黒頭巾は異世界で…

雪城 いぶき

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70話 屋台

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市場から少し歩き街の中ほどに入り、本通りの大きな道の両脇で、色んな屋台が並んでいた。

野菜スープ、野菜炒め、肉炒め、串焼き、煮込みものや木の実ジュースなど、色んな屋台があった。
屋台があるだけで、お腹がいっぱいにも関わらず、食欲をそそる匂いで屋台に近づいては、別の屋台へとフラフラっと近寄る。

そんな事をしていると、マップに黄色いマークが近付いてくるのを確認するが無視をする。
お目当ての屋台を見つけたので近寄ろうとした所。
わざとメイジーに肩をぶつけようと歩いて来た、いかにも、という風貌の三人の男達を、少し大きく避け通り過ぎる。
後ろで"チッ"と舌打ちをして男達は去って行った。

「メイジー、今の…。」

「そうだね、いかにもな人達だったね?当たり屋だったのかな?」

「ちょっと、呑気に…。」

さっきのチンピラ風の男達が言いがかりで絡まれるんじゃないかと、後ろからエヴァドネが近寄って呟いた。

「何も無かったんだからいいじゃない?そうそう、お目当ての屋台、タレ付きカツのお店を見つけたから行こう!」

メイジーは笑顔で告げ、エヴァドネの手を掴んで向かう。
それを見ていたアディス達は、メイジーの後ろをついて行くのだった。



「おじさ~ん!朝から屋台出してたんだね?もしかしたら、夕方からじゃないと買えないかと思ってた。」

「ん?…あ~あ、いっぱい買ってくれた、あの時の嬢ちゃんか?」

カツを揚げながら黒いフードを目深に被った女の子を見て、すぐ思い出した屋台のおじさん。

「一度しか買ってないのに覚えているの?」

「そりゃあ、覚えるだろう?」

「えー?顔見せてないのに?」

「だからだよ。…お前さん印象に残りやすい姿、格好だろうが。」

「そうかな?」

印象に残りやすいと言われ、目線を下げ自分の格好を見る。

「で?今日は?」

「ん?ああ、おじさんのタレ付きカツを買いに来たの!朝からやってないかも、と思ってたんだけど、やってて良かったよ!」

「もう、あれを食べきったのか?!」

「うん、パーティーメンバーと一緒に食べたから、すぐ無くなっちゃった。」

メイジーは口元を綻ばせる。

「そうか、後ろの奴らとか?」

「そう!パーティーメンバーだよ。だから今日は20個お願い!」

屋台のおじさんは、それを聞いて口を開けて驚いていた。

「そんなにか!?」

「うん!」

「……はあ。わかった任せておけ!今、五個しか出来てないんだ、すぐ揚げるから待てるか?」

アディス達に顔を向けると頷いたのを確認したので、おじさんに応える。

「大丈夫だよ!美味しいのお願い!」

「おう!少し待ってな!」

大量のカツを油で揚げるのだった。




「出来上がったぞ?」

屋台の横で待っていた私達は、屋台のおじさんの声に、早速とばかりにアディスがカードを出し精算する。
その間に、出来たタレ付きカツを収納していく。

「おじさん、明日もお願いねぇ。」

「…そんなに、俺の揚げカツが?…買ってくれるって言うんなら揚げるがな。」

「おじさんの揚げ方も良いし、揚げた後のこのタレが丁度良くって~。」

ウフフっと頰に手を当てて顔がニヤける。

「お、おう!ありがとよ。」

おじさんは頰を引き吊らせながらお礼を言った。

「…明日は、いくつ必要だ?」

「おじさんの無理のない範囲で!」

「わかった。…俺はジェフってんだ。宜しくな!」

「私はメイジー、宜しくね!」

自己紹介後、他の屋台も覗きながらパン屋に寄り、コッペパンらしき物を30個下さいと言っては、店員さんに驚かれた。
次にアディス先導で大きい商会に向かうのだった。

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