハウッ、呪いが二つ!

「お揃いね。」

セトカさんが嬉しそうに言う。そんなに喜んでいらっしゃるなら、
たとえ呪われても肌身放さず大事にしますとも。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者のハーレムパーティー抜けさせてもらいます!〜やけになってワンナイトしたら溺愛されました〜

犬の下僕
恋愛
勇者に裏切られた主人公がワンナイトしたら溺愛される話です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武
ファンタジー
今よりも科学が発達した世界、そんな世界にVRMMOが登場した。 Every Holiday Online 休みを謳歌できるこのゲームを、俺たち家族全員が始めることになった。 最初のチュートリアルの時、俺は一つの願いを言った――そしたらステータスは最弱、スキルの大半はエラー状態!? ゲーム開始地点は誰もいない無人の星、あるのは求めて手に入れた生産特化のスキル――:DIY:。 はたして、俺はこのゲームで大車輪ができるのか!? (大切) 1話約1000文字です 01章――バトル無し・下準備回 02章――冒険の始まり・死に続ける 03章――『超越者』・騎士の国へ 04章――森の守護獣・イベント参加 05章――ダンジョン・未知との遭遇 06章──仙人の街・帝国の進撃 07章──強さを求めて・錬金の王 08章──魔族の侵略・魔王との邂逅 09章──匠天の証明・眠る機械龍 10章──東の果てへ・物ノ怪の巫女 11章──アンヤク・封じられし人形 12章──獣人の都・蔓延る闘争 13章──当千の試練・機械仕掛けの不死者 14章──天の集い・北の果て 15章──刀の王様・眠れる妖精 16章──腕輪祭り・悪鬼騒動 17章──幽源の世界・侵略者の侵蝕 18章──タコヤキ作り・幽魔と霊王 19章──剋服の試練・ギルド問題 20章──五州騒動・迷宮イベント 21章──VS戦乙女・就職活動 22章──休日開放・家族冒険 23章──千■万■・■■の主(予定) タイトル通りになるのは二章以降となります、予めご了承を。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

処理中です...