黒頭巾は異世界で…

雪城 いぶき

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58話 色んな意味で危ないメイジー

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薬草を採取している中で木ノ実、山菜、キノコを見つけてはホクホクした気持ちで採取し収納していく。

「…ジー……メイ…!……メイジー!」

エヴァドネは何度かメイジーを呼び掛けたが、薬草採取に夢中になって、呼び掛けに気付かないメイジーの肩を掴んで呼び掛ける。

「ひぇ!?」

エヴァドネに肩を掴まれてビックリしたメイジー。
肩に置かれたエヴァドネの手を掴みそうになり、その手を咄嗟に胸に置いて息を吐いた。

はぁー。危なかった。もう少しで肩に乗った手を掴んでひねりそうになったよ~。

護身術を披露しそうになったメイジーは、周りを見渡してアディス達やオルト達が私の方を見て集中していた事に呆れていた。

時間を忘れるほど夢中になり過ぎて、日が落ちかけている事に全く気付かなかったようだ。

「ごめん、集中し過ぎていたよ。」

メイジーは乾いた笑いで誤魔化した。

「主様は夢中になり過ぎると、周りが見えなくなってしまうんですよね。」

オルトは喉の奥からクスクス笑いながら喋る。
"仕方ない、ご主人様なのじゃ"と呆れるディーネ。

「しょうがないじゃない。思いの外、採取する物が多く生えていたし、他にも色々実っていたんだもん。そうなると、採取したくなるでしょう?」

"仕方ないじゃん"と口を尖らせ頰を染めて恥ずかしがるメイジー。
そのやり取りを見て密かに笑うアディス達だった。

「日も暮れる、そろそろ戻ろう。」

ライアスが話を切り出す。

「ああ。討伐優先で街に戻る。」

話に乗るアディス。
メイジーは頷きフードを深く被る、オルトとディーネに異空間に戻ってもらった。

「主様、また。」

「ご主人様、また明日なのじゃ。」

異空間に戻るのを見届け、アディス達と街に向かって歩き出した。





森を抜けるまでに魔物が現れ、遭遇しては仕留め、解体し素材を回収するを繰り返していた。
マップに気になる物が引っかかっていた為、アディスに了承を貰い、その場を少し離れた。

アディスは、不敵な笑みではないが、それに近い表情で片方の口角を上げて"ちょっとそこに"と告げたメイジーの姿を見て背筋に寒気を感じながら了承し見送った。

素材を回収し、使わない残骸を燃やし終えた所に、目的を果たしたメイジーはアディス達のもとへ戻る。

「何をしていたの?」

魔物を燃やしている時に、皆んなに背中を向け、しゃがみこんで何かをしていたメイジーが気になり、戻って早々にエヴァドネが尋ねた。

「え?薬になる素材を回収しに。」

メイジーのニヤリと不敵な口元に、三人とも顔を引き攣らせ後退るのだった。

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